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{引用=りんご飴のよく似合う
あの子たちの夏も終わる
闇を纏ってなどと
深刻に
傷つきやすいがままに
終わり間際にとわたしは
一篇を描いて
置いてみた
打ち上げ花火ではなく ....
黄金色に揺れる風景の、向こう側を知らない
あの子は
ちいさな家の出入り口の前から黄金のその揺らぎまでを
世界と認めて
何の屈託もなかった
愛らしさは笑顔からよりも俯きから顕れ
....
夕焼けは空全体が燃えることだった
そんな日々からずいぶん経って
いま夕空のどこを探しても
みつけられない六歳の空
大人なのに泣いている理由がわかって
こんな場合にこの気持ち
どう切り替 ....
いつか
凪いだ海原にお月さまをみた
空にもお月さま
うさぎがお餅をご馳走している
海のお月さまには
お魚は何をご馳走するのだろう
と案じた
過去をわたしは持つ
早すぎる目覚めに
....
着物着て髪は赤毛の許さるる文語口語の手繋げる今日
※参考(修正前)
着物着て髪は赤毛の許さるる文語口語の手繋ぎし今日
あなたの心が雨ならば
花柄傘を差せばいい
花柄傘が無いならば
お部屋で写真の花をみる
お部屋に写真が無いならば
お部屋で鏡をみればいい
あなたのお顔が映ったら
お口の両端あげてみて
ほ ....
朝顔のみつめる先に雲の白
夏残る一握の砂星の砂
雪予報お庭を思い眠るポチ
聞いてるかい聴いているよとイヌフグリ
コカ・コーラレモンを添えて夏を飲む
....
テディの目ボタンがわたしを素通りし壁をみている壁になりたい
夜遠くひかりばかりを掴む夢みてさめざめと淹れるコーヒー
さよならは生涯一度の挨拶ですまだ言ってませんまたねだけです
きょうよりもあしたと思い灯り消し遠くで誰か生きている音
見ていない ....
果たされない約束が遠のいてゆく
博愛は封印されて
初夏の風鈴のように ときに
さやかに りん、と在るを語るでもない
ゆく道は涯てを知られず
帰り道はすでになく
芥子の花のうなだれて
....
天気予報をみてみると
昨夜は南南西3メートルを
子守唄に眠ったことがわかった
眠っていたのは惜しいかな
窓を開けて風を招いて
お茶でもしたら良かったかも
風の好みはミルクティー
....
皆さんもご存じだと思います、ある(大好きな)詩があります。
***
「鹿」 (原作のヴィジュアルまま
鹿は 森のはずれの
夕日の中に じっと立っていた
彼は知っていた
小 ....
早く起きすぎちゃって
人並みじゃないことがはずかしくって
分針をいたずらして
ほら午前五時を過ぎた
人が生きている音が聞こえ始める
おはよう同じビルに住む人
おはよう見知らぬ人々
営 ....
真実思っていることを
と願ってもやはり
愛されるにはと計算も
あり
明かせないことばかりの
真昼の闇
真夜の夢と祈り
流れ星のように
経ってしまえば良いのに
消えてしまえ望み ....
どうしても転がってしまう
できそこないの
羊のぬいぐるみ
連れて帰って気がついて
でももう取り替えてもらうなんて
ありえなくて
きょうも昼間っから
転がってた彼女を
仕方ないなぁっ ....
産み落として出て行ったことがのこす
さびしさは
得たものの位置には
勝てない
深夜の一人舞台
とわかってはいても
そのまばゆさを
感じてしまったことがあるのなら
あなたもでしょ ....
潮騒かと思っていた
知っていてあえて錯覚してみた
実は樹の葉たちのささやき
の聴こえたあの
遠い部屋
知られないかなしみも
ささやかなうれしさも
みんな粗末だけれど整っていたあの
あれ ....
すごく気にしてるんだ
うんうん
チョコレートの…数
うん、いつから?
生まれた時から
あり得ないこと言う君だけど
送ったよ
人助けだから
誤配が心配で追跡してみる
「十三時十 ....
いつも追いかけている
あなたの幻影
おさげにできない
短い髪と
冬になれば凍傷にすらなる
無防備な手の指
泣きながら追いかけている
わたしの手には数枚のあなたが
なぜ
笑えるの
....
聞いてくれないことは
よくわかっているよ
でも言う
さみしいよ
とても
きみは翼があれば
ってのこして
発ったのか
それとも夢だったのか
あの日
わたしは邂逅なのだと信 ....
朝凪の浜に降り立ってみると
詩が
たくさん打ち上げられていた
、それらには
誰にでも読めるようなカタチで
詩
と書いてあった
それぞれに棘だとか
ウィルスだとか
病原菌だとか
....
「きみの詩」
冬の庭にきみは
一所懸命に
種を蒔いている
ときには雪、吹雪のなかでも
脳裏をよぎらないかい
咲くわけがないってこと
、わたしは
たずねない
ただ
じっ ....
こんな街の外れの路地裏で
こんな冷たい雨の日に
あの娘(こ)今日も
たった独りで
佇んでいるよ こんな時刻に
学校 どうしたのかな
制服姿で 大丈夫かな
明日までに乾くといいけど
突然 ....
青い花をみつけた
夏、君を撮った
盗った、だろうか
そんな感じ
帰ってモニターで
可愛がってから
サマーブルーと名づけた
プリントアウトして手許に
は、せずに
季節のめぐりのなか
ときおり君を可愛 ....
三丁目が壊れてゆく
西から南西にかけて壊れてゆく
止めるすべはない
時代は崩壊に味方している
ツリーはごく近い市井にはみえずに
遠くから客を招くに余念がない
そういえば花火だ
なんと ....
明るまない窓の外をみながら
早すぎた目覚めに舌打ちをする
一月の午前四時
常識を忘れた空腹が訪れるが
理性はそれを満たさないことを選ぶ
代わりに水を一杯手許に置いて
グラス ....
あの日掬ったひかりは
いつかカタチとなり
カタチとなったからには
失われるのだろうか
案じながら
モニターで監視している
こんな灰紺の夜に
まばゆさを
*
....
LEDひとつに
頼るだけの夜の一人は
優しい時間を知っている
あのひとがくれて
のこして経った
時間もまた
優しくて
十二月だ
死をふたつ知っている
十二月だ
あした雪は降らな ....
爺ちゃん
本当の爺ちゃんじゃないけど
本当の爺ちゃんみたいな
爺ちゃん
筋の通った生き方を
と
辛抱強く
教えてくれた
わかるまでに何年かかったのか
、だけどさわかったけどもその前に
まずはお ....
きみの産声は
午前6時のものだったらしい
かつて手帖があったころ
盗み視た
かすかな記憶
その時きみを照らしていたのは
夜明けという天然のシャンデリア
きらきらとさやかに
祝福はあった ....
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