きれいにいきること
ゆめをひきつけること
赤い靴とおどりつづけること
こ
と
こ
と
こ
と・
・
・
....
足跡が一つ
僕の前の廊下に
ついている。
あまりにも小さく
不気味な足跡
ひょっとすると
僕のお母さんかもしれない
そう思って跡をつける
足跡が一つ
部屋のカーテンの影に
....
今あたしからっぽ
太陽が通り抜けていく
歩けば心カラカラになって
悲しみボール心ん中
流せなかった涙一粒
また一粒
のどの奥通ってダムにたまる
じくじくした痛みもいつか忘れ
ダムの ....
悪を倒し
世界を平和に
そう誓い
武器を持ち
戦火へ発つ人々
幾千もの戦いで
得られものは何
世界は平和に
なったの
生まれてきた
新しい命は
この世界に
希望が持てる
よう ....
こちとらの思惑なんざぁ
お天道様が西からのぼろうとも
どこ吹く風で
おうまが瞬くまに倍に二乗に増加していく
そいつらの行き先なんか
てんで定まっていやしない
知らぬ ....
蒸し暑い夜空の下で
蛍のように光ながら
残った命を、使いきってゆく
嘆くこともせず、微笑みもせず
まるで今日起こる出来事が
朝、目覚めた瞬間からわかっていたかのように
昨日と同じように時を ....
お花畑に
直立するオベリスク
であるところの君
あるいは
漫画に戯画された
仮性包茎
であるところの君
きわめてきわめて 男根的性格である君よ
君のピンクの先っぽには
いつもお天道様 ....
モスキートにキスされて
わたしのあんよは
はれもよう
えらいこっちゃ えらいこっちゃ よいよいよいよい
サンバのリズムが吹き荒れて
かゆさの神輿が湧きあがる
夏の祭 ....
もうすぐ
爆撃機のように
八月がやって来る
さあ灯りを消して
ふたりで
ベッドに隠れよう
白い足首が氷の上で踊るように
幸福という言葉がワードの上で踊る
幸福は輸入品だ 鼻の尖った人々が住むどこかの国からの
それは形而上的な言葉であるために実物を見たものは誰もいない
シロの頭 ....
手が届かない人に手を出す
これは犯罪
手が届く人に手を出す
これはOK
じゃあ、手が届くはずの人なのに手を出せないでいるのは?
いつのまにか君は
僕への性欲をなくしてしまった
僕 ....
懇意になるごとに離れ行く
過去の前例
拒絶を恐れ僕から先に別れた
シリ・エトクへ
追いかけて欲しいなんて
我侭過ぎるね
手紙も旅費も残さず
シリ・エトクへ
見えるよ
荒磯を打 ....
夥しい夥しい直射日光で
アスファルトの明度が振り切れ
真昼は真っ白い暴力だ
私は激しい夢うつつに陥り
液化してゆくアイスキャンディを見下ろしても
何を思えばいいのか何も何もわ ....
暮れそうで暮れない夜を抱えて
西の空は橙色の熱さを振り絞る
雲はたそがれいろに染まらずに
うっすらとはい色のヴェールで
どこかに逃れるのを阻んでいる
境界線を緩め昼と変わ ....
十六歳の感傷に腰掛けて
ぼくは詩を書き始めた
ぼくの孤独といえば
せいぜいコップ一杯分の涙ほどしかなかったけれど
二十億光年の彼方の星からの引力で
コップの水が波立つことを幻想するのだっ ....
刈り入れ、葉、枯れ
わたしたち。
貧窮は カタカタ 呼ばわる
明るさについて。
茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。 鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
あしたの事を語るのは
今とがっぷり四つに組んでいないと
靴下を頭にかぶっているとんまな気がする
それでも
死に瀕している枕辺に
はち切れそうな幸せをおなかに抱え
モナリザの微笑を浮かべ ....
・・・空気も、薔薇色の雲も、あの深邃な場所にある見えざる天界も
・・・二十五歳である 金子光晴「二十五歳」
穏やかな一日
平日の人気の無い公園で
座 ....
どこかで風の止む音がしたの
走っていってみたけれど間に合わなかった
私の花園で赤い花が咲くことはもう無いでしょう
どこかで水の零れる音がしたの
走っていってみたけれど間に合わなかっ ....
男は笛吹きであった。
男は町の笛吹きであった。
男は路上で笛を吹いていた。
男の音はいつも優しかった。
黒い男は音を鳴らす
少年少女は彼の元へ
黒い男は音を鳴らす
少年少女は憧れて
....
静かすぎるよって
背泳ぎをしながら呟いてみると
空には立派な
夏らしい雲
陽に焼けた
男と女の睦み合う
そのすぐ横を泳ぎ去るとき
波立つ水から
微かではあるが
女の性愛の匂いがして
....
蝶がフワフワ浮かぶ。
きっとあの蝶は自分の影が恐くて
降りられないのよ。
だってそうじゃない…?
未知の世界は恐いもの。
でも蜜を得ないと死んじゃうわ。
さぁ、なりふり ....
なにかやりたい
なにもできない
歯茎を剥き出しにして吠える
力いっぱい命を賭けて
八方塞がり敵の山
味方をつくってはいけません
明るくひらけた視界には
憎しみが眩しく照り返す
慈雨を
私に許しを
ささやか ....
緑色の蛇になった私の左手は
悪魔に魂を売り渡そうと
日々 画策している
私の目を盗んでは
悪魔の行方を捜し回っている
赤く先の割れた舌をちょろちょろと出しながら
夜な夜な
徘徊す ....
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと
ああ 雨が窓を打 ....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。
あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
君よ ひつぎに爪をお立てなさい
嗚呼 なんといびつに枯ればむ狂騒よ
爪音に滲む土のにおいよ
かなで落つるすべての草花と樹木の根のねいろよ
毟れたその爪よ 寂びた血で凝固したその爪よ
君よ ひ ....
私の腋が臭いのは
あなたのせいじゃないのよ
あなたの腋が臭いのは
私のせいじゃないのよ
ねえ、
そうでしょ、
そうでしょ
足の形がいびつなことだって
うっすら頭がはげている ....
昨日、嵐だったんだ。
そうなの。
たくさん死んでる。
そうね。
1 2 3