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時は無常にも過ぎてゆきますゆえ
おおきな流れを知って
現在地の私を知らなくてはなりません

息を静かにして
痛みの在りか
涙の在りか
かなしみの在りか
在りか
ひとときの微笑
つた ....
わたしの血は
青く青く沸騰し
ゆらめきながら立ちのぼり
はてしなく透きとおった
青をふらせた

しなだれた渇望のからだは
ゆく先のしれないおもいと
めまいの予感を内包していた
いよい ....
ぷぷちゃんのつぶらな瞳が
踊るように歩く
青の裾野を
静けさを流しながら
口笛を吹きながら
踊るように歩く

いがらっぽい重みに耐え忍び
針と糸で生活を縫う


この家は。
 ....
アゲハのハネは夏の欠片
土の上にパリン 零れる小宇宙

落ちていたハネなんですけれど
日にさらされてか
ガラスのように かわいていて
リンプンは星屑しゃらんりん
本体は見あたらなくって
 ....
しずまりかえった夜
の浸透圧で
ゆるやかににじむ
染まりゆく夜
染まりきるころには
わたしたち 空っぽ

恋は死ぬ
愛は死ぬだろうか

輪郭は想う
幻色で、つめたく卵
うすく微 ....
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて

やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
 ....
もう
鋭いところまで、
来てしまっている。

人々は、
気付いているのであろうか。
虚空は、
妖しく、うねりながら明滅している。
あさっての老人は、
{ルビ落葉=おちば}に手を合わせ ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている

道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた

陰った景色は
 ....
一篇の詩に洗われて生まれてきた

風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く

{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
 ....
うなじのあたりが
ピリッピリしている
神経痛かな
いや、それとも
いつものアイツ

アイツは時折姿を見せる
いや、肉眼では見えないのだけれど
幻覚でもない

ソイツは時も場所も問わ ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
末端の夜で
日常にある
輪郭のない
さびしさを
手繰り寄せる

その顔は
か細くゆがみ
青白い灯火に
照らされて{ルビ寝=い}
さまざまな角度で欠けている

ほおいほおい
呼 ....
遠のいていく
夢の終りの予感

連続する瞬間の
寓話的イノセンス
遠のいていくわ

音楽的無添加な透過

指の形良く
挟んだ煙草と
くゆる
正視の冷却
覚めてゆく未知数
 ....
洗濯物をたたむうちに
不意に可笑しさがこみあげてきた

昨日までの
それまでの
汚れを落した衣服の形
そうだとしても
ひとつひとつ
笑顔や葛藤や
その他{ルビ諸々=もろもろ}の生活を ....
小鳥の瞳に恋をした
少女は
空にキッスして
ことばを失った


{ルビ喃語=なんご}が空を切る
ひとしれず
くさかげのはいいろに
ある男女のすがたあり

わたくしと
しねる?
    ああ
それがさいごの会話だった

涼やかな目
はいいろが 濃くなる
しなやかでとげとげしい ....
魚になった
私の名を
呼んで下さい

{ルビ愛=かな}しみの風に 微笑みながら
道の空を泳ぐ

白い時に影を落しました

雲に溺れた{ルビ暁月夜=あかときづくよ}
{ルビ白露=しら ....
「 雷 浴 」



あめは
 ふっている が
あつ すぎて
やけに
かわきやがる

かみなり
 を よぼうか
かみなり
 を あびたい




          ....
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いて ....
オニヤンマは、
空の道をもっていて
すうっと、
夏の光の騒がしいすき間を
無邪気な笑みで通りぬけていく。

この間、
{ルビ明日=あした}の出来事を
うすく
ニンマリ
なんて笑うの ....
ああ、旅をしているんだな。
揺れるクレマチスの青い花。
ああ、ひとりでいるんだな。
夏が、終るとするにおいが、
今日はしているのだけれど、
どうしてなんだろう。はて、
どこへ行こうとしてい ....
夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱

無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机 ....
鬼灯が耳をそばだてている


あなたの声をききたくて


夜な夜なおもいつのらせて


あかくあかく重く秘めて


口にふくむ
いつのことだったか
おーきな木に寄りそって
声もなく泣いたのは

知ることのできた空は
果てを知らずに膨らむ奥行
しっとり流し目をすると
逃げ迷う合せ鏡の黒髪

時が来れば尽きる
 ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
己を知るは己のみ
知らぬ己は白目むき
嘲る己に己嘲り

 ( そんっな事だけぇ人間は ! )
 ( こんっなモノだけぇニンゲンは ! )

誰は誰でも人は人
人は人だけぇ人 ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
(〜イキル事など オシマイダ〜)

(〜イキル事など オシマイダ〜)



己の{ルビ深淵=しんえん}に 浮かぶ銀河は次元の彼方


独りのものには

花火の音で事たりる
 ....
 ボク

ボクは、僕といわない。
それは、シモベとよむから。

一羽の蝶が飛んでるよ


  あなたとわたし

わたしは、あなたから生れた。
そして、母も父も
わたしにはいない ....
PULL.さんのこしごえさんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
在りか- こしごえ自由詩10*05-9-28
青い果実- こしごえ自由詩13*05-9-28
青の山の麓の家で- こしごえ自由詩8*05-9-24
アゲハ- こしごえ自由詩16*05-9-21
水母- こしごえ自由詩13*05-9-4
晩夏にて- こしごえ自由詩13*05-9-1
ブランコ- こしごえ自由詩16*05-8-26
失恋- こしごえ自由詩29*05-8-22
詩子(うたこ)- こしごえ自由詩13*05-8-21
アンチ苦笑- こしごえ自由詩6*05-8-19
「かふぇてらす空路(そらじ)」- こしごえ自由詩15*05-8-18
眠る空- こしごえ自由詩15*05-8-13
繁茂する微熱- こしごえ自由詩13*05-8-8
笑う形- こしごえ自由詩16*05-8-6
青い声- こしごえ未詩・独白4*05-8-4
とうろう- こしごえ自由詩8*05-8-1
- こしごえ自由詩3*05-8-1
「雷浴」について- こしごえ散文(批評 ...5*05-7-31
蝉時雨- こしごえ自由詩17*05-7-29
、ゆく未練- こしごえ自由詩5*05-7-29
灰色の実- こしごえ自由詩12*05-7-26
孤独の。熱- こしごえ自由詩10*05-7-25
鬼灯(ほおずき)- こしごえ携帯写真+ ...9*05-7-22
白濁の樹- こしごえ自由詩10*05-7-21
主婦- こしごえ自由詩12*05-7-17
しろめ- こしごえ自由詩4*05-7-17
クライシス- こしごえ自由詩11*05-7-14
冬眠- こしごえ自由詩15*05-7-12
嘘の細胞- こしごえ自由詩3*05-7-12
ウソとホント- こしごえ自由詩9*05-7-11

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