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ものごとを特別にするのは人の心だ
ある日を他の日と区別するのも
季節と年月
朝と夜
何処から来て何処へ往くのか定かではない
時の流れは顔も姿も見分けられないが
確実に摩耗させ消し去ることを ....
破水した光の{ルビ枝垂=しなだ}れ
終わらない夏の囚われ
わたしは煮え立つ釜のよう
せめぎ合いの果てに溢れ出す

      
しろくのけぞる
      朝顔のうなじ 
       ....
雪を被った針葉樹の臍あたり
ふっくりと一羽の雀
小さな瞳に世界を映す
やがて薄曇りの向こう儚げに
手招きをする太陽へと飛び去って
小さな黒点となり
視界から消えた

わたしの煤けた ....
   

卵がスウィングしている
托卵容疑の直滑降は不恰好に喉を塞ぎ
やがて破裂して口いっぱい
玻璃 瑠璃 瑪瑙 罵詈 雑言
秩序の欠如は流星し
脳裏がそっと炙り出す
片手に毬 錦の手 ....
薄紅の花びらの真中で
一匹の蚊が死んでいました
その造花の霊廟には
微かに白く埃が積もり
異なる時が流れているのです

知っていましたか
昆虫は外見が骨格なのです
死んだニンゲンが放置 ....
いまは何一つ好きにはなれない

しろい夏に鳴き終えて落下する少女

夏は夏らしく振舞うことで時を虚ろにする

日に焼けたこどもたちよ

謎が謎でなくなる未来

夢に見たものの本 ....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース

家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友 ....
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかい ....
大海原の真ん中で
 立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて

せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう

だが今 四方八方 
 ....
山ぶどうに覆われた丘陵地沿いに車を止め
アキアカネの静止
止みきらない雨
昼から夕へ傾むいてゆく
キリギリスたちの単調なコーラスに
ヒヨドリの絞り出すような歌声が響いていた

この辺りの ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
突風が春の入城を告げ知らせ
冬の残党は最果ての地へと追われて行く
変わることなく季節の車輪は廻る
時のレールを 一方向に

樹木もまだ裸のころ
花よりも先に咲く少女たちは明るい色の服を纏い ....
田園さんのただのみきやさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
推定無題- ただのみ ...自由詩8*16-8-7
沸騰点- ただのみ ...自由詩24*14-8-27
不死鳥- ただのみ ...自由詩30*14-2-8
誰が卵を置いたのか- ただのみ ...自由詩18*14-1-16
安らかに眠れ- ただのみ ...自由詩29*13-12-27
何一つ好きにはなれない- ただのみ ...自由詩18*13-8-8
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
小さなことからコツコツと- ただのみ ...自由詩21*12-11-11
未開の詩よ- ただのみ ...自由詩23*12-9-2
遥かな灯- ただのみ ...自由詩16*12-8-26
境目も変わり目もなく_ただ足音が響くだけ- ただのみ ...自由詩14*12-8-22
黄金の花嫁- ただのみ ...自由詩28*12-4-22
遅れる時計- ただのみ ...自由詩15*12-4-1

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