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地平線がかぎざぎに囲われた東京を
中央線のガラス窓からのぞいて
ビルたちの壁面は薄黄緑に光る
水の色をしたいろんな影が長くのびて
フラットな装置のように空が広がる
鳥の群れがばらまかれ
ペ ....
{引用=


ぼくのものじゃない長い髪が浴槽の排水口へ流れた
その後を追うように
ぼくのものじゃない子供が流れていった
だから蛇口を勢いよく捻り
ざあざあといっぱいに水を浴びせ
そうす ....
{引用=



そんな言葉には
騙されないよという彼がいて
だから私は
ああ
こんな言葉では
信じてもらえないのだなと笑って
求められているのは
私の本質だろうか
生き方だろう ....
{引用=



言葉の降らない日々でも
きみに痛々しい愛(のようなもの)だけを送りつける
ぼくの先端から零れていく赤い信号が
次々と毛布にシミをつくるんだけど
乾いた風に投げ出してしま ....
ヘリコプターがパタパタとうるさい
なんだあれ
空で布団叩いているみたいだ


さっきまで君の夢を見ていたと思う



頭を傾けるたび隙間が空く
脳がたぷんと跳ねる
ああ潮の匂 ....
{引用=今日は今日を生きて
生きていることに少し感謝しました
少ししか感謝できなかったのは残念ですが
明日は明日を生きて
今日よりも少しだけ多くの感謝をします

ほんの少しだけか ....
わずか一小節程の残像を残して
君は飛び立ってしまった

それは砂粒のように粉々に散らばり
私の生きる所々にふと
瞬間を運んでくる

まるで他愛もない他人との会話の中に
あてずっぽうに出 ....
「はじめて神様にお会いしたのは、あたしが五歳の時でした。

あたしは小さな森の入り口に立っていました。そこは、とても暗い、お月様もお星様も見えない夜の森。その森の奥に神様のおうちが建っているのです ....
(この世界にうまれなかったすべての記号たちに
 琥珀色した光りが届いたなら――)


/星が瞬きも忘れて
/死を視ている


世界の空が薄い琥珀のように潤み始めた頃には残された ....
{引用=



波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた

あなたがとてもかなしそうで
 ....
{引用=



滲んできた雨が
ぽつりと靴に刺さる白い真昼
耳の寂しいわたしは
(あぁ ピアスがほしい)

なだらかな耳朶に
ひそやかな穴をあけてしまうことは
どうしようもなく哀 ....

十月も末になるとパソコンが
鼻をすするような音を立てながら起動するようになる
動作もどことなく鈍くて
悲しいつらい気持ち悪い
という類の言葉は迅速に変換されるのに
楽しい嬉しい気持ちい ....
10月27日 曇


僕は数を数えるのをやめた


「僕はハルシオンになったみたいだ」と に言った
 は腕を縦に切ったカッターを机に置いて力を込めた
「おけちゅるゆりかりゅ」
 ....
{引用=


ぼくの酸素マスクの隠し場所をあんたたちは知らないという日常です
真白な晴空の淵にしがみついている愛着がはやく流れされていけと願う毎日です
アスファルトの裂け目にくるまれている苔の
その淡 ....
{引用=


この空に底があるとして
それなら沈んでいるのは
きみが何万光年も前にさけんだ言葉のなきがら。
鈍色に光っているそれら

かえりたかったところ、

わたしの瞳の縁で ....
「しーっ」
声をひそめた
二人の小さな世界は
好奇心とドキドキで
光を放つ

幼い横顔の天使は
森の奥に住んでいて
いつか来る
ヘンゼルとグレーテルを
お菓子の家で待っているの
 ....
空色にそまる
秋の天蓋の幕をあければ
プラタナスの黄葉の並木
衣擦れの人影

{引用=―――――何をかなしんでおるのでしょう。
何を?ばかな 愚かな道化に何がわかるのです。
わかるる ....
{引用=

はんでいるさいちゅう
わたし、どうしてもとめているのかしらっておもった
おなかがすくからって
はんでいるさいちゅう
ねぇどうしてこんなにもあごをうごかさなきゃいけないのかしらっ ....
屋上で風をみていた君とわたしの背中には羽が生えない
望んでいないところに種は蒔かれない
潤いなどない足の付け根にいつも息を吐き出す他人には
顔がないものだから頭のなかで君の眉間のしわを貼り付けて ....
夜更かしの羊飼いは大層身軽で
わたしの寝室へ夢のように舞い降りては
夜毎数字をひっくり返す

