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痛々しいほどの
朱をさらけだして
鶏頭が咲く
傷口は
季節が変わっても
じゅくじゅくと疼き
癒す言葉など
持ち合わせてはおらず
ただ唇を乞う
ツバメが
ひととき ....
洗車用ホースで水の弧を描けば重なる虹の橋ふたつみっつ
あきらめの悪い蜩夏の背にしがみついてうわぁんと泣いて
初嵐小昼の庭を吹き抜けば夏痩せのポチ鼻先で追う
稲の穂 ....
静寂の海
咲いて波間に
ほの白い影を落とす月
寄せる波は
真夏の喧騒
返す波は
秋の訪れを
それぞれに伝えて
移ろう季節を人知れず
見送り
迎える
久遠の光は ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた
さよなら
さよなら
さよなら
夏
駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
色褪せたペディキュアの朱 もの憂げな視線で足を組み換えてみる
この浴衣ひとりで着たの?と囁かれ耳が火照るのに あぁ今日はダメ
その後の貴方の舌がつめたくて気持ちいいから抹茶 ....
ベッドの上に横たわり
胸の上で組まれた手が
呼吸に合わせて上下する
その規則的な動きを凝視し
眼を逸らすことが出来ない
肉厚のごろんとした手は
ずいぶん年老いてしまった
額の皺も ....
どうしたら此処から翔べるのか
そればかり考えていて
けっきょく何処にも翔べなかった
次々と羽化する蝶たちを
横目で見ながら
葉陰に守られて留まって
安穏
すがるような言葉 ....
爆弾を我が身に纏って散り果てぬそれを正義と笑わせやがる
見上げればおんなじ色のはずなのに我らの空もイラクの空も
銃口に面と向かったその時に「万歳!」なんてぜったい言えない
....
閃光と爆音が果てしなくつづく
長い長い夜だった
終戦前夜の静かな港町に
これが最後とばかりに
ありったけの爆弾が落とされて
夜空はまるで夕焼けのように
真っ赤に染まったという
....
宝の地図を頼りに
ひた歩く森の緑の匂い
素足に刺さる茨の棘も癒されて
掌にこもれ陽を受けながら
小さな影を追いかける
悲しみなら深く
悦びなら永久に
真昼の森は爽やかな喧騒
小 ....
降り立った駅のホームには
潮の匂いの風が吹いていた
タクシー乗り場では
タオルを首に巻いた運転手が
ワイシャツには不釣り合いなほど
日焼けした顔で機嫌よくドアを開けた
エア ....
身体の自由を奪われることと引き換えに
過去の重荷をどこかへ置き忘れて
少しづつ解き放たれていく
その手を見ればわかる
長い年月を耐えて踏んばって
あなたは生きてきたのだから
ちょっ ....
ふりつづく雨の
ほんのわずかな晴れ間に
少しの希望が見えたなら
それにすがってみようと思う
生きつづけるなら
あきらめも肝心
妥協だってしてやる
けれどまだまだ
何かが ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている
私は必死で噂とか言い訳とか ....
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような
そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった
まひるに嘘をついたりしてはいけません
善良なあたしは
....
私の獏は夢を食べない
捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから
長い長い格闘の結果
....
PULL.さんの落合朱美さんおすすめリスト
(77)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
帰燕
-
落合朱美
自由詩
10*
05-8-22
処暑
-
落合朱美
短歌
10*
05-8-20
海に咲く月
-
落合朱美
自由詩
14*
05-8-19
さよなら夏
-
落合朱美
自由詩
19*
05-8-15
夏の果
-
落合朱美
短歌
11*
05-8-13
その手に
-
落合朱美
自由詩
10*
05-8-12
風になれなかった
-
落合朱美
自由詩
9*
05-8-9
書き殴り・アンチテロリズム
-
落合朱美
短歌
13*
05-8-6
1945年8月14日
-
落合朱美
自由詩
13*
05-8-2
夢の足跡
-
落合朱美
自由詩
7*
05-7-30
帰省
-
落合朱美
自由詩
13*
05-7-29
解放
-
落合朱美
自由詩
20*
05-7-23
晴れ間
-
落合朱美
自由詩
12*
05-7-23
羊飼いの歌
-
落合朱美
自由詩
40*
05-7-17
偏食_三
-
落合朱美
自由詩
22*
05-7-14
まひるの嘘
-
落合朱美
自由詩
12*
05-7-3
偏食
-
落合朱美
自由詩
21*
05-7-3
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