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ITTANMOMEN (一反木綿)


薄っぺらな奴だと蔑まれても
捉えどころがないと疎まれても
何処吹く風を自在に乗りこなして
へらへらと今をすり抜けてやる

旗のように風をくら ....
日々の暮らしの
吹き溜まりから
洒落た記号を
掘り出して
綺麗に並べても
何処にも響かない

吹き溜まりに
手をつっこみ
すくった想いを
雪玉にして
無防備な背中に
ぶつけ ....
強烈な風雨を受けて
折れてしまった月下美人の葉を
何気なく水に差しておいたら

根が出た

その後も根は伸び続け
葉のくぼみに蕾をふたつつけた

さすがに花を咲かせることはなく
 ....
HONEONNA (骨女)


わたしの肩甲骨を
あなたの冷たい指先が
抱き寄せると

わたしの胸骨は
哀しく軋んで
あなたの裏切りを覚った

わたしの鎖骨を
あなたの嘘が ....
ROKUROKUBI (ろくろ首)


夕暮れの観覧車に
絡みついた
わたしを解いて

BMWの助手席に
しがみついた
わたしを引き抜いて

あなたの吐息と唇が
辿った
 ....
GIRAGIRA

あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた

今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
 ....
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる

吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む

外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
 ....
>吹いて
<吸って
<吸って
>吹いて

あたたかい息が
リードをふるわせると
やわらかい音符があらわれる

>吹いて
>吹いて
<吸って
>吹いて

さみしい唇を
 ....
傘が行く
三叉路の紫陽花を横目に

靴がついてくる
水溜りをかろうじて避けて

身体は押し黙る
雨音の朗読を聴くともなしに

思考は潜り続ける
内側の後方の下部の
定位置に落 ....


光と風の音楽隊の
ゆるやかな旋律が
コンクリートの迷路に
色の音符を落としていく

緑はさざめき
花はときめき
道はほくそえみ
人の睫毛はほほえむ





渋 ....
いつだっただろう
眉間の裏側の暗闇に
地図が置かれているのに
気づいたのは

等高線もない
記号もない
縮尺も方位も分からない
その地図は

日々の出来事に
カサコソとなびい ....
日々を複雑にしているのは
自分自身

定規で線をひいて
はみ出さないように色をつけて
出来あがった図形に名札をはって
似通った図形をひとくくりにして

複雑にせずにはいられない
 ....
鳩尾を透過していく
風のライオン
たてがみの感触に
背中が粟立つ

睫毛を蹴って逃げ出す
光のインパラ
ボンネットを飛び移る
逃げ足が眩しい

舗道に投げ出された
影のアミメ ....
誕生日
私の多面体の面が
またひとつ増えた

生まれた瞬間は
まんまるだったはずなのに
歳を重ねるごとに
ひとつずつ面が増えて

今では寄せ木細工にも似た
得体の知れない多面体 ....
ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた

大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
 ....
蟄虫啓戸
すごもりのむしとをひらく


ギィっと
闇に穴が開くと
部屋は一瞬で眩しさに満たされた

クラっと
意識が旋回して
しばらく身動きが出来なかった

何の理由も告げ ....
いつ
スイッチが入るのか
分からない

それが
ONなのかOFFなのか
分からない

そもそも
何処にスイッチがあるのか
分からない

行方不明のUSBメモリを探そうと
 ....
草木萌動
そうもくめばえいずる


厳しい季節を越えて
蓄えられてきた力が
和らぎ始めた光と風の中へ
堪え切れずにはみ出す

樹皮を突き破って
凍土を持ち上げて
命のベクトル ....
雨を轢く車の音が
電話の呼び出し音の行間に
打ち寄せてくる

湿り気を帯びたルーチンワークは
未だ真綿に包まれた意識の中

縋りつくように盗み見る
スマホには温度の無い文字列と
 ....
ほぼ等間隔に置かれた
不安のハードル
倒さないようにしながら
生真面目に歩く

決して抜け出せない
ループの回廊
天気はいつも晴れのち曇り
ところにより雨

ほぼ等間隔に現れる ....
春がいる

駐車場の奥の
ハイブリッド車伝いに
ブロック塀の上に飛び乗った時
チイ子はそう思った

春がいる

朝の見回りで
ナワバリ荒らしのクロに
やられた三角耳がまだ痛む ....
土脉潤起
つちのしょううるおいおこる


雲がほどけて
雪がこぼれる

北がやぶれて
風があらぶる

音がとだえて
水がいてつく

光がとおのき
命がしずまる

雪 ....
魚上氷
うおこおりをいづる


冷たい水底で
来る日も来る日も
あわぶくの羅列を眺めてきた

滞りがちな
私の中の遅い水は
妄想だけを鰓の内側に沈殿させた

待つのは慣れて ....
あなたはそれを
必然だと言う
わたしはそれを
偶然だと思いたい

あなたはそれを
どうしても運命にしたいらしい
わたしはそれが
無数の枝分かれの末端にしか見えない

この世界で ....
雪が降り積もる
形の上に
形のままに

雪が降り積もる
同じ重さで
同じ冷たさで

人の想いは
あまねく
くまなく
降り積もることはない

人の想いは
違った重さで
 ....
あなたは空を探す
世間体の要塞に閉じ込められて
強固な偏見の鍵をかけられても
逃げ出す知恵を巡らせる前に
小さな明かり取りの窓を見上げて
あなたは空を探そうとする

あなたは空を探す ....
肘が腫れた
誰かに肘鉄砲を
食らわしたわけでもないのだが
発熱したのでさすがに怖くなって
病院へ行った

かなり炎症してますね

頬杖をつくのが癖なので
おそらく妄想を巡らせてい ....
等圧線の険しい尾根道を
一気に駆け下りた寒気の精鋭に
容赦なく身体を押えつけられて
また2センチ青空が遠のいた

街路樹の痩せた指先から
次々に零れ落ちた枯葉の巡礼を
容赦なく運動靴 ....
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ

 ....
るるりらさんのnonyaさんおすすめリスト(221)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
百鬼繚乱_<_3_>- nonya自由詩19*14-10-23
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百鬼繚乱_<_2_>- nonya自由詩25*14-9-3
百鬼繚乱_<_1_>- nonya自由詩27*14-8-24
八月の欠片- nonya自由詩25*14-8-9
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ハーモニカ- nonya自由詩22*14-6-14
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地図- nonya自由詩23*14-5-14
一粒- nonya自由詩16*14-5-10
21℃_31%_4m/s- nonya自由詩19*14-4-24
多面体- nonya自由詩27*14-4-7
影の春- nonya自由詩20*14-3-27
蟄虫啓戸- nonya自由詩17*14-3-18
スイッチ- nonya自由詩16*14-3-15
草木萌動- nonya自由詩20*14-3-7
冷たい雨- nonya自由詩20*14-3-5
ループ- nonya自由詩17*14-3-1
チイさい春- nonya自由詩21*14-2-24
土脉潤起- nonya自由詩17*14-2-22
魚上氷- nonya自由詩22*14-2-17
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子供は風の子_大人は火の子- nonya自由詩25*13-11-16
答え合わせ- nonya自由詩20*13-11-6

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