すべてのおすすめ
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか
昨夜から
今朝へ
光が溢れ
新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
....
夜空に
ひとつ 輝く星に
私は望む
ずっと
そのままでいて、と
叶えられるはずも無いのに
そんな事など知っているのに
星が消えていくこと 寂しくて
私は
また願いを紡 ....
「ねぇ、貴方。」
そう呼ぶ 私
「うん?何?」
そう答える 貴方
その歩幅が
いちばん幸せ
己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる
その顔に
再び恭しく施される
化の粧
唇に置かれた紅 ....
冷たい潮の香りが怖い
{ルビ蚕=かいこ}のように丸くなって
意識を沈めよう
聴こえるは 船の汽笛
朝には赤道近くまで 行くのだろう
こんな寒い夜は 誰かの温もりに
{ルビ抱=いだ ....
隠すところが見えていたからといって
見せていたのだとしたら
それは NU→DE ではない
たとえ全裸になっていたとしても
言葉によって精神を露わにするのと
同じ程 ....
枯れ落ちて、
地面に溜まった
老葉達が
カサカサ、かさかさ、冷たい早朝の風に
震えてる
白い息を吐きながら
ジョギングする人
大きい犬を散歩する
ダウンジャケットの人
....
葉を散らし、葉を散らし
刺々しい肌に手を触れる
ほろほろと崩れる外側に
掠れた自分を重ねてみる
空気が凍った森で
ひとり
皮を剥いで、皮を剥いで
痛々しい肌 ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
近代美術は嫌いだといった
きみへの報復
変な絵じゃなきゃ 売れない時代
{ルビ現実感=リアリティ}なんて
誰一人 求めちゃいないのよね
とも悲しそうにきみは言う
そう 世界は変わっ ....
シャットアウト そのすべて
そんなではじまる その詩には
あたしの全てが詰まってた
お砂糖みたいに 甘いのや
ビールみたいに 苦いもの
シャットアウト そのすべて
してしまいた ....
身に零れ落ちてくる
生暖かき雨
抱きしめているようで愛しい
今は雨に打たれていたい
悲しみや傷跡が癒えていくようで
少し心が軽くなるよ
この濡れた道を歩いて行けば
きっと光を浴び ....
ただ口をつぐむのは 勇気がなくて
人より少しばかり 優しいから
思い出したかのように 開けてみれば
タイミング逃して はいおしまい
そんなうなだれなくても ちゃんと考えてる
....
燃え上がる日の高熱
照らす街並みに
煌めいた陽の情熱
瞳は遠くへ
繰り返す幾つかの季節
赤を浴びた自転車の
足元が遠く飛ぶ
信じ切った日の想い
俯き繰り返す
越 ....
時の音と共に
音楽は鳴る
年の瀬が近づくと
人間共の鐘が鳴る
ガーゴイル達が乱舞する街へと
俺の魂は静かに落下していく・・・
いつか、誰かが見た死の味をこの舌に覚え ....
本当の自由を求めて空を見る
名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった
翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
{画像=121201015630.jpg}
ゆるりゆるゆる ひらきます
さむさのゆえの ゆるやかさ
ゆびさえふれず ながめます
ゆうやけいろを すこしだけ
もらいこくなる ....
私には何かが足りない
満ちた月が少しずつ欠けていくように
足りない何かが
少しずつ時間をかけて暗闇が私を包んでいく
すっぽりと暗闇が私を包んだとき
私はどこかに向かって
....
正しさってなんだろう
正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか
正しさってなんだろう
まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
も吉と歩く
何もない冬の午後
も吉と歩く
はたちの頃 一年ほど日記をつけた
何も残せず ただ消えてゆく日々が
とてもこわかった
時間はたっぷりあったのに
いつもの散歩道
....
その日消えそうなわたしは
透明になって歩いてた
通りすがりの犬が
おん!
と、高いような低いような声で
わたしを見ながらひとこと吠える
“しっかりしろよ”
曲がり角を曲がったら
突 ....
今年のさくらは覚えていません
きみを想い
あふれる涙を隠すため
うつむいていたから
きみと出会った春でした
あまりにも嬉しくて
あまりにも情けなくて
母さんの力は
この両手だけ ....
葉書は、
白い壁の長方形の紙の家
うすい、
厚みしかないためにひとりで立つこともできない家
寝転がったまま まだ見ぬ遠い街を夢みているのだろうか
小さな窓がある
そこに灯されるのは あかり ....
みずたまりに映ったあなたの顔を風がゆらす
泣いているようにみえた
笑っていたのに
時のひずみに落ちた時 泣きたくなるのはなぜだろう
水は知らぬまに何処へか蒸発していく
最後に残った泥のよ ....
秋と冬の夜道を歩く事が好きだった。
身体は寒くても、
これから自分は何になれるだろうと期待していた時期。
朝や夜の何気ない景色にすら、美しさを感じていた頃。
私は亀ちゃんを生んだ
亀ちゃんとは本人の前では決して使わないあだ名
亀ちゃんは本当にゆっくり成長していく
初めて歯が生えたのは一歳三カ月
初めて歩いたのは一歳八カ月
二歳になって ....
足にまゆ毛があったら
たまに怒ったりするんだろうか
適当に歩くなよ
文句いったりしそうだな
しゃんとしろ
っていつも下から
見上げられてる
そんな足の甲と
目が合う夕暮 ....
ミリシーベルト、ミリシーベルト、ミリシ・・・
一生、知るはずのなかった言葉
ベクレル、ベクレル、ベクレル、ベクレル・・・
一生、知らずに済んだはずの言葉
一大キャンペーンのように
バラ撒かれ ....
一方的に想いを告げて終わりだなんて、
考えられないはずだったのに。
意図も簡単に{ル ....
あなたが珍しく
自ら自分のアルバムを持ち出してきたから
少し不思議だった
「なんとなく」
なんて言うけど
これまで一度も
開いて見せたことなどなかったのに
あなたのアルバムには
当 ....
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