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父の手をさする

硬く曲がったままの指を
一本ずつひろげ
滞ったものが
少しずつ流れていくように
強張ったものが
僅かにほぐれていくように

節くれだった
頑丈な父の手

鍬を ....
根を断ち切ろうとしたから
枯死しかけたのだ
根は父からの愛

古い蔓を伐ったから
新芽は萎れたのだ
古い蔓は母からの愛

依存することを嫌い
愛されることを拒んで

君は自分にな ....
雨が降りやみ
風も吹きやんだ

笑顔のままで
濡れそぼる重たい旗を
強風に煽られながら支え続けた
孤独な旗手の闘いも終わった

鈍色の空が少しずつ明るくなると
どこかで小鳥の ....
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
他人のせいにできないから
簡単に
諦めたり
開きなおったり
すべてをしかたなく
肯定したりもできないから
君はいつも
自分に厳しい
そんな君を
素敵だと思っても
緩い自分の
誉め ....
友の庭に咲いていた
白いリラの花が羨ましくて
根元に生えた幼木を譲り受け
我が庭に植えた

植えた翌年は庭の隅に
ひょろりと立つだけで
花をつける気配はなかった

何年もの時を費やし ....
淡い色あいと
やわらかな花の模様に惹かれ
去年の春に衝動買いしたストール

今年も私に
似合うだろうか

流れる時代の
はやりすたりと
日々変化していく自分の容貌
鏡を見ながら
 ....
どんな神が
人に 憎むことを
殺すことを
命じたのだろう

信仰などなくても
人は憎み合い
信仰などなくても
人は殺し合う

信仰などなくても
愛し合うことだって
でき ....
雨音の向こう側に
ジェット機の爆音が
ごうごうと通過するのが聞える

わかりやすい
聞こえのいい
情に訴える言葉の裏に
狡猾に織り込まれた思惑が透ける

雨の向こうに
鳴り響く轟音 ....
土が乾き過ぎていて
少しくらい水を撒いても
表土にはじかれ
低い方へと流れていった

心が渇き過ぎていて
言葉ははじかれ
疑いと
拒絶の方へ流されていく

二度と打ち解けることは
 ....
引っ越した日から
時々庭に来ていることに
気づいていた

人になついているのかしら
窓から眺めながら
そんなふうに思った
出ていけば
きっと逃げるのだろうな

ある日、庭で草取りを ....
札幌生まれの
スイートピーですよ
お花屋さんの店先で
淡いピンクに目を奪われて
立ち止まった私に
スイートピーのように優しげな
お嬢さんが呼び掛けるので

ひとつくださいと言い
あり ....
山の桜は満開でした
おとうさん桜だよ
見える?

父は眼を見開いて
悲しげに少し眉を寄せて
(眩しかったからかもしれない)
車いすの上で
桜をじっと見上げた

あー見てる見てる
 ....
白木蓮の花びらが
届かなかった手紙のように
散り落ちている

強い風の吹く
五月の日暮れ

咲いたばかりの桜が
ちりぢりに
遠くへ吹き飛ばされていく

行かないで・・

白木 ....
この国では
国民が憲法を守るのではなく
憲法が国民を守っているのです

憲法は国民を縛るのではなく
為政者を縛り
国民の
自由と人権と主権を
守っているのです
不戦の誓いも
そのた ....
パンジーの隣に
スィートアリッサムを植えようとして
移植ごてを手に
しゃがんでいた

視界をよぎる小さなプリズム

見上げれば
空はどこまでも青く

あたたかくなりましたね
本当 ....
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
自分が思っているようには
他人は自分を見てくれない

それで私は
極力自分を
客観視しようと試みた

気付いたら
他人の顔色ばかり伺って
ますます自分が
わからなくなっていた

 ....
地上に引き出された私の網膜に
無数の矢が
容赦なく突き刺さる

モグラになって初めて知った
過剰な光は
漆黒の闇よりもさらに凶暴で
瞳を凝らす事を禁じ
見る事を私に許さない

視神 ....
糸のように細い茎
葉は小さなハート型

切って
水に挿しておくと
傷つきやすい神経のような
白い根がはえ
土に植えると
再生する

そうやって
いくらでも増えるクローン植物
 ....
庭に花園を作って楽しむのは
未来を
思うこと
球根は裏切ることなく
毎年花を咲かせるし
宿根草は年毎に株を大きくする
一年草は種を落とし
思わぬところから芽を出している

