すべてのおすすめ
勇気の貯蔵庫は心の
一番奥にある
琥珀の飲み物のような深い香り
だれにもある良心もそこに眠る
欺きたくなるよな夜に
手の先から悪事をする
謝罪は果てまで遠いので
夢を先に食す
....
おじさんのかわいがってる子犬
ふわふわパタパタ部屋の中
触れてみたいけど
触れられないと思ってた
おばさんのかわいい子犬
くるりの目できょろり
私をみないのは
当り前だと思ってた
....
かたい 真っ黒な空を切り裂いて
星を落とせ
きらきら きらきら
私の夢は
きっとそこにある
一日を終えてみあげる
私はここです と
告げる空 真っ黒だけど
向こう側にある星 ....
うらんでうらんで
狭い部屋の中で
泥の中のへびみたいに
うねうねぐろぐろ暴れていた
思い切って出た外で
えい と手を伸ばした先が
あおい 空にいきあたる
静かに広がる薄い雲は ....
切り撮らないで
って景色がいうから
そっとかえしました
すこぉしだけ触れて
ごめんね
私がいること確かめたかった
白かぶころりん
土の上まで飛び出てる
ふたつ並んで
雪の ....
心を持って
(それは綺麗な透明のビンに入って)
歩いていた
(どこにでもある街角を)
たっぷり浸したはちみつの色した
(おいしいと思うきっと)
だれにも渡してはいけないと言われて育 ....
あなたの元に
届ける言葉
心で生まれ カラダを通り
息を吐くよに 指が動いて
あのね きいて と運びます
星は静かに光っています
月は青く濡れています
黒の空はどこまでも
....
悲しみに
悲しみきっているふりをして
どこへゆこうかも考える
そんな風にずるいほうがいいのです
純粋って
生まれたばかりの赤ん坊だって
そうではないのですから
人は
初めから罪 ....
心の病で
眠り続ける君へ
すきなパンを届ける
細い目がパンをとらえた瞬間に
あがる口角とゆるむ頬をみた
君の肩をだきしめたくなった
外は寒いよと
話す私の顔をみないまま
頬 ....
ねえちゃんもうすぐ誕生日やで
姉は私を まっすぐ見つめてそう言った
歳なんぼになったん?
と私
知らん
そよそよした風吹かせて姉が言う
そんなん知らんでええ
隣のおじいちゃん ....
少女はこともなげに言う
おばあちゃんがいなくなったら
私がしてあげる
老女は静かに笑う
いてもいなくなっても
あんたがやってくれるか
受け継がれるとは空気のよう
暑いなり ....
雨に濡れて 春告草が咲いている
曲がる枝に 柔軟な想い忍ばせて
静かな雨に 黙って濡れている
真紅の花は 冬の寒さも知っている
過ぎた雪の重さが 想いだと知っている
生まれた地より ....
行間に迷子になったままで
閉じてしまった本に
過去まで戻されました
あの日のあの廊下の隅で
自分を閉じ込めてる
自分を見つけて解放したくなった
その道を歩いて
今にいるのだけど
....
春は私に重いので
春にあわずにゆきたいの
柔らかい風をさけるよに
夜の無音の中をゆく
春は私に重いので
春の言葉をきかないの
すべてを包むあたたかさより
ときおりの冷気がちょうどいい ....
窓に手の平押し付けて
冷たいですねと笑いました
うすい うすい 笑いでした
唇の色も失くすようでした
窓あけて 二度振り返る
あなたがいるように期待して
夜風は ふわりと舞っています
....
ごめんなさいと断って
あなたをまたいでいきました
とても急いでいたんです
おいつきたくて 自分の想いに
いってしまうんです
想いたちは 想うそばから
飛び立つんです
言葉であらわした ....
白いあなたはたちのぼりました
火葬場の空に
時間はどこででも流れるものだと
感じた棺の残骸
自分の嗚咽に一番 自分が驚きました
私はあなたを憎んでいたし
あなたと対決する日がこわか ....
祖父が死んだ
ほんでもえらいわ
そう言って祖父は私の手を頼りに起き上がった
寝ているままでいい
そう言う私を制し
それは昨日のことだった
いつものようにコンビニで
祖母のおに ....
遠くからお帰りなさいと声がして
あったかい部屋へ転がった
ころんころん おもいやりをください
おみやげです
受け取ってください
あたため続けた 愛してる
夕べ寝ないで考えた
一生 ....
おとうさん
そう呼ばせてください
あなたをおとうさんと呼んだ記憶がないのです
おとうさん
こっちをむいてください
あなたと視線をあわせて話したことがないのです
おとうさんの娘として ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって
地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって
てっぺんは尖がってて
おっと ....
あたしな ずっと言いたいことがあったんよ
だけどな おかあちゃんは背中やった
顔を見つけるまでに 後ろむいてたから
声 かけれんかった
あたしな ずっと先に言いたかったんよ
だけどな お ....
雨が通った街路樹の
匂いを胸に吸い込んで
自分の命に響かせる
同じ命に響かせる
冬がなぞった川沿いの
倒れた花に指添えて
季節という名を染めてゆく
冬の肌に染めてゆく
生きてい ....
父と母が男と女だった頃の年齢になった私は
父とは他人になり
母とは どんな関係になったのかな
私の中の父を見て
私に挑んでいた母だけど
天使のような姉のことを
障害者の姉の方って呼んで ....
母は強い人だ
私は母から生まれたのに
なぜ強くないんだろう
なぜ母がすきになれないんだろう
母は私がすきなのかな
母は私を愛してるのだろう
いつか帰った部屋に母がいたことはなかった
....
軽蔑の光を灯して
人は彼女をみるのだ
知恵が足りない子だという
足し算 引き算はできない彼女は
人のために泣くことができるのに
ずるい笑みを浮かべて
また騙そうとするだれもかれも
だ ....
雨が空からの使者ならば
私は何を伝えられよう
木々のこずえに
しなだれかかる茂った葉に
この窓に流るる雨水にも
知りたい便りがあらんことを
少し望みてじっと見つめて
このカラダ全 ....
君へ寄りかかるフリをしながら
君の世界を盗み見る
僕の心の隙間に秋の風が吹いてくる
黄金に揺れていた稲穂は刈り取られ
赤に燃えている山が映りこむ
そんな折々の季節に彩られ
また君は ....
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