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消えない泡が
夜の空を見つめ
やがて
もうひとつの夜になる


曇を見るたび痛む目に
雨は常に降りつづき
左側が
見えなくなってゆく


縦の紙を手に取る
 ....
空が
ひとつの滴に落ちてきて
片目の上から動かないまま
やがて 消え去った



何か
わかってもらいたくないことが
あるようだった









 ....
波打ち際
囚われ
葉の陰の家


ひらくことのない窓の奥で
何かが白く動いている
夜と夕べ
決まった時間に


舌に触れる
かたまりの記憶
触れては遠のく ....
暗がりのなか
後ろにふいに立つ人影を
走り寄って手で払うと
数秒後に窓の外から
叫び声が昇り 消えた


ああ そっちの方へ抜けたのかと
納得した




 ....
羽を
水とともに飲み
水とともに飲み
暮れは破け
むらさきを飲み


光をくぐるもの
目をそらす埃
自分の髪を自分で編む冬
ぬかるみの故郷に降りそそぐ朝

 ....
こがね色の岩の洞
居ないものの影が映る
葉より上に浮かぶ捕食者
傷のように緑を焼く


骨と星 骨と星
白紙が白紙に落ちる距離
昇る泡のなか
線を描いて


猫 ....
夏衣からだを縦に脱ぎ捨てる



何を射る指と指のはざまの陽



真昼から骨を外して蜃気楼



人の灯が消えた後に点くけだもの灯



片方 ....
柱 文字 からだ
数千年の空の筒
蜘蛛の巣の雨
冷たい青
はらいのけては肌に生え
夜明けを夜明けに呼ぶ鉛
炭の地平に羽と浪を描く



真昼の軍政
砂とささやき
 ....
水底につづく階段
溶け残るつらら
午後を咬むつらら


羽のしぐさ
空のひらき方
指をのばして
そっと試して


ひとつだけだよ
裏通りの声
違う人の 同じ言 ....
蝶を呑んだものの肌に
蝶が現われ
真昼の終わりまで
話しつづけている


小さな音の
まわりだけの冬
鳥は追う
羽を忘れる


石の径の影
曇のなかの声
 ....
歩みの内に散る色が
音を音に書きとめる
文字と文字と文字の間に
瞼と瞳を忘れながら


夜の窓の
二重の背
霧は霧を咬む
陰を 淡くする


午後とこが ....
耳もとに流れついたさまざまな木を
彫っても彫っても同じかたちにしかならないので
枕もとに置いたり
うなじにぶら下げたりしていたのだが
いつのまにかまた流れ去ってしまっていた
 ....
ひとしずく
ただどこまでも得るだろう
書かれなくなった言葉
階段
奇妙につづく
昼の夢


ある日さらさらと行方は途切れ
行方のままに置いていかれる
花を踏めという ....
背の羽の刺青
岸壁の火
光と冬 足もとに
砕けゆく音


蝋の曇が
水面を覆う
地の足跡は空へつづき
雨と雪に満ちてゆく


暗がり 水たまり 分かれ道
 ....
中身の分からぬ箱を
幾度も運ぶように夜は来て
色を静かに塗りかえる


重ねられた隙間が鳴く
地球の裏の蝶
緑へ落ちて
陽を弾じく影


あたたかな不安
永い永 ....
夜と矢と
他に何か
要るものはあるか


傷の周りに
群がるいのり
どこまでもつづく
同じ人々


















 ....
光に溶ける音を見ても
空と虫との会話を聴いても
鉛を持つもの
言葉を持つもの
神を発明したもののように
誰にも信じてもらえぬもの










 ....
けして知ろうとしないものよ
あなたの代わりにわたしが知ろう
わたしがいったいどこに在るのか
それすら未だに知らぬわたしが














 ....
花のむこうに
音は横たわる
夜の一室
屋根の下の迷路


鉄の隙間から見える空
夜は枝
別れは多く
慈悲は少なく


時間がまだ
舌の上にあるうちに
きまぐれな ....
火をなぞる火
けだものの火
溶け流れても
火をなぞる指


短く忘れ
帰り道に手を結び
思い出す
朝の遠さ


狩るもの
水の両腕
霧を指す霧
副葬品 ....
羽がちぎれ
午後が見える
桃と乳の
濁りの音


近くにさわれぬ指の遠さ
水の層をつらぬく羽
大きな景から先に飛び去る
跡を跡に響かせたまま


午後の底の ....
垂直に聖なるものが地に倒され
狼の声を聴いている
流木がふちどる
真昼の路


終わりは来ない
そんな終わりが
もうひとつのはじまりまで
つづく


木の根元か ....
朝焼彩茜色さんの木立 悟さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひかり注ぐ手- 木立 悟自由詩418-12-29
ノート(空が)- 木立 悟自由詩614-7-13
ことわりの海- 木立 悟自由詩513-9-4
ノート(ぬけ)- 木立 悟自由詩313-9-4
色と羽_Ⅱ- 木立 悟自由詩1013-8-24
ひとつ_呼吸- 木立 悟自由詩513-7-31
殻光- 木立 悟俳句313-7-31
ノート(砂とささやき)- 木立 悟自由詩613-7-11
明るく短い径- 木立 悟自由詩813-7-5
午後と冬- 木立 悟自由詩1413-4-12
降り来る言葉_LXIII- 木立 悟自由詩413-2-7
ノート(49Y.12・27_Ⅰ)- 木立 悟自由詩512-12-27
冬の雨- 木立 悟自由詩312-11-4
夜めぐる夜- 木立 悟自由詩512-11-4
夜と白- 木立 悟自由詩612-10-16
ノート(49Y.9・11)- 木立 悟自由詩212-9-15
ノート(49Y.9・2)- 木立 悟自由詩312-9-5
ノート(49Y.8・2)- 木立 悟自由詩212-9-5
水と巡り- 木立 悟自由詩312-5-27
ほつれ_むらさき- 木立 悟自由詩312-5-16
ひかり_へだたり- 木立 悟自由詩312-5-5
ふるえ_ながれ- 木立 悟自由詩512-4-30

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