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坂の上に のっかっている
そうか こうやって 私は
この雲の先にあるくだらない現実が
本当はすこし好きだったのだ。
遠くに見えた空き缶の色は
ぼくにとって空の色だった
沈んでいく雲の色だった
どぶ川に浮かぶ自転車のサドルに
腰掛けていた
マンションの屋上には
淀んだ雲が腹をのせている
....
狂っていると
おじさんはぼくに言う
ぼくはじぶんのほうが狂っていると言いたいのだが
おじさんのからだがどんどん捻じれてくるので
怖くて言えなかった
そうだおじさんが今死んだら
捻じ ....
足跡が一つ
僕の前の廊下に
ついている。
あまりにも小さく
不気味な足跡
ひょっとすると
僕のお母さんかもしれない
そう思って跡をつける
足跡が一つ
部屋のカーテンの影に
....