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景色が青で満ちていた
空気が青色をしていた時間
海と空と液体酸素
この世に青は多いのに
人間は青を憂鬱にしたから
青い憂鬱が僕らを包み込む
溜め息
美しい景色に ふっと
窓が曇り掠 ....
白い霧に覆われて色褪せた世界
山と街に被さっている
蝉と暑さと湿度が
どうしようもない倦怠を引き連れる
他にも排気ガスの熱風とか
首の無い鳩の死体とか
濁った川の流れとか
何でも無い ....
冬の冷気が
身体に刺さり、抜けてゆく
雪の一片が
銀木犀の花弁に見えて
淡雪の香りが心を満たした
視界の端で誰かが動く
誰もいない
ただの錯覚
既視感
また君じゃなか ....
寝ても覚めても
迸る感情
君の事を想いつつ
朝日が昇る
まだ形状の定まらない
流体の太陽
金床に流し込み
躊躇の槌で打ちつける
超高温の金属は
赫灼と輝き
理性 ....
僕のケータイは
常時マナーモードだから
君からのメールが来れば
振動して知らせてくれるのだけれど
ポケットに君との連絡手段を忍ばせて
電子的お手紙を待ってると
振動するからパカッと ....
塔
街に
高い塔
塔がある
塔の中に
階段があ
る長い長
い螺旋階
段が塔と
一緒に伸
びていた
....