白いつるバ ....
よく晴れた朝
新しい職場へ向かう
昨日の特訓で疲れているけど
今日も頑張れる
覚えなくてはならないことがありすぎて
頭がぱんぱんになる
あまり眠れなかったけど
ちょうどいい緊張感だ

 ....
寝てる間に僕は
バージョンアップされているらしい
知らないうちに新情報がインストールされている
過去と未来の脈絡もなく
誰かと入れ替わったことにも気づかず
昼夜を問わず
意識にのぼる暇もな ....
短い夢の中で
大声で泣いた
会いたかった
探した
追いかけた
夢の中では
心が息を吹き返す

例えば
一日の疲労にゆらゆら身をまかせ
バス停まで歩く道
夕焼けでもない
うす曇り ....
春が降り注ぐ
固くこわばった雪山に
冬の汚れをこびりつかせ

シャーベットに足を取られ
車が跳ね上げる泥水に
コートを汚され

春が降り注ぐ
微笑がこみあげる

春が降り注ぐ
 ....
捕まえられた殺人犯は
群がるマスコミ関係者に向かい
マスクをずらし
何か 喚いた

「あっ、彼が何か叫んでいます。
なんと言ったのでしょうか?
ちょっとよく聞き取れませんでした・・」
 ....
畳の下の
床下の
深い土に掘る穴の底
沈めた箱に
堅く蓋をして
重しを載せる

あの人の上に
土をかけ

床板を
畳を
元通りに載せて
二度と
覗いたりしない

その上 ....
鳥の姿の失せた空には
鳥のかたちの欠落がある

影が消え
言葉は失われても
羽ばたいてゆく記憶が
風車をまわす

失われた鳥の形の
風が舞う


私は
声を出せるだろうか
 ....
夜の間に降った雪で
季節は逆戻り

誰かに投げた言葉の礫
今朝の気分は吹きすさぶ

更新された背景
鳥籠の中で
冷たくなっていたインコ

突然
マグカップの持ち手が&#25445 ....
沼のほとりにあなたは立って
覗き込む
濁る水底
揺らぐ藻の影
素早くよぎる魚の気配に
煌めく泡が
まっすぐに
昇ってくるのを待ちながら

言葉の淵にあなたは立って
覗き込む
尾び ....
そらの珊瑚さんのLucyさんおすすめリスト(400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
父の手- Lucy自由詩22*14-6-17
クレマチス- Lucy自由詩1814-6-14
祭りのあと_(よさこいソーラン祭りに寄せて)- Lucy自由詩17*14-6-9
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
きみはいつも- Lucy自由詩15*14-5-29
リラの花- Lucy自由詩12+*14-5-24
夏へのプロムナード- Lucy自由詩13*14-5-23
善と悪- Lucy自由詩12*14-5-21
雨の向こうに- Lucy自由詩14*14-5-17
リラ冷えの街に恵みの雨が降る- Lucy自由詩16*14-5-17
セキレイ- Lucy自由詩12*14-5-16
スイートピー- Lucy自由詩14*14-5-15
- Lucy自由詩15*14-5-12
白木蓮- Lucy自由詩16*14-5-5
平和憲法- Lucy自由詩9+*14-5-3
シャボン玉- Lucy自由詩13*14-4-29
白色レグホン- Lucy自由詩20*14-4-22
客観視- Lucy自由詩15*14-4-21
点眼- Lucy自由詩20*14-4-16
ワイヤープランツ- Lucy自由詩13*14-4-15
花園- Lucy自由詩17*14-4-9
バイオリンを弾く猫の絵のついたマグカップ- Lucy自由詩22*14-3-25
更新- Lucy自由詩11*14-3-24
短い夢- Lucy自由詩11*14-3-24
春が降り注ぐ- Lucy自由詩17+*14-3-17
言葉- Lucy自由詩9+*14-3-17
カナリア_ー私が殺したあのひとー- Lucy自由詩11*14-3-14
鳥の影- Lucy自由詩26*14-3-7
自覚- Lucy自由詩14*14-3-6
沼のほとり- Lucy自由詩19*14-2-28

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