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戦争くらい止めてやんよ
混沌とした水が透けるとき
言葉を釣り上げる喜びといったら
あぁ、まだ詩をやめられそうにないよ
るる、と呼べば
りら、と響く
それは歌
スノードロップが
白い鈴を鳴らしている
水仙が
黄色い笛を吹いている
{引用=合唱団の申し込みは
春色のポストへ出してください
....
【カタツムリの抜け殻】
実家には もう人の気配は無い
生気のない 家に行くには 迂回路しかなく
すぐそこに家はあるのに ふるい路は
家を まの当たりにしていながら ゆるやかに曲がり ....
わたしたちは
いつだって
傘のかなしみを知らないのです
雨は水のふりをしているけれど
あれは
悪魔なのです
今は悪魔であるけれど
もとは穢れなき天使だったのです
傘は特別製の防御服 ....
それは、
大まかに表したのなら踏切
もしくは縁が擦り切れた、
クラウドの束
私はなかなか爪を切れない性分で、
街には、
ローディング時間がない
そんな夢すら見ないのは
昆虫、
路地、 ....
子どもたちの語彙が拙いから。
とんぼ
だけど
車
高いビル
飛行機
ねこ
ぬれてる
もうツバキが、
だって
ともだち
晴れ
寒い
/ぼくらの/聞こえないうた/呼ばないで
....
「お願いします。。何卒よろしくお願いします。。」
(甘い夢を抱くなら、来ないでくれと叱られました。。)
○ひたすらにコピーを取って
○ひたすらに運転をして
外回りの約10分間
ほ ....
過保護になり過ぎた時代に間違って先走って坊やの道を
作ってあげそうになってしまうんだ
でもそれは余計なこと
してはいけないことなんだって
教わったよ
すべ ....
そうだね、きみのいうことは正しい
でも僕はそう思わない
どちらか、じゃないんだ
ここに道はなくて、君の見渡す限り広がっているだけ
コンクリートは壊れるけれど
水は決してこわれない
....
(以下英語で)
「カスタマー・サービスです」
「あの、レ・ミゼラブルの上映スケジュールを知りたいのですけど…」
「それでしたらウェブサイトで調べて下さい」
「さっき調べたのですが、 ....
冬の薄暗い回廊を
渡ったところに教室があって
頭痛を抱えたままの君は
そこをめざして歩いていく
壁にはたくさんのテレビがついていて
音もなく瞬きながら
世界中のつらいニュースを
さか ....
赤いウミウシの模様であった
デパートの包装紙
それで母はちゃっちゃかと洋服の型紙を作る
かつて何かを包んだものの匂いがしていた
ヒトガタに切った人形が
夢のなかでトモダチになるように
....
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
晩秋
すでにざっくりと強剪定された太い枝の切り口を
寒空にさらす街路樹
いつも
心の底ではあてどなく遠いあしたを待ち侘びていた
冬の雲
空一面に
狼の顔が ....
好きなことしよう
ミニサイズだけど
大きな心になりたい
好きなことは
小さいことだけど
大切な時間になる
時折カラオケでシナトラのMy Wayを
米語で朗々と悦に入って歌い上げるひとがいる
しかもシナトラの歌い方を真似てブレスまでそのままに
しかし わたしは問いたい
あなたはレコードでもなくC ....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む
たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく
た ....
好きはみんな違うから
わたしの好きと
軋むかもしれないけれど
明日行くよ
「隣はごめんです!」
と、叫んだけれど
本心だけど部分だから
だけど
....
*いちばんほしいもの
守りたいもののあいだで
やがては 息もできなくなるので
いちばんほしいものは
手の届かない処へ
四角い窓のむこう
屋根と屋根の隙間のくらやみで
瞬いて ....
弱弱しい斜陽を受けた
メタリックグレイの弱弱しい孤島に
眩暈を感じてその場に崩れ落ちる
同時刻に大量に発生した孤独の群れが
道路も線路も下水道も大気をも支配して
宇宙全体の調和を乱そうと ....
埃だらけのコンクリートに影を焦げつかせ、
立っているひとりぼっちの後ろ姿を見つける
のに君がずいぶん手間取ったのは、二歳の子
には高すぎる太い鉄柵がちょうど君の視界を
遮り、そこからコンクリ ....
言葉、とは
不思議なものだ
スリッパだと覚えれば
スリッパ以外の
なにものでもなくなる
寒い冬
人の足をあたためて
踏みつけられているくせに
そのいでたちは
ほんのり可笑しみを含 ....
ひとりのひとを ほんとうに愛することができたら
多くの人に愛される 気がします
何者かが
地球を破壊しにくる夢をみた
それは人間だった
それは私の愛しい人の顔をしていた
私は
戦う決心をしていた
それが一番 今 悲しい
襖で仕切られた四畳半の、その襖を開けるとまた四畳半、また四畳半、大きさの異なる箪笥がいくつもあり、埃避けの布を掛けた雛壇があり、その隙間にすっかり平たくなった綿布団があり、そんな部屋が前後左右に際限 ....
声で伝えることが誠意なら耳を失えばあなたの誠意は伝わらない。
直接会うことが誠意なら目を失えばあなたの誠意は伝わらない。
触れ合うことが誠意なら灰になってしまえばあなたの誠意は伝わらない。 ....
退屈だった時間が色づいて
巡り廻った絆に毒を吐いた
失われたときに
やっと価値が発生する世界なんて
大切にする意味があるのかな
君が眠る方角に
いつだって星を放ってる
....
強さとは野蛮とは何
研ぎ澄まされた刃で誰を斬るのか
姑息な闇はもういいとおもった
死がもたらすものの方が正直だと
首を刎ね八つ裂きにしても僕は生きるのだろうか
キンメリア ....
すみぬり教科書を使ったのは
なにも
昭和に
限ったはなしではなく
ゆとり教育の時代にわたしたちは
せんせいに言われるまま
指導要領からはずれたところへ
だまって
すりすりと
線をひい ....
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