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かのん、は
「入院」がだいきらい
だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
おはよう、アベニュー、
NY city 9月11日
君と過ごしたバグダッド・カフェ まで
僕たちは雲の中を飛ぶように歩いてゆく
双子のビルが崩れ落ちる
もうもうたる砂嵐ふきすさぶ灰色の雪 ....
ラップにくるまれた、街角
ブルー・ベリィ・の・つぶつぶジャム
僕たちはCokeのつぶやきに (頬を)
Decorateされたままの銀鼠
触感、直観、ダブル・ブッキ ....
僕は、いつものように、
かのん、と救急車に乗っていた。
かのん、は三つで
救急車はキライで
でも、救急車のおじさんはヤサシイ、
って言う。
透明な酸素吸入マスクのゴムがきつくて
イヤイヤ ....
これが、かのん
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃん
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット
のなかの白いお ....
--フォン・ギエルケ
不協和音
von-Gierke病
深夜、
僕は、
娘の病名を、韻律のように
繰り返し繰り返し繰り返す
--von-Gierke
フォン・ギエルケ
....
眠ることは死に近い、君よ
僕の腕の中、泣き腫らした目をして、しゃくりあげる赤子
蒸し暑い夜のありふれた、それでいて、不吉なくらい真摯で痛々しい、寝ぐずり
君は運命にあらがうように手足を突っ張り地 ....