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月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り


 だが本当は流されているのは雲の方 
 月は自分の道を行くだけだ


きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく 
 ....
一巻の蝶がほどけ
色と熱を失った記憶の羅列が
瞬きもせずに四散する
錐揉みの燃える落日に
ことばには満たない鱗粉が
乱反射しながら霧散する


重力が半減したかのように
その長すぎる ....
季節の車輪を転がしながら

時代の坂道下って降りて

さあ年の終わりと始まりのテープが切られました

あなたの目にはどんな時代が見えますか

世界は灰色にもバラ色にも染まります

 ....
クリスマス以降
全くやる気が起きなかった
どうにか今日で仕事納め 
やっと時間が心に追いついたのだ


裸婦像みたいな街路樹の肩にカラス


除雪車に削られた白い壁に車を着けて
ふ ....
何のことはない

君自身が落し物なのだ



たとえば君が左のエレベーターに乗る時

右のエレベーターから降りてくる

すれ違ってばかりの斜に構えた運命が

今日も君を捜してい ....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか

昨夜から
     今朝へ
        光が溢れ

新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
 ....
秋の海が荒々しく呼吸する
うねる波 遠く水平線の少し上に
厚く濃く垂れこめた雲また雲

ただ一人歩く砂浜は
自らの心象を行くよう
波に打ちあげられた貝殻や
流木のような言葉を拾いあげては ....
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかい ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ

わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚


見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか


ひび割れた心象が決壊する時
 ....
  さくらんぼの花が咲いている
  うっすら目を閉じ微笑んでいる
  ソメイヨシノのような艶やかな色香はない
  浮世を忘れようとその下で酒宴を張る者もいない
  白く清楚なその花は
  ....
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか

古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
インターホンの向こう
奥さんの返答が聞き取れなくなる
営業妨害の嫌なサイレンだ
気がつけば風にのって煙の臭いが満ちてくる
ますますサイレンが近づいて来た

    火事だ!

道路向か ....
いつものように仕事をしていた
アパートの郵便受けに貼られた
よくある 空室 の文字をなぜか
一瞬  そら室 と読んでしまうと
ドアの向こう せまい間取りの境界が
ぼんやりしてきて 真っ青な空 ....
 山を眺めるのが好きだった
 巡る季節はどれもみな魅力的で
 春の霞とうららかさ
 蝉時雨 打弦の瞑想
 夏の視線と秋の吐息で染め抜いた錦の衣を脱ぎ捨て
 張りつめた冷気の中でも微動だにしな ....
 決して建て終わることのない塔がある
 光をまったく反射しないその塔は黒い輪郭に
 太古の文様を刻んでいる

 日の光のもと 
 それは実体のない白い影となって横たわり
 存在を忘れさせる ....
  冬の陽ざしは微笑みのよう
  内にこもった人にさえ顔を上げさせる

  たわわに実ったナナカマドの木の下を
  赤いランドセルがかけてゆく
 
  もしも私に娘がいたなら
  こんな ....
  疲れがたまってくると

  虚しい夢が多くなる

   また一つ 生まれては

    滅んでゆく世界

  砂の城に波が打ち寄せるように

  香のけむりが描ききれなかっ ....
  傷だらけの携帯電話を見ながら
  明日のことを思いめぐらす
  不利な戦いになる
  このまま今日が続くなら
  
  偶然とは理由がわからないだけの必然
  真夜中に白い氷が降りはじ ....
朝焼彩茜色さんのただのみきやさんおすすめリスト(230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
孤高の旅人- ただのみ ...自由詩21*13-1-26
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2013年_新年に思うこと- ただのみ ...自由詩24*13-1-1
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