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頰杖でまどろむ窓辺何もかも
    透き通ってゆく水晶夜にて


草のゆめ針の夢またむらさきの
    時のうつろい夜は傾き


果敢ないと花びら時に散るならば
    ....
 
 高熱で
 あえぐあなたは
 美しく
 命が光を
 放ち続けた
 
 
 苦しみで
 うるんだ瞳
 紅い頬
 ひとつひとつに
 魅せられたのだ
悪い子は見つからないパパにもママにも見つからないぼくは悪い、






押し入れの中は宇宙だから漂う星たちは涙じゃない。



膝を抱えて星座に ....
八月の暦に耳を押し付ける少年いつしか海原のうへ


生い茂る真緑の原に埋もれゆく廃工場に響け恋歌


遠回りで帰る夜道に横たわる近道えらびし野うさぎの母


飛行機を追うてふもとの村 ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏



逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ



きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
  暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町


  徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない


  花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り


  裏庭でか ....
明け方は2%のおさとうと君の寝息でできている青


これから一緒に食べる朝食は今までで一番美味しい予感


夜明けにふと起きてまた眠る前に君が言ったおはようございます


この黎明だ ....
きみがまだ少女の頃はぼくもまた少年だった すれ違う駅


きみと向かいあって話した教室が世界のすべてであったあの夏


きみの吸ってたマルボロライトを吸ってみる吐き出す煙が重い七月

 ....
風呂上りの一杯がうまいと言った父は二度と出てこなかった


キリンが大量発生した日は知らないものに名前を書いてた


「呆気なく過ぎ去っていく春」と落書きされた犬が可哀想に

 ....
春分の朝のひかりが桃色に染め上げてゆく雲を見ている


結んだ髪に椿を挿して出掛けましょじんこうてきなダムを見ましょう


最短で森の迷路を抜ける道あなたが選ぶ毒の木いちご


ばた ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり



雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道



はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
失恋の 3分後には 何もなく カップラーメン 出来あがる。 暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる


先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬


少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている


ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人


森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森


瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
 ....
太陽が熱いとカミュの異邦人読んでニヤつくもうひとりの僕


古本屋カフカの森に迷い込みレジのあなたを見れば毒虫


アンデルセンマッチを擦って飛び移る絵本に踊る炎の人魚


スウィフ ....
夕暮れに花を選べばひまわりが遠いどこかでうなだれている


草むらの茂みに隠れ咲いた花ひとりの兵士 目は閉じたまま


ゆっくりと開いてゆくの花びらがだからわたしは滅んでゆくの


 ....
朝靄に煙る海岸線伝い歩けば白いくじらのあくび

砂浜に誰かの書いた「速達」の文字に急かされ振り向けば君

波音に耳を傾け君の背に地図を広げて「夏」始動する

陽だまりに投げるビー玉 あの海 ....
包帯の白い左手{ルビ空=くう}を切る もいちど翔んでみせようか? そら 永劫の 時の流れの 一点に

 浮かび上がれる 泡沫に似る
海までの八号線はいつも夏 湿った空気と寂しい人魚 原宿の真上を仰ぐ桃色に太陽の位置を忘れてしまった

歩道越え眩ませる目の橙に目黒通りに抜けつきる記憶

遠くまでがらんと大崎ただ一人つくった嘘のばからしいこと

秋葉原地球丸呑みテラバイト ....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか


「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ


昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな


警報機こわし ....
花眠り
肌透きとおる
独りわれ
蒼き午後の
はぐれ子となりて
松本 涼さんの短歌おすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水晶夜- 石瀬琳々短歌21*07-4-17
- 秋桜短歌407-3-16
「_押し入れの中は宇宙。_」- PULL.短歌13*07-3-13
八月生まれ- 本木はじ ...短歌1705-8-15
泡立つ未来- 望月 ゆ ...短歌23*05-7-16
メトロノームの夏- 望月 ゆ ...短歌37*05-5-30
紫陽花ヶ丘- 嘉野千尋短歌16*05-5-12
ブルー- ヤギ短歌4*05-4-29
イエスタデイをうたって- 本木はじ ...短歌17*05-4-5
ファミリー- バカ男短歌11*05-4-5
春の背泳ぎ- 本木はじ ...短歌10*05-3-22
ノート(道)- 木立 悟短歌805-3-21
失恋- くしゃみ短歌3*05-3-16
開花未遂- 本木はじ ...短歌604-11-8
瓶詰めの森- 本木はじ ...短歌1604-8-26
name- 本木はじ ...短歌4*04-8-23
INNERGARDEN- 本木はじ ...短歌1104-8-15
ひとり歩き- 伯井まな ...短歌304-7-19
空白- 有邑空玖短歌5*04-6-8
- 呉汁±短歌204-6-6
海へ- 有邑空玖短歌6*04-6-4
山手線挽歌- nm6短歌5*04-6-1
廃失者- 本木はじ ...短歌2604-5-24
春午睡- 青色銀河 ...短歌304-4-29

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