夜道にて
春日線香

夜道を歩いているとひんやりした腹が出る
ひんやりした腹 ぷるんと豆腐のよう
またぎ越していけばいいのにそれができなくて
地団駄踏んでるわたしの胸の奥に
おたまじゃくしがわらわら湧いてくる
これをおもいきり吐き出さなくちゃ
これをおもいきり吐き出さなくちゃ
あ でもその前に
さっきあっちで拾った牡丹の花を
腹に供えてやるのもいい
満月みたいなへその穴に挿してやるのもいい
まだそれくらいの時間はある
夜が明けるまで少しの刻はあるだろう
夢見られる夢がすべて
果てるまでは


自由詩 夜道にて Copyright 春日線香 2014-04-04 23:45:44
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