すべてのおすすめ
ワンルームマンションに独り月氷る
夜寒さのなかで飲む水割り焼酎
沈黙を白く照らして冬の月
月光に抱かれ眠る子等の夢
{ルビ凩=こがらし}や袖でミラーを拭きし恋
寒風のとえにはたえや砂の色
{ルビ空風=からかぜ}の上州廻りに馬具にほふ
くらき夜の背わたごそりと{ルビ偸=ぬす}まれり
{ルビ夕凍 ....
ヌメヌメの蝉や踏切警報機
第三の眼を開けない 蝉がいる
傷心の蝉ピノキオの鼻の先
花の中反発しあう磁石かな
世界の言葉で桜と言ってみた
優しい子ならば花筏に乗れる
縄跳びに入れない跳べない桜
千羽目の鶴は金色花明り
桜にも詩集にも耳あてる夜
ファイティングポーズ崩さず花月夜
風の指揮大合唱の花の山
犬連れた人立ち止まる初桜
ゴッホでも描ききれない八重桜
猫の恋あれは影武者だったのか
撃鉄を起こしたままの猫の恋
くしゃくしゃの婚姻届猫の恋
モザイクの入るコメディ猫の恋
失った左目で見る猫の恋
お遍路を巡るセグウェイ猫の恋
デジタルの時計がゾロ目猫の恋
猫の恋背中の翼には触れぬ
逃げ道を防ぐ大きな雪だるま
どの口が言うのでしょうか朝の雪
信長の骨を枕に牡丹雪
長調で終わるバラード雪化粧
惑星を裸に戻す雪景色
墓穴までひとりで背負う雪だるま
雪明り青いノートに落ちた罪
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