権力への意志
鷲田

一直線に伸びた微粒子の放出
光りは彼方へと繋がり
藍色の権力は力強さと共に形を残す

過ぎ去る景色
そこには風がなく
過ぎ去る感情
そこには母の優しさが無い

やがて果実は実を開く
飢えた双子はその実をムシャムシャと食らう
集団から抜け出した鋭角の矢
怒りに刺激された肉体は
不安と共に空に舞う

この世界では
言葉がピンポン玉のように軽い
全ての物が機能的であり
壁はいとも簡単にドリルで穴を空けられ
生は活性化する
そして個となる

曖昧なる雲
土を湿らす霧雨よ
その落ちた水滴の冷たさに
君の心が温まるのであれば
私達はまだこの旅を
続けることが出来るのだろう


自由詩 権力への意志 Copyright 鷲田 2017-08-30 21:43:48
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