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越冬のことはなにもいえない
あれから僕の身体には青空が広がっていて
雲もない
なにもない
誰にもなにも
いいたくなくなってから
人の言葉が
まるで湖のようにきこえる
僕は両手を
....
「あれからどのくらいたつの?」
「もうすぐ3年」
「ちょうどこのくらいの時期だったね」
と言って彼はガラスの外に目を移した。
人びとが川のように行き交っている。
俺もそれを眺めた。
....
ダイヤモンドより確かな一瞬に
石版みたいな青い空をみつける
だれの名前も刻まれることはないし
法律だって記されていない
ましてや
墓碑銘なんて思いもよらないのだ
だれかが今も死にいくなんて ....