気休めという天使に足を踏まれた聖夜
ただのみきや

何のことはない

君自身が落し物なのだ



たとえば君が左のエレベーターに乗る時

右のエレベーターから降りてくる

すれ違ってばかりの斜に構えた運命が

今日も君を捜している



そんな言葉は気休めと

いつもの嘆きの浮輪を着けて

足のつくプールに飛び込むのもいいけれど



初めて入った二階のカフェ

窓際の席から通りを眺めるように


  ちょっと離れた時間から

琥珀に閉ざされた自分を見つけるなら



胸が苦しいあの夢の

秘密も少し

解けるかも







     
 *今年のクリスマスもいまいちだったという
       たくさんの愛し愛されるべき人たちへ
        神様の祝福が豊かにありますように


自由詩 気休めという天使に足を踏まれた聖夜 Copyright ただのみきや 2012-12-26 00:14:07
notebook Home 戻る