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溢れだした輪郭の色鮮やかに染まる新しく生まれた海

舟はどこか遠く一人懐かしい風に手を引かれ一へ復る感覚を得る

トランペットを吹く少年は今日も名前の知らない曲を奏で居場所を示し続けた

 ....
仕事から帰宅したら タイマーでひんやりしているリビングに赴く
猫たちが 御主人様おかえりなさいなどと云わず
御飯くれ御飯!御飯!と絶対に云っている

暑くて疲れています

UVのパーカーを ....
?

ちょうほうけいとちょうほうけいと
大きさのちがう名もない石が積まれた
小さな城壁にくもが這う
そこにおとずれた一匹の蝶
「朝です 朝です」とささやいてくれた
きみの翅には、月の光が ....
夜空に
虎たちはみごとな円を描いた
あなたが笑ったので
電波は世界のすみずみを叩いた
たくさんの点で構成されるあなた、
膨大なたんぱく質で構成されるあなた
この世のなにかが
まぼろし ....
信州の古城の櫓跡から
千曲川を眺める

川面の風景の上には
大きな空が広がり
風が吹きわたる
風に膨らまされた空は
何も言わず、僕の頭上にある

古戦場の舞台となった古城
望める山 ....
住む人の居ない
山の墓地

お盆には賑やかに花々が供えられている
生まれ故郷を訪れた人の形跡が
風に揺れる

たった今まで
誰かがそこにいた証拠
ロウソクの炎が
消え残り
線香の ....
世間では体裁よく
  老人といわずに後期高齢者という
   老化とはいわずに加齢という
    ボケとはいわずに認知症という
     聾唖とはいわずに身障者という

そして 失業者といわ ....
雲一つない夜空なのに
空は月明かりで覆われている
川辺の茂みには無数の蛍の光
まるで星が避難してきたみたい

涼しい夜風が吹き渡る
真っ直ぐな道は
虫や蛙の鳴き声で満たされて
私の足音 ....
昨日一晩、あなたを思って泣きました。

到底手の届かないあなたをです。

願っていれば叶うなんて
嘘でしかない現実の中で
あなたを思って泣きました。

たくさん涙を拭ったので
今朝は ....
何にも浮かばない夜
思いうかぶのは例えば子どもの頃のこと
大人になったら思い出は何も残らないから
時が経つほど鮮明になる
あの夏の暑い日に
海の中で泳いだ日のことを
沈む夕日を見ていた ....
一人
流れる世界が
僕は見えなかった
酒に溺れては
毎晩のように入れ替わる恋人たち
そこには君もいた
今日も墓場の影を恐れ
盛り場へ
金もないのに
一人カウンターに入り浸っては
 ....
過去を歩くだけの日々
音も虚しく
その意味は何もないようだった
それともそれは確かなのか
今日アマゾンで発注したものが届いても
夜にはアクビがやってくるだけ
子供の背中を見た時みたいに ....
僕には何もない
詩の生まれる
世界で
僕はいつも
知る
エスカレーターを登り
街を走る車や
色々な人から話しかけられながら
元来た道の交差点を目指して
とりとめもない詩をノートに書いた
意味も無く何でもない一日が終わる
たぶん僕は少し人よりセンチだった
ビデオ鑑賞BOXで肌の色の光を浴びる
この先生きていても意味がないと思う
いてつく新 ....
世界の
まんなかにいたのに
すみっこにいた
すみっこにいたのに
まんなかにいた

風向きひとつ
陽射しの強弱
空腹感
あいまいで ただ
わたしにすっと落ちてくるもの

巣のない ....
子供達がてをふりながらさってゆく
老いた道化師は泣いた

彼らはもうサーカスを振り向かない
ガランとしたテントだけが残される

1918年の秋はからっぽだった
1928年には不安が流 ....
みつめる
みつめる
じっとみつめる
そうすると
何かが
語りかけてくる

種を手放したあとの
たんぽぽが
茎に残された
小さな瞳で
私をじっとみつめる

世界には
なんと
 ....
時が雨として降りしきる

そして時から隔離された部屋の中で僕はぼんやりと外を眺めている

細やかな粒として

時は風に吹かれて舞う

時計は動かない

時は全て雨になってしまったか ....
死んだら
帰り道はないだろう
そんなことを考える僕
心の乱れを止められない
女だったらどうするだろうと
思いたくはない 僕は
心の乱れの中で
過去へ向かう
鏡の中で
だれもこれいじょうここに入ってくるな

そう叫んでいるわたしは

だれもこれいじょうかかわらないでください
だれもこれいじょうくるしめないでください

そう叫んでいるわたしは

 ....
わたしのなかのみんなが
はしりさっていきます

わたしはおいていかれるけど
みんながてにもっているのが
わたしです

わたしはおいていかれるけど
  煙草屋のわきに
  ポストがたっている
  阿呆みたいに



  屋根をつたって
  落ちてくる雨だれをうけ
  それは錆びてしまっていて
  もう誰も近づいたりしない ....
 
 君は透き通り始める

 すべての色に
 染まり終えたあとで

 それは
 詩の終わりでもある

 私は君に
 世界を見る

 ガラス越しに出会う 朝のように



 ....
何も考えることもなく
歩いていた
通りを



左手には情熱
右手には夢
何の 確信もない


本を読んだ
ページをめくっていたけれど
何も 覚えていない


キ ....
今夜も銀色のフィッシャーマンが
空を飛んで叫んでいる
ほうき星をつかまえて
ギターをはじき 意味もない音を投げつける

壊れたマイクを片手に永遠にしゃべり続けるんだ
リリース リピートアフ ....
備え付けの
グレイのロッカーの扉を開けると
中に針金のハンガーが二本
ぶらさがっていた

わたしの前に
入院していた人が
使って残しておいたものだろうか

ただ一本の針金からできてい ....
その日
私は独り鉄棒に腰掛けて
夕日を眺めていたいだけだった

鍵を掛けて体の奥に仕舞っていたはずの
シキュウという箱の中に
エイリアンの胎児が
突如侵入してきたみたいで
ただ不快で気 ....
ひとは知らずに響きをのこしてゆく

希望の響きばかりではないが
きみが生きた証だと信じている

それは言葉の流星群となって
僕の夜に降り注ぐのだ

そして花火のように弾けて燃えつき去っ ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ

わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう

あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
僕は歩いていった
街が そこにはあった


何もすることもなく、
とても 疲れていた


息をしていた
人には言えない冷たい思いで。


子供を見ていた
過去の路地裏に  ....
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