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蹴破る足はないが
閉された扉の前で待つ気もない
おれ自身が監獄
   だから言葉は旅人だ
去り行く背中に
   翼など無く
     タダノモジノラレツ蟲は

   預言の首飾りの哀歌 ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
仕上がった作品を手にとり
出来栄えを確認する
(……駄作だ)
地面に叩きつける
が 割れない
金槌で叩いてみる
が やはり割れない
もしやと思い豆腐の角にぶつけてみる
が そういう問題 ....
小林峠の近くで
狐が轢かれて死んでいた
珍しいことではない
狐も 狸も 猫だって
だけど道路の端の方で
轢かれたばかりらしく
まだ そのままの姿で
顏だけが歪んで血まみれで
瞬間の ....
花が笑うような日だから
つんのめった想いからビー玉みたいな嘘が転がっても
誰をも恨むことはないじゃないか
翼を切られた幼子も
失くした以上に強奪しながら
物足りなさに役立たずの爪を研ぎながら ....
アスファルトに残された雨
今は水溜りと名を変えた
干上がりかけたわずかな身に
懐かしい空を映す
風の愛撫にさざなみながら

二羽のすずめが水浴びする
天と地といのちが戯れ交じり合う
明 ....
薄給を補うための朝刊配り
早起きは三文の徳
それとも 
  貧乏暇なしか

 夜が青く澄み始めるころ
  {ルビ静寂=しじま}に溶けだす光の産声に

早起きで貧乏で
徳もなければ暇も ....
親愛なるショウコ様

わたしは有りもしない食事を温めます
冷静な面持ちで 本質は野蛮
回りくどくて執拗 ときには結果オーライの力技
事の恥部を明らかにしたならば
したり顔で仮想の敵をフォー ....
蛇口から 
    ゆっくりと
         こぼれて
             おちる
透明で
   ふくよかな
        水の
          躍動よ
掌を
  舟 ....
昼下がり 
古いテニスコートを占領して
自転車の練習をする女の子
もうずい分上達したようで
ぎこちなくだが転びもせずに
不規則軌道を描いている
ヘルメットを被った人工衛星
昔は誰も被って ....
弁当を作りながら
異能する君は謎の生命体
昨日までの怒りと不満が
女のカタチに脱皮して行く
鉤爪は残したままで

朝は不躾に明るい破魔矢
夜明けの夢を葬り去って
吉凶を告げるかのように ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
別に昆虫の話じゃありません
これは一種の開き直り
あなたは平和主義者ですか
わたしは違います

大仰に言ってみても
所詮 頭と胸
頭で知った理想を
胸にぶら下げて生きること
本音と建 ....
駆け抜ける想念とは裏腹に
書き抜けぬ言の葉裏の蝸牛
雪の積もったノートには
あと数羽カラスの行方が不明です

時の刃の上をゆっくりと滑る私たち
やがて「私」「あなた」という二つの断面へ
 ....
昨日までの自分が仰向けに倒れている
わたしを見つめて
ワタシが言う

「踏み拉き進んで行け
 過ぎ去ったものは階段だ
 額ずくな 口づけするな……」

そっと足をおろす 
枯葉を踏む ....
あなたの顏は時計のよう
ただ『今』を確かめたくて
     見つめてしまう

過ぎ去った時間 ……もう……
残された時間 ……もう……

いたたまれなくて目を逸らし
気がつけばまた
 ....
いのちの素描 
躍動の結晶を背景に
白い天啓の不規則性
欺くように舞って

――つめたい耳たぶに腰をかける
   そとには沈黙が降り積み
   うちには言の葉降り積む

  
   ....
蟹は
前を向きながら横へ進むのか
横を向きながら前へ進むのか
蟹のからだの構造上
顔のある方が前だから
蟹は前を向きながら横へ進んでいるのだ
が しかし
蟹も何か目的を持って進んでいる
 ....
言葉の針に意図を通すのは難しい
何を繕うでもなく
きれいなシシュウを夢見ては
チクリチクリと傷つける日々


   《針子のトラ:2014年2月11日》
掘削船がやって来る
おれの堆積した泥土を掘り返す
脳だけクラゲの揺蕩いで
光の海に温む予定が台無しだ

  山の麓に猫女が住んでいるという
  噂の真相を求めて捜す者も多いらしい
  捜 ....
雪を被った針葉樹の臍あたり
ふっくりと一羽の雀
小さな瞳に世界を映す
やがて薄曇りの向こう儚げに
手招きをする太陽へと飛び去って
小さな黒点となり
視界から消えた