空がまるで海なのよ


わたしはちぎれながら泳ぐ
よれた真夜中を
雨に打たれるカラス ....
籠の中の小鳥が声高に鳴く
開け放たれた窓からそよぐ風に喜んで
庭先で君はひとり楽しげに
プランターのおじぎ草を突いていた
鼻腔を突くのは蒸せた花の香り
ざざざと風は水路を走る
千切られ ....
{引用=翠の眼をした少女が
ふぅわり ふぅわり

信号待ちの交差点で空を昇っていくのをみた
だからたぶん、明日は雨が降るに違いないのだ
今は心が浮き立つような白けた曇り空から
じぃっ
 ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
判定窓がニヤリと陰性を示したので
私は軽やかに手を振り
妊娠検査薬をゴミ箱に投げ入れた
奇形の子を孕むつもりはないけれど
薬漬けの身体で抱かれることに
何のためらいもないんだ

不意 ....
冷えていく
必死で確かめる手の感触は
歩けば歩くほど不快なものになるのに
決まって早足でわたしは向かい
同じ歩数
同じスピード
同じ肩の強ばり
同じ白蛇の悪寒

噛み締めた歯が痛い
一時間前には笑って ....
夜中のうちに
鍋の底で腐っていくとろけた大根が
少しでも悲鳴をあげてくれれば
わたしはすぐに火を点けて救いだしてやれるよ

*

流れる景色を見つめている
次々と集まり出すこの電車内の人、ひと、ひ、 ....
ひとつのメルヒェンが世界を往復するあいだに
路地裏の女はひらがなで大きく書かれた
しなないという文字を
街の中心地へと押し出そうとしている


(光の海で星と泳ぐ少女の物語も日が暮 ....
アスファルトには干からびた雛の死骸
散水の終わったテラスでは
欠けた樋から不規則に水が漏る
深爪の指を舐め
ただそれらを見下ろしている

穏やかな午後だ
路傍に転がる石ころのように
 ....
金縛りにあったという夢をみた
金縛りにあったという/それは現実かもしれないが
誰が夢と今を切り離しているか、と問えば
それはおそらく(やっぱり)私の剃刀なのです

感じてる 重み
動かない ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず

コロンカラン コロンカラン

流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
 ....
ジャイコさんの自由詩おすすめリスト(140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
東京- モリマサ ...自由詩14*09-11-18
あいさない- あぐり自由詩3*09-11-18
霜月の窓から洩れて- あぐり自由詩5*09-11-18
きみだけの- あぐり自由詩4*09-11-16
中耳炎- ゆえづ自由詩309-11-14
ささやくように歌っています- タマムシ自由詩8*09-11-13
残像- 松本 涼自由詩409-11-11
世界中の人にそっぽ向かれた日のこと- ゐおり自由詩109-11-11
終わる世界- e.mei自由詩2909-11-6
せめて- あぐり自由詩4*09-11-2
雨粒が耳にあける穴にたまる- あぐり自由詩2*09-11-2
冬支度- 吉田ぐん ...自由詩1209-10-30
終わる世界- e.mei自由詩3309-10-29
青い果実- あぐり自由詩4*09-10-29
この空の底に- あぐり自由詩7*09-10-26
ひみつきち- ミツバチ自由詩7*09-10-16
道化/◇◆◇◆の秋- 月乃助自由詩8*09-10-13
いつだってもとめている- あぐり自由詩3*09-10-12
名前を教えてあげる- あぐり自由詩4*09-10-7
オーロラ- ゆえづ自由詩9*09-10-7
サラテリ- ゆえづ自由詩7*09-10-5
わたしが消化していく筈の明日は- あぐり自由詩5*09-10-4
世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる- 吉田ぐん ...自由詩53+*09-10-2
ゴヤブラック- ゆえづ自由詩6*09-10-1
名前を思い出して- あぐり自由詩6*09-9-29
悲鳴の周波数をあわせて- あぐり自由詩7*09-9-29
終わる世界- e.mei自由詩2509-9-29
カドミウムイエロー- ゆえづ自由詩7*09-9-29
縛られる- あぐり自由詩3*09-9-28
Eve- within自由詩19*09-9-27

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