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樹の緑から飛び立った鳥の黒い羽の音を
夕立のたびごとに絵日記に貼り付ける
それが毎日の日課になったころ
子供たちの影だけがきれいにアスファルトの上に焼き付けられている
....
海辺で
***
あなたは
丁寧に研がれた小刀をひとつだけ持って
後ろ髪をひと房ずつ殺ぎ落としてゆく
かさばるから そういう理由で置き去りにしたのは
一度だけではない だ ....
{引用=
青
左手で
雨 散り飛んだ
ずっと 滑らかな炭酸水
嘘のまま ....
全ての旅立つ人のために
***
湯気を立てているお茶のカップと
小さく開いた窓から差し込む朝の光と
四月の風に揺れる薄いカーテンを
置き去りにしたままで部屋の鍵をかける
....
すれ違う人たちの
魂の先端を少しずつ摘み取ってはポケットに入れる
ひっそりとした動きなので
たいていの人はすれ違っても何も気付かない
ときどき
けげんな顔をして立ち止まり
胸の辺りに手 ....
まよなか
くらやみの中から線路が延びている
金属のレールの上に耳を触れると
同じ路線の上を歩く子供の足音が遠くに聞こえる
もう帰らない
もう帰らない
稲穂が風にしなう
線路か ....
この手紙があなたに届けばいいと思います。
お元気ですか。
こちらでは、毎日少しずつ、何かが消えていきます。
壊れるとか、崩れるとかいうのではなくて、
昨日までそこにあったものが、今 ....
自分の名前を失くしてみた
自分の名前をてのひらにのせる
初めてちゃんと手にとってみたそれは
案外に硬く
今までそれを身に付けていたにしては
まだ馴染みきっていないような感じがした ....
ときどき
夢を見る
宛先のない手紙が 今朝も玄関先で雨に濡れていた
拾い上げることなんてせずに
生温く灰色の空を見上げると
隣にいるプラスチツク製の幽霊が
不機 ....
1
明日あたりに世界は終わるんじゃないかな、と友人が訝しげに呟く。その呟き方がいかにも生真面目なものだから妙に不安になり、部屋の壁に掛けられた時計を見上げる。いくら眺めていても時計の針が全く ....
yukoさんのUtakataさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
真夏と重力
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Utakata
自由詩
5
08-7-17
Innocent/Adolescent
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Utakata
自由詩
5
08-4-28
菱型の季節
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Utakata
自由詩
5
08-2-29
卒業
-
Utakata
自由詩
5
08-2-24
たましい
-
Utakata
自由詩
4
08-2-13
まよなか
-
Utakata
自由詩
4
08-2-11
Country_of_last_things
-
Utakata
自由詩
6
08-1-10
自分の名前を失くすはなし
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Utakata
自由詩
12
07-6-17
La_cité_des_enfants_per ...
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Utakata
自由詩
7
07-1-27
寓話#5
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Utakata
自由詩
2
06-12-5
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