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戴いた去年の賀状を
眺めながら
一枚 書くたび
次々に
押し寄せてくる
記憶の波に
浸るのではなく
溺れるでもなく
むしろ
耐えている
再生多発する 複数の痛みに

懐かしさな ....
 


分厚い雲のはるか向こう
白く明かりを投げてくるのは
まるい太陽

アスファルトに吸い込まれながら
乱れ舞う淡雪
踏みつけようとすると消え
歩こうとすると
視界にまとわりつ ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
大人になると嘘つきになると
思っていた

正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった

あなたとわたしは同類

どうしようもなく我儘で ....
「消えやがれ」って
言われた言葉を反芻してると
いっそ
消えてしまいたくなる
いやいやそれでは敵の
思うつぼ
「消えるもんか」って、
頑張るものだよ普通って
言い聞かせてみるけど
そ ....
濃い青空に
舞う枯れ葉

陽光
影をよぎって
歩いて行くのは
今日の私

それを
懐かしむ未来の私の
ここは思い出の中
と思えば
宝石のようにキラキラ
まぶしい

今日 ....
 

沈殿する鉛の溶液
筏の上を旋回する風
雨燕の航跡に
月の光を編み込んで
透かし見る夕暮れの
押しボタン式信号機


「おつきさまはついてくるんだよ
ほらずっとみててごらん」 ....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
椅子が並んで
たくさんの人が腰掛けています

まるで出発ロビーのようです
周囲の人と
穏やかに語り合っている人たちは
旅支度の割には身軽で
しみじみと
和やかな笑顔も浮かべ

主に ....
久しぶりに電話してみる
着信音が十回で、切る
内心ホッとする
まもなく向こうからかかってくる
少し慌てる
「なに?どうかした?」
声を聴いて安堵する
「いやどうもしないけど。今話せるの? ....
羽音で目が覚めた
驚いて明かりをつける
汗だくで寝ていた
汗の匂いに寄って来たんだな
いったいどこから入ってきたんだ
窓は閉めていたのに
ベープマットをセットして寝る
でもまたも高い羽音 ....
自販機で水を買う
百円の小ぶりのペットボトル
冷房の効いた車輌を待ちながら
冷たい水を飲む
汗が額から頬へ伝い
顎で雫となって
滴る
あたたかい風が吹き抜ける
ホームの日陰で
私は息 ....
私が水の娘だった時
その人が私に望んだのは
夕暮れの淡い光に満たされた
一枚の
黄色い風景画となること
郷愁のような安らぎをもたらす
穏やかなさみしい静止画像

額縁に収まり切れない私 ....
時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふる ....
大海原に浮かぶ月
足元の砂に
ちりちり打ち寄せる
光の欠片

溶液になった
クラゲの悲しみ

強いひとにも
朗らかなひとにも
悲しみはある

それは弱さでも
やま ....
ちっちゃなちっちゃな苛立ちが
筍みたいに
地表に
尖った芽を出したかと思うと
みるみる
大きく育ちはじめて
考えないようにしようと思っても
忘れようとしてもてがつけられない勢いで
肥大 ....
いきなり冷水を浴びせられ
置かれた境遇に気づく
昨日まで笑いあっていた人々が
一歩退く
仕方無い
自分はそちら側でなくて良かったと
誰もが胸を撫で下ろしている

私に向けられる
さり ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた

いつもそうだ
愛されていた人が
 ....
笑ってほしい
人がいるので
私は笑う

元気を出してほしい
人がいるので
私は元気を出す

私より淋しい
人がいるので
会いに行く

耳を傾けてくれるので
他愛ないおしゃべり ....
ある時
私は気がついた

私は
鳥ではなかったと
羽ばたき方も
囀りかたも
思い出せない

確かに
飛んでいたはずなのに
しなやかな翼に風をはらんで
束の間の夕焼けに
淡く染 ....
幾億粒の{ルビ眼=まなこ}が煌めく
夜の底

磁気に繋がり
流れを描き
脆く途切れ
こぼれる様を
見ているようで
見ていない
視線の針が交差する
決して出会うことはなく
跳ね返る ....
自分で思っているよりずっと
いい人じゃない
なのになんで
いい人のふりしてんだ?
まるで新手の詐欺だこりゃ
優しくもない
友達思いでもない
ふいに馴れ合いが耐えられなくなり
見棄てる
 ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
ひと足歩くと メェ―と啼く
ふた足歩くと 
メェー メェー

やっと見つけた
あたしの足にぴったりの
ショートブーツ
シンプルでオシャレ
これからのシーズンにぴったり
気どり過ぎても ....
壁の向こうで
雨が歌う
今夜
雨は涙とちかしく壁に染み入る優しさで
噂の流星はみえずじまい
空のステージに
始まるはずだった
ピアノに向かって
私のためにとは
言わないけれど ....
あたしが何も気づいていないと思ったの?

優しさで
二人同時に傷つけたね

早く行きなよ
あの娘の傷は深いけど
貴方はそれを治してやれる

あたしの傷は
独りで治る
だけど貴方に ....
ごつごつとふしくれだっていくものが
望む形に程遠く
お前を育てていくのだとしても
遠く海を越え吹き渡る風に
しなやかな枝を延べたい願いがある
そらの珊瑚さんのLucyさんおすすめリスト(400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
年賀状を書きながら- Lucy自由詩17*16-12-12
曇り空の向こうに- Lucy自由詩12*16-12-4
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
低迷- Lucy自由詩10*16-11-11
同類- Lucy自由詩13*16-10-30
「消えやがれ」って思われてるんだなっていう思いをずっと転がし ...- Lucy自由詩11*16-10-28
秋の日の散歩- Lucy自由詩7*16-10-19
秋の暮れ- Lucy自由詩13*16-10-14
白のブルース- Lucy自由詩20*16-9-29
順番- Lucy自由詩7*16-9-23
会話- Lucy自由詩17+*16-9-14
提供- Lucy自由詩5*16-9-4
天然- Lucy自由詩15*16-9-1
水溶性- Lucy自由詩8*16-8-24
待宵草_- Lucy自由詩17*16-8-8
水母- Lucy自由詩13*16-7-14
- Lucy自由詩5*16-7-2
冷水- Lucy自由詩10*16-6-18
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩22*16-3-26
ティータイム- Lucy自由詩14*16-3-7
少年の夜- Lucy自由詩14+*16-3-3
そういう人- Lucy自由詩23*16-2-19
冬のうた- Lucy自由詩13*16-2-7
流星雨- Lucy自由詩24*16-1-6
友達思い- Lucy自由詩8*16-1-2
ビーズ- Lucy自由詩21*15-12-28
ラムスキン- Lucy自由詩1115-12-21
トモダチ- Lucy自由詩20*15-12-16
友達- Lucy自由詩915-12-15
北の木- Lucy自由詩1615-12-4

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