孤独の。熱
こしごえ

夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱

無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机かすむ
覚ます風鈴

ゆくえしれず
宙に体温静止
孤独の。


カラスにせかされて
立ってはみたものの立ち暗み
つとついた指先には夢ひらり
「ああ(あつい)うすい」


自由詩 孤独の。熱 Copyright こしごえ 2005-07-25 09:51:36
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