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街を彷徨う蒸気と共に
白熱した悲しみが車をよける
手をつないだ恋人たちは
知らない土地の話をしている
七色に輝くスーツのポケットには
小さな戦争の火種が入っている
....
排水溝に水が流れていく
無関心なざわめきが街からきこえ
ぼくは窓の外を眺めている
通りを徘徊するばばあの持っている
乳母車の中身はしゃれた靴下が一足で
足音を消すには物足 ....
部屋の壁に
窓からもれた街灯のあかりが
色のない夜を映す時間に
路上で叫ぶ人影は
ざわめく静寂を打ち破り
揺れながら走る鼓動を示す
微かによどみ火照った体は
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