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「詩人になれたら死んでもいい」
と、みかちゃんが言った
「あたしは詩人になれなかったら死ぬ」と言い返した
あんなにあたしたちがなりたかった「詩人」て
なんだったんだろう

私も彼女も
自 ....
蒼いインクを流し込まれて
世界は行き暮れた
やがて長い夜が明け
暮らしの屋根から細く立ち上るかまどの煙や
打ち寄せられた農具さえ
インクの色に染まっていた


それでも 鐘の音を聞くと ....
イタドリ
への呼び掛け
イタドリ
からの応答

脳内に再現を試みる
すると現れる
囚われる
熟語
観念

繁茂
群生
侵攻
旺盛な生命力
厄介者

文字を消去して ....
歩き疲れてベッドに横になった
からだがスライムみたいに
ひらべったくのびて
平面と化していく
目も鼻も
どこにいったかわからない
耳だけはラジオの音をひろう
手も足もシーツの端から
ゆ ....
吹雪はやんだ
静寂が深々と夜を沈めている
遠くで
プテラノドンの悲鳴が響く
ただ一度だけかすかに
電車の警笛のふりをして

吹雪の中をどれくらい歩いただろう
自分の足跡を見つけた時
 ....
遅い初雪が降った朝
地面は乾き
空は薄雲に覆われて
空気は張り詰めている

刈り残された秋明菊の平たい葉が
上を向いて受け止めている
クリスマスローズの広い葉も

とける事を忘れた雪 ....
いつか消える
いつか消える

そのいつかが果てしなく
遠いと思われて

早く消えたい
と うたってみた

月日は流れ
そのいつかが
もうすぐそこにまで
迫っていると感じる時
 ....
診療明細票から注射薬の名前を調べ
症状をグーグル検索して
今日のお医者さんの処置はあってる
と思った
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む

今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
恐竜は
飢えて死に絶えたのではなく
進化して鳥になったのだそうだ

絶滅危惧種のマナティに
沖縄で会ってきた
大きなからだには決して広いとは言えない水槽で
くるくる
楽しそうに回転して ....
今までたくさんの人と知り合ったり別れたりしてきたけれど
引っ越しだとか転勤とか卒業とか就職とか
そういう物理的な別れを越えて付き合いを続けてきた人はたくさんいる
元同級生とか同僚とかママ友だとか ....
恋慕うこころは消えた
待ち焦がれた日々も

幻滅や
放棄でもなく
むしろ思ってもみなかった
あなたの言葉
「あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、
ほんとの自由は、えられないんだぜ」 ....
肩が痛い
もうずっと以前から痛かったような気もするし
肩が特に痛いことを日記に書き留めておこうと思った時ぐらいからは
丸一か月は過ぎた

色々対策を試みてみた
少し良くなった時もあり
悪 ....
ストランドビーストはオランダの砂浜に居て
風を食べて生きる
自力で歩行する
尾もしなやかに動かす

風が強いと自ら危険を察知して
ハンマーで砂に体を固定するという能力まで持つ

人が乗 ....
雨でも晴れでも傘をさしていく
表側は防水布
裏は遮光布で紫外線をカット

実は私
屋内でも透明な傘をさしている
表側は防水布
そして裏地は防傷加工の滑らか素材
顔には丈夫な笑顔を貼り付 ....
くじらの親子が浮いている
滲む飛行船の隣に

ざらつくキャンバスに
のたうつように
植え付けられた
静物


叫びは
甘やかな諦めに変わる


午睡の波間で音もなく
崩れ解 ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
いつまでもこねこみたいにすばしこく
好奇心旺盛で
無鉄砲で無心で愛くるしくは
いられない


おとなの猫ならそれなりに
用心深く疑り深くまた思慮深くもなるのだ

物事には裏があり
 ....
 
アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった

燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨 ....
井戸を覗いてはいけない
母が教えた

井戸なんか覗くもんじゃないよ
祖母が言った
井戸は
覗いた子どもを吸い込んでやろうと
待って居るもんなのさ

橋から下を見下ろした子を
川がい ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす

風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
その知らせは
あるいは見ず知らずの番号からの
不吉に鳴り止まぬ着信であり
割り込みの権利を有する特等席の乗客のように
日常をふいに破いて届けられるので
わたしは声を失う

関わりの長 ....
わたしの嘘はわたしがよく知っている
でもわたしの本当なんて
わたしにもわからない

もっと自分をさらけ出せとか
魂の叫びを!などと言われても
わたしにはよくわからない

独りよがりにな ....
雲に穿たれた節穴から
ちょうどこっちを覗いた太陽と目があった
日没まで15分

氷点下11度
重さのない雪の結晶を
ふわふわ被った針葉樹の列

灯油ストーブの炎を背に
揺り椅子に座り ....
強剪定された関節に
盛り上がる傷
そこから
見えない指を差し伸べる
しなやかな風に 

小鳥が飛んできてとまる

どれほど春が虚しかろうと
生きている限り
痛い 悲しい 嬉しい 怖 ....
 

群れを離れたコヨーテなら
後足の
仕留め損ねた獲物に嚙まれ
血を流し続ける傷など舐めるな

私はお前の獲物ではない
まして谷底の
河原の土に掘られた巣穴に
敷かれた生暖かい毛 ....
茜色の雲から
茜色が抜けていくのを眺めていた
わずかの間に光を失い
灰色の雲に戻っていく

その色を目に焼き付けて
覚えておこうと思ったのに
ほんの少し
視線をそらせただけで
もう  ....
そらの珊瑚さんのLucyさんおすすめリスト(400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩人になれたら- Lucy自由詩12*20-7-5
- Lucy自由詩13*20-6-27
イタドリ- Lucy自由詩8*20-4-21
洗脳- Lucy自由詩12*20-3-26
朝になっても歩き続ける- Lucy自由詩5*19-12-17
いつから仲間になっていたんだろう- Lucy自由詩7*19-11-8
いつか消える- Lucy自由詩7*19-9-23
何の説明もなかったけれど- Lucy自由詩2*19-9-19
ビール飲みながらまじめな話なんかしてはいけない- Lucy自由詩11*19-9-16
絶滅- Lucy自由詩5*19-9-13
自分じゃないと思っているだけ- Lucy自由詩5*19-9-10
スナフキンへ- Lucy自由詩8*19-9-7
平穏- Lucy自由詩4*19-9-3
進化する孤独- Lucy自由詩4*19-9-2
晴雨兼用- Lucy自由詩3*19-8-31
剥がれた鏡- Lucy自由詩5*19-8-24
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
うつくしい猫- Lucy自由詩3*19-8-1
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
高架を走る電車の窓から沈む夕日を見つめていた- Lucy自由詩13*19-7-3
わびぬれば- Lucy自由詩4*19-6-30
水のおしえ- Lucy自由詩9*19-6-24
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24
マチルダ____(その2)- Lucy自由詩10*19-6-19
知らせ- Lucy自由詩3*19-6-18
わたしの嘘はわたしがよく知っている- Lucy自由詩9+*19-6-17
夕暮れまで- Lucy自由詩7*19-4-14
街路樹のうた- Lucy自由詩8*19-4-6
憧憬- Lucy自由詩13*19-1-15
茜色の雲- Lucy自由詩12*18-11-28

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