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かなしいふちに降る雪が、
しろくしろいねむりにつき
冷気をはりつめて
その肺にひびいている。
しぃん、とした熱が、
深淵から徐々にひろがり
焼けた声となって吐き出され
冬の空 ....
青くかわいた微笑が枯れている
丸められた角を
階段とする
素数が熱せられながら
現象をのぼっていく
さようならは一度きりであって
すがすがしい光ならば
いつであろうともやわらかく待っ ....
黒揚羽 日に咲く羽音 染めてありし世
零の
( 、血のうずく
私を見つめる
その目は
黒く透けていて底もなく
ゆらぎもせず
胎内で夢を見ていた ....
は、真空の一点で凝縮し続ける無言する{ルビ性=さが}である。
仄暗い
道を歩いていると
星雲を繁茂する
一角で
ぽっかりとあいた
湿っている暗闇が
{ルビ濃紫=こむらさき} ....
つみかさなっている遠さの てっぺんに憧れ
冷え切った形の流動する 煙仕掛けのからだ
あら、今日もあいさつをしている朝焼け
分解の森でうすわらい 月の咆哮の真空放電にしびれる華 ....
まだ見たことのない
果実に境界線を張り
流漂する異国の砂漠
三日月が蒼く涙する
空で暗雲が轟き裂けて
光速でかおるレモン