行間
もり

たずねてもいないのに
自分のことや 他人のこと
ババババーッと しゃべりまくる人
そんな人が 機関銃の弾切れみたいに
一瞬 静かになったとき
その口元から もれる煙を
ぼーっと見るのが、好き

急かしてもいないのに
沈黙を怖がって
一生懸命 でも口下手な人
言葉と言葉の結び目が
ふいにほどけたとき
のどが ごくりと鳴った
その音がいちばん安心

そういうとき私は
行間の宇宙に
重力を忘れられる


自由詩 行間 Copyright もり 2015-06-21 00:43:02
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