ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで、束ねられた数枚の紙でしかないそれを僕に差し出すと、君は下を向いてコップについた水滴を指で撫ぜた。
何気なく開いたページには、立てこも ....
手配犯そっくりのオレ整形しモテはじめたがパトカーも来た 洗濯機はまだ回っている

時折カラカラとおかしな音がするのはきっと
いつもみたいにポケットに入っていたピックだろう

薄汚い壁に手をついて歩いている夢を見ていた
冷蔵庫は唸りを上げて冷やす ....
文字では
なにも言い表せられないし
音では
踊らせることはできないし
絵筆と色では
なにも
描くことができない

あなたが
どれだけわたしに近づいても
あなたに
触ることもで ....
この頸動脈の奥にある植込み
スカートをまくしあげしゃがむ
、というタイミングを待っている
ズキズキとする森へ
咽の先へ行きたがってるのに

すこやかとすごせますように 4車線に祈る ....
プロセスを無化させるためのプロセス


 伊達風人とは同人誌「kader0d」(カデロート)を一緒に作った仲だ。伊達は無口な男だった。電話をしても余計なことは話さない。勢い私ばかりしゃべることに ....
みんなで
思い出の中にひたっていられていると 思っていた
みんな
私の思い込みだった
私だけの 空想だった

ずっと同じでいられると思っていた
行く場所も戻る場所もみんなと一緒だと
思 ....
まどろみのカレイドスコープの中で
アリスとウェンディが交錯する
白ウサギを追いかけてワンダーランドを駆けるウェンディ
ピーター・パンを追ってネヴァーランドを飛ぶアリス

少女たちは追いかける ....
ぼくたちはインクの川をまたいで指を切る

彼女たちは木にぶら下がっている
裸で
ぼくたちは空を見上げている
お互いの青い
髪の毛を手にぶら下げている
暗闇がぼくたちの間をよぎっている
 ....
 チョークの粉を床に撒き散らして、線だと言った。冬だった。空襲の雲が押し寄せてくる。たまらない。教室はがらんどうで、さざめくのに姿が見えない。ただ音だけがそこにいるような、ジュークボックスのような、色 .... 実家にはいま父と母が住んでいて、いまは、黒い子犬も住んでいる。
母が名付けた、「宝籤」という意味の名前を呼ぶと、尻尾と耳をすこしふって転げてくる。それも、この二週間でずい分としっかりした。
宝 ....
流れゆく川のように
ゆっくりとした足取りの妖精達
昨日までの汲々とした世界から区別された聖性を掲げ
大地は誇り高く実りを告げる
冬の星座も宙高く
また来る聖夜には全てが始まる
すべての予感 ....
When the world is mine...

火曜日は街の背中の見える丘でアルマゲドンをひとり待つ予定


タンポポを折った帰りは電柱を倒すべきという義務の問題


相対性理論 ....
「大きなもみじ」
              木の若芽


いろんな木の葉が散り交じる
大きい葉 小さい葉 ぎざぎざの まるいの
一面にふりまかれた気取りない木の衣装の端切れ

  * ....
雨上がりの朝 音楽会は終わり あたりは拍手のように光っていた

──終演

濡れた落ち葉は閉じられた楽譜 土に還る日を待つのだろう

    ──静謐

鳥は何の疑問もなく冬へと向かう ....
茎干からび転げる掘り起したままの花園に名もしれず


向日葵が花咲く中潜る蜂羨ましく思う夏過ぎ


自転車の百千並びに差す秋陽その長し影から出れずに寒し


歩き方忘れたように並木道 ....
{画像=121112003029.jpg}


人はみな心の中に
自分の花園を持っていて
色々な花を育てている

私は一つの花壇に飽き足らず
ネットを彷徨い
この花園を見つけた
私 ....
そんな事実まみれの話をしないで。


朝、光のふりそそぐ首都圏に溶けだしたチョコレートのせいで、つ
づいていく肥満児の行進。破綻した都市計画が描くメープルシロッ
プ、キャラメ ....
常温で液体の金属である水銀
調合し身体の永遠を祈り水銀
を呑んだ皇帝や時の権力者も
現在の人々もしている事は同じ
自らの羽を喰らうヘルメスの鳥
だとしたら 
ことば に できな ....
 わからないことがこれからももっと
 ふえていくんだろうな

ふりかえるとはなれたひとがちかづいて
こえをかけてくれた
はなしたいことがあったのとうちあけたら
あたたかさを ....
鏡像のように

ひびく睡蓮

あなたの瞼から

瞼へ


五時のサイレン

夢の瞼が剥がれ落ちる

記憶の海から疎外されて

現実に戻る


まだ
 ....
おねがいだからと子どもみたいな目をしていたよ
なつかしい気持ちがいいよって
身体が車を動かして外を走らせたから
ありがとうねありがとうねと
なんどもお礼の言葉をくれた

気にし ....
美しさがある見えない糸の整列にあるなら
その糸の端っこをちょっと引っ張ってみたい

その僅かなゆるみが美しさを引き立てるのだろうか

謎解きが残された人生が美しいように
言い切らない余韻も ....
■僕らが17歳だったころ

1971年。17歳の南沙織は「17歳」という、そのまんまやーん!な曲名をひっさげ、鮮烈なデビューをかざる。
そしてその18年後の1989年、同曲のカバーが森高 ....
同じ言葉でも

私が放つ言葉と

あなたが放つ言葉は違う

私が放つ言葉でも

時と場所でとても違う

しかし言葉は私に

それぞれ違う形や色を見せながら

少しずつゆっく ....
リーダーシップは肩凝りには効かないし
寧ろ肩が凝るのではないかと思うので
シップはシップでも
インドメタシン配合にしようと
思っている今日この頃
俺はリーダーだぜえなどと
鼻息荒いのは自己 ....
道祖神に土下座している秋の果て 寄りそう栗の実は
獣の皮を着る生きものが身を隠しているようで

汚れた茶色が
人の暮らしを揶揄したようで

眺める

いつもどのようにすごしていますかの問いかけ言葉が

 ....
  しろいはな
  いろいろのは
  かれえだ
  すっぽりぬけたあな
  ねっこまでいなくなる
  とどかないおおきさと
  そそぐきもちが
  たりなかったんだね
   ....
いわれの無い 悲しみは
こどもの頃の 押入れの匂いがするから
布団のすきまに押しこんだ
この目は きっと赤

ともだち
と いう響きの電話の声が
「いまから 出かけない?」と ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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