わたしの煤けた ....
ピョンヤンの街が日を跨ぐ頃
乾いた靴音で少し先を行く
女 ロシア人だろうか
街灯に照らされて
骨盤で風を切る
右に左に揺れている
おしり 
尻視欲 と 抑止力
激しい激しい
せ・め・ ....
主人公であるなら
殺されてはいけない
最初に殺される被害者は主人公ではないからだ
犯人か探偵であるべきだ
だが誰かが殺されなければ
犯人は犯人たりえず
探偵も登場しないだろう
つまり殺さ ....
薄紅の花びらの真中で
一匹の蚊が死んでいました
その造花の霊廟には
微かに白く埃が積もり
異なる時が流れているのです

知っていましたか
昆虫は外見が骨格なのです
死んだニンゲンが放置 ....
ある日 生まれて来て
わたしは泣いた
そして何かのきっかけで
わたしは笑うようになった
誰に教わることもなく

やがて
何かのきっかけで
わたしは少女と出会い
恋をしたのだ
誰に教 ....
わたくしは鋭利な球体
鬱血した魂のむらさき
情熱と酷似した粗暴に焼かれ 
焼失した楽園の輪郭をなぞる
背骨を抜かれて自慰に耽り
名札のない隠喩の銛が刺さったままの
つめたい消し炭の太陽
 ....
風邪をひいて一日寝ている
よくもこんなに眠れるものだ
寝ては目覚めてまた夢を見る
夢で野垂れ死にしても不思議ではない
見知らぬ旅館に隠れている
ドアが開いたかと思うと風呂上りの子どもが転がり ....
時折 挫折します

嘘です

いつでも挫折しています

そのうち挫折があたりまえ

嗚呼 挫折こそわが人生わが歌

骨折も痛いが

挫折も痛いああ痛い

坐骨神経痛を略 ....
「……解ったか? 」

「 否 何も」

「 感じたか? 」

「 ああ 何かは」

「知りたいか? 」

「それを? それともそれについての知識を? 」

「与えられるのは知 ....
濡れたアスファルトに夜が映る
泣いているような夜の顔
ネオンの化粧が滲んで行く

綴った言葉は今朝もまだ濡れていた
光と音/朝のピンで留められたまま
すべての顔が微笑んでいるわけではない
 ....
朝焼彩茜色さんのただのみきやさんおすすめリスト(230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今はこんな気分で- ただのみ ...自由詩17*14-6-14
旧友- ただのみ ...自由詩29*14-6-8
ウイルス効果- ただのみ ...自由詩22*14-5-31
狐の死- ただのみ ...自由詩20*14-5-24
花咲く散り人- ただのみ ...自由詩16*14-5-22
……雨- ただのみ ...自由詩19*14-5-19
分け前- ただのみ ...自由詩12*14-5-12
手紙:RONYORISYOUKO- ただのみ ...自由詩15*14-5-12
目よ見よ見えない言の花- ただのみ ...自由詩20*14-4-30
めまぐるしくも- ただのみ ...自由詩20*14-4-24
ハッピーマニュアル- ただのみ ...自由詩16*14-4-11
地球詩人- ただのみ ...自由詩24*14-4-4
頭_胸_腹- ただのみ ...自由詩15*14-3-30
失念れすとらん- ただのみ ...自由詩16*14-3-14
踏絵- ただのみ ...自由詩20*14-3-9
あなたの顔は- ただのみ ...自由詩12*14-3-8
二月・北国では- ただのみ ...自由詩16*14-2-25
蟹と人- ただのみ ...自由詩16*14-2-21
針子のトラ- ただのみ ...自由詩26*14-2-15
黒い掘削船- ただのみ ...自由詩22*14-2-11
不死鳥- ただのみ ...自由詩29*14-2-8
私利私欲の独裁者に対抗する抑止力- ただのみ ...自由詩18+*14-1-26
推理小説- ただのみ ...自由詩20*14-1-11
安らかに眠れ- ただのみ ...自由詩29*13-12-27
誰に教わらずとも- ただのみ ...自由詩25*13-12-15
球体ジガゾー- ただのみ ...自由詩21*13-12-4
風邪と悪夢- ただのみ ...自由詩21*13-11-24
挫折の人- ただのみ ...自由詩23*13-11-20
問答BROTHERS- ただのみ ...自由詩17*13-11-17
週末の欠落- ただのみ ...自由詩17*13-11-16

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