すべてのおすすめ
乾燥した空気に
なんとなく
背中が痒くて今日も
着合わせには気をつかったつもり
なのに
私とドアノブの隙間にパチリ
静電気が走る
アスファルトの似合わない小道
夕顔の枯れてしまった ....
何を考え無しに
不満を述べているの
ざますか
手の届くところにないことを
他人に当たるなど
呆れるざんす
ほしいものは
いつだって
手の届かないところにあるのざます
....
価値あるものは
ウェブに流さないように
と
あなたは
哀れむように
わたしに告げた
わたしの
つむいだ言の葉は
みんな
元気でいてくれますか
それと ....
季節にはまるで関係のない温度に
振り回されていた僕は
全てを吐き出せる場所を
作ることにした
それは近所のスーパー「オオゼキ」の店先に
特価980円で売っていた
....
いつのまにか
あなたがいなくなることが
いつのまにか
怖くなっていて
それは
幾日もの
あなたと私の
笑顔の証
とても不思議なことに
朝はいつも訪れる
目が覚めると
朝は ....
さんざめき、少しずつきえてゆくあなたの目に映るとうめいなちずをてのひらでよむ。ほほにながれるなまえをさがすように、丁寧なしぐさで紐を解く。なまぬるい、あめ、がらすにぶつかるたび、視界をぬらしてゆく。な ....
都議選の宣伝車が姦しく徘徊している。「お
願い」であるのなら人に迷惑をかけてもいい
らしい。名前の連呼。連呼。夜に働く人たち
の票は必要とされていない。連呼される名は
誰に名付けられたもの ....
すすんでゆく先には
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう
深呼吸、する
( ふかく、ふかく、吸って、
( ゆっくり、ゆっくり、吐いて、
ふりかえる
ふりか ....
かのん、は
「入院」がだいきらい
だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
やわなきの、皮膚に張りついて。
あざやくを、知らないように。
ぼくらいは、見ない。感じる。
ことを、知らない、視線。
ぬまくるを、知らない。
(他は流れる)
ように流れるよ ....
悲しみは
すーっと空に昇る僕の目から
からだを失って
見た
点の犬
犬の悲しみ。僕の
悲しみは、毛波の温もりに触れながら滑りおつ
君はどこの犬?
汚れてる
ざらざらきれい
....
ほら、珍しい薬だ
その男はそう言って
青いカプセルをくれた
エレベータの中で会った男だ
素性は知らない
ただ黒っぽい服を着ていて
線香のような匂いがした
効能を聞き逃して
もう ....
まぶたをとじると
見えるまど
ぽかりとうかんだ
はんみのつきの
かなしいつきの
ひかり
廃校の机のうえ
はねるつややかな表音文字
琥珀色をした聴こえぬ
音のしずく
まるまるせな ....
竜が獲れた。これで数十年は村の食料だけで
なく地位も名誉も安泰なのだろう。ウマサ(*1)
が長と何か話しているがここからは聞き取れ
ない。若い者が数名命を落としたらしく、笑
みの合 ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう
ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと
それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う
....
つぶやきみたいなものです。
○私にとっての詩
私にとって詩は、言葉で表せないものを言葉で表してくれるありがたいもの。
表せないものってなんじゃ・・・小川に素足を浸した時の、「あの感じ ....
飲みかけのペットボトルに
虫が入り込んだから
そのまま蓋を閉めると
虫はかもめになった
飲みかけのペットボトルに
埃が入り込んだから
そのまま蓋を閉めると
埃 ....
切り離された臓器の傍らであなたが眠っている
ちからなく
まだこちらに戻ってこない意識
真っ直ぐに伸びる廊下の向こう
夕日が熟れた色で光っていて
あの世へ行く道みたいだった
....
白い箱の存在感
目には見えない大切なものを
私はすぐになくしてしまうので
小さな白い箱をいくつか並べる
空っぽの箱の存在感
箱にしまうことは
なくすことと本 ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
僕は、いつものように、
かのん、と救急車に乗っていた。
かのん、は三つで
救急車はキライで
でも、救急車のおじさんはヤサシイ、
って言う。
透明な酸素吸入マスクのゴムがきつくて
イヤイヤ ....
1
ビデオテープの町には
あの頃のままの
恋人がいて
老人は
画面に張り付き
色の雨粒を見ている
2
空と地面に一本の線が伸びる
その端っこを
紙コップにつなげて
い ....
この原稿を依頼されたときの特集名、
「女を口説く為の詩」でした。
じつはこの、「女を口説く為の詩」ってのが、
すでに口説くという行為から外れてるんですね(爆)。
「女」ではなく、せめて ....
心から上空にひざまづき
僕は僕の意味にねじれて
弦のようにのびた僕の影は
ひょろひょろと地表を這い
さびれたビルのなかを
真っ黒な煙突の中を
のぼってゆく
....
「小林亜星」とささやいてみる。
フランス人になった気持ちで
やさしく、女をいたわるように、
コバシャセ?
「井手らっきょ」と諌めてみる。
イタリア人になったつもりで
派手な ....
路地の暗がりで
キスされた
前頭葉が熱くなって
ぼうっとした
いや、前頭葉じゃないのかも
しれないけど
そして少し
体が
震えてる
とりあえずそのまま
わたしは宴会に戻 ....
もうすぐ、
休日の半分、昼の12時なんですけど、
なんか詰まらなくて。
さらに、
お腹がすいてきたので
初物のあなたを
食べさせてください。
それじゃ申し訳ないので
わたし ....
夜の霧の街灯の脇から
ほんとうに小さなものたちが湧いている
きぃきぃと
ほんとうに小さな声を上げている
いられなくなったのだねと
手を差し伸べると
爪の先から入り込んで
....
三月になるとクラスメイトのほとんどが濡れていた
雨、と言ってもいいのかもしれない、粒子のような
猿、なのかもしれない本当は猿なのかもしれないね
と、語り合う口の中から粒が
....
またはドキュメント夕食時の佐々家。
夕暮れのテレビ・ニュースで
菜の花畑が写る。
「いちめんのなのはな」
とわたし。
「純銀モザイク?」
と夫。
さて。
いつものように。
バ ....
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