すべてのおすすめ
誰かが誰かを思っている
誰かが誰かを思っている
という幻想を持って
生きてる
誰かはいつも誰かであって
誰かが会いにや ....
きょうはぼくの誕生日
62歳になった 年齢はワープする
きのうまで27歳 パリのカルチェラタンを歩いていたのに
きょう ぼくのスニーカーは田舎道の ....
あきらめた
朝みたく
せいせいするひどくしずかな恋
どこか
手放せないでいた
さみしさみたく
すこしずつ千切られていく あしたのかたち
ほんとうは、
なんて
言いかけ ....
立たれへん
そうだ
息止まる寸前まで
腹殴られて
大事なものだけ
まるく抱えて
うずくまった
みょーに深い空の
寒い夕方想う
虫の死骸とか
小さい河の流れる音
なかで
昨日 ....
せっかく育った野菜たちが
不機嫌な嵐に踏みつけられた
土砂にまみれたレタスたち
店先まで行けるかしら
町のスーパーで
どうにか並んだレタスたち
一個400円は高すぎるの
それでも
....
ほら起きなさい、と
布団をめくったら
息子が石になっていた
くしゃくしゃパジャマの真ん中で
小さな石だ柔らかい色の
まだ磨かれも割れてもいない
服着せようにもサイズが合わない
....
100円玉2枚と10円玉何枚かを
レジのお姉ちゃんに渡して
ブランコの上で開けるプリングルスが
俺の中学校の時の夕飯だった
ある火曜日俺はいつものようにプリングルスと
その日はココアシガレッ ....
お父さん死なんといてな
と私の耳がなっている
別に、早く死なないかなと思った日々がなかった訳でない、夜中セキの音が聞こえると私の闇は凍りつく
何だか、目の前のほとんど病気をしたことのない父が ....
食べることに興味がなかった
何もかもがどうでもよかった
自分に何かができるとも思わなかった
仲間がいるわけでもなかった
ただ
逃げ出すことばかりを考えていた
そんな私が妊娠した
....
矢野顕子を口ずさみながら
ヒールのコツコツの月を
連れて帰る
つらい分だけ吐き出した
あなたは楽になっただろうか
つらい分だけ黙り込んだ
私はどこへゆくのだろうか
もう二度と ....
僕は誰にも負けない特技を持っている
良い事ではないんだが
世界で一番と自負している
高校に入学し一人で行けだしたのは
二ヵ月後
それまで好きでもない友達と通ってた
行き道と帰り道が ....
沈む
沈んでいく
もがいても
あがいても
手をかかげ
上に向かい
わらを掴む
意識のそこ
葛藤の果て
沈殿
静寂
暗闇
津々と
夢をみた。
おばあさんはとて ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが
境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
においには
名前がないから
きみに伝えることは難しいねぇ
切なさにも
名前がないから
言葉にすることは大変だねぇ
すごく大切なものを忘れてしまって
忘れてしまった悲しさだけが残っ ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
すれ違い様に
僕を、嘲け笑いながら、彼女は
貴方みたいに、利用価値がない人間ほど
どうして
図太く生きられるのかしら?
と、呟いた
僕は、アドリブを聞かされ ....
もはや目覚めていられないほどのモルヒネが姉の血管を巡っていた
ほんの少しだけこちら側に戻ってきて、彼女は何か呟いた
ラ・ファ・ミ ラ・ファ・ミ
何度も何度も聞き返した僕は、それが「ロバさん、 ....
静かな夜にいざなわれた
私はそのまま往ってもよいと思った
いざないは何度か尋ねてきたが
気付かぬ間に帰っていった
私は空ろな骨だった
呼び合うものたちの声に気付かなんだ
今夜月明か ....
嘘がたくさん落ちている床の上で
かつて親友と呼んでいた男とかつて恋人と呼んでいた女が
絡まったままミイラになっている
僕は、ポケットから白い手袋を取り出し装着すると
彼らの傍らに転が ....
「小林亜星」とささやいてみる。
フランス人になった気持ちで
やさしく、女をいたわるように、
コバシャセ?
「井手らっきょ」と諌めてみる。
イタリア人になったつもりで
派手な ....
路地の暗がりで
キスされた
前頭葉が熱くなって
ぼうっとした
いや、前頭葉じゃないのかも
しれないけど
そして少し
体が
震えてる
とりあえずそのまま
わたしは宴会に戻 ....
校庭の使い方を忘れてしまった
忙しさにかまけ
タバコをふかし
子供たちの嬌声に耳を傾け
止むことを知らない霧雨のなか
彼女の寝顔
彼女のやさしさ
彼女のフルネーム
それがなんだか忘れて ....
だ る ま さ ん が こ ろ ん だ
つ か れ た よ か え り た い
こ ん な く ら し も う い や
だ け ど は た ら か な く ちゃ
く ら せ な い か ね が ....
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