ひつじが鳴いていた
ひまわりが咲いていた
人がいた 好きだった
目を閉じる
陽だまりのなか
明日なら
死んでも良かった
食欲と性欲はよく似てる
お腹いっぱい食べても
違うタイプは別腹
だったりする
美形もいいが
知性も捨てがたい
体がいいのも魅力ですね
たまには若くてかわいいのもいいし
もちろんオヤ ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
みんな石になる
みんなみんな石になる
おやきょうだいしんせき
ともだちだんなおくさんこども
ただのしりあいそしてしらないひとたち
いつかいつかみんな石になる
何色のお墓にしようか
変 ....
使いにくそうなきつねが
やいやい話しかけてくる
どうやら自分の使い勝手の良さを
アピールしてるようだ
あんまりうるさいので
試しに使おうとしたら
「使うな!」と怒り出した
仕方が ....
これでも
巡査は、けっこう忙しいのだ。
<私の飼ってる夢が逃げました>
とか
<私の影を落としました>
とか
訳の分からない相談受けたり
<あのカタツムリは汚職をしてます>
と ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに
男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか
それは
目の前に細く頼りない道が一本
....
心も体も逆立って
どうしても眠れない
汗だくになりながら
何度も何度も寝返りを打ち
記憶を掻き毟る
流れる血の色は
見たこともない
どす黒い色で
こんな満月の夜にきっとわたしは
....
あぁ..引っかかる
今日
どうしても聞いてみたいことがあったのさ
ねぇ
社の掃除のおばさん
どうしたの?
私が煙草をふかしてるそばに来て
「今日は 灰があまり落ち ....
見上げると
空は昼寝をしていて
そのすきに
雲は氷になっていた
このごろは
どうにも喉がかわくんだよ、
と手を伸ばしても
風
涼しいかたまりが
つるんと通りすぎて
ぼくはま ....
パンダ部の先輩は
いばってる
パンダ部にいる人は
出世が早いという噂
コアラ部の部長は
いつも深刻な顔してるけど
その割に
取り越し苦労が多い
ゾウ部の女性社員は
いつも大量の書類を ....
「人の見ていないところで良いことの出来る人になりたい」
「人の見ていないところでこそゴミを拾いたい」
「別に誰も褒めてくれなくてもいい」
「ただの自己満足かもしれないけれど」
....
(1)
高校生のとき、
まだJRが国鉄だった時代、
三十日間三十万円日本一周鉄道の旅を計画した。
青春18切符があれば、不可能事ではなかった、
東京を通過しないとどこにも行けない関東圏、 ....
あいまい【曖昧】(形動)
ディティールはベールに隠す、たしなみ
真実は自分でもわかっていないことが美徳
いま【今】(名)
常に最優先させる感情の所在
....
信号を無視してあらゆる交差点を渡った 緩慢な自殺未遂もことごとく失敗に終わり
裁縫バサミで刺した腕の傷も今はもうほとんど目立たない
つながれた大型犬が吠える それにつられて隣の家の
つな ....
紅葉坂のプラネタリウムは
横浜の夕暮れと星屑
石畳を下れば
恋の数ほどの壁画群
駅前に着くと
冷たくて頭が痛くなる
メロンジュースを飲み干す俺の横に
君がいつも
君がいつも
....
帰る場所はないくせに帰るわって私は言った
引き寄せてもらえるのを待っているのに
引き寄せられると急にイヤイヤ
ひとりでいるとふたりでいたい
ふたりでいるとひとりにもどる
ひとりでいると気 ....
この世界
この大地
この地球
に
性別があるとしたら
女だ
勝手に征服され
勝手に耕され
勝手に区分けされて
でもあまり
関係無い
ほんとは
関係無い
そ ....
溜まっていた切手を
壁に一枚ずつ貼っていく
染み付いた匂いと
色の抜けてしまった壁と
すべり落ちていく手のひら
薄く伸びていくドアの隙間の光を
セロハンテープで ....
そらいろの
きれいなびんをひろったので
ていねいにあらって
ひるのあいだ
えんがわにおいてみた
ゆうがたには
とうめいなみずがいっぱいたまって
びんのそらいろが
ゆるゆるととけだし ....
二人で地下室に入り
暮らそうか
そうね
窓
なんていらない
あいしてる
あいしてる
まるで二人は
日差しを惜しむように
ひたすら
気がついて
しまったから
....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです
呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
月はね
遠くから見るから
綺麗なんだ
そばに寄ったら
でこぼこで
何もないだろうね
君も
遠くから僕を見るんだね
僕が愛しく思っているのは
君だか ....
デートの帰り道
疲れて大あくびをしたら
そのまま体が裏返ってしまった
あわてて元に戻すと
君が泣いていた
ごめんね驚かせて
もう大丈夫だよ
と
言おうとしたら
君がく ....
困ったな
すごく困った
気持ちいいところ
ずっと押されてるみたい
ビリビリビリビリ
警報が鳴ってる
ドーパミン大放出
わたしもあなたも
快楽に弱いのは一緒
すごい
気が合うね
....
このバスはどこに行くのですか?
運転手さんに聞くと
どこにも行きませんよ
と答える
もう走り出しているというのに
どこにも行かないとはどういうことなんだろう
不思議に思っているところで目が ....
すっかり草に覆われた
ぼくらが秘密基地と呼んでいたここに
今年もまた暑い季節がきました
打ち捨てられた自転車が
見捨てられたこの場所に
あの頃のまま忘れられて
なにが秘密だったんだろう ....
高速で自転し公転する地球に
ふりおとされまいと必死にしがみついている自分だ
朝が来て昼が来て夜が来るめまぐるしい展開に
なんとかついていこうと必死で追いかけている自分だ
あっという間に0に近似 ....
男は物陰で
右目だけ出して
立っていた
男は物陰から
右半身だけ出して
立っていた
男は物陰から離れ
ようやく全身を見せた
そんな事にひと月も費した
まったく ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる
昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
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