すべてのおすすめ
お風呂の中で
私の人生とは
と考えた
考えたところで
とまってしまった
そういえばこれも
湯船という船だな
この船で旅に出れぬなら
どこにいても
どこにもゆけない
顔が ....
ストックをつくりたい
せっせと
余計なことを考えず
動物も集めてる
眠りにむけて大事なものを
足りない という想いは
満たされることはない
まだまだ
まだまだ
その作業は安心 ....
なめらか
という文字を前に
それを知りたくて皮膚に頼る
秋を伝える毛布の売り場で
目にくすぐられ誘われている
くるまりたいのは
なにになのか
のばした指先に
触れる秋色の生 ....
ほしいものはいっぱいあった気がする
今でも想えば出てくるだろう
でもほんとうにひとつだけ
そう言われたなら
自分のことだけじゃいけない気がするし
だれかのためになんて言えないし
欲張り ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている
そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
乾いてしまった糊みたいに
あちこちぺらぺらめくれてくる
とじ合わせた心が
納得なんかできないと
空気はとっくに私を
包んでるのに私が
認めたくないことばかりあって
そりかえっている
....
なににも祈る気持ちになれないけど
目が覚めて空が
ちゃんといてくれているのを
みたら安心する
言葉にはできないけど
あたしが
あたしのまま
空へてを伸ばす
おはよう って
いい言葉だ ....
釣り堀に釣り糸をたらす
濁った水面をぼんやりながめる
浮きが ぴくぴくと動き
ぷくん と沈む
のろのろとひく
たらりと針だけが透明な糸についている
ばしゃん
音がするほうに
ば ....
夏休みの宿題を
やらないまま今になっている
イキルということへの抱負
季節と同じ熱い課題に
流されてここにいる
答えなんてあるの?
それをだれにきけばいいのか
夕暮れにかくれ ....
自分にあいたくて
かがみをのぞいてみた
だれかの詩をよんでみた
昔の写真をひらいてみた
どんな自分ならいいんだろう
こたえがほしかった
だれかの言葉でほしかった
ほんとうはね ....
つばめの子はかわいくて
カラスは憎むだと
勝手なもんだね
よっぱらいじいさんは
くわれたトマトを捨てながら
泣きそうに
怒ってる
せかされている
背中に目をおいて
前などよく 見もせずに走っている
だからだれかを
なにかを 思いやることなどできずに
立ち止まるには勇気がいる
もの言わぬイキモノに
救いを ....
ここでは朱
こっちでは薄緑
紫陽花って
ほんとうはどれなんだろうね
ぜんぶだよ
雫がおちる雨上がり
ひとつにしたい私の心
見透かされて
じりじり太陽が照らす
いろんな色の ....
小さな男の子と
女の子だった私たちは
なかみだけそのままで
古びてしまった
雨にふるえている
きのえだをみても
語り合ったりしないで
すれ違うばかりです
探し物はたがいの
胸 ....
みな
人の後ろを歩いている
いい人の
悪い人の
普通の人の
空から見たら
変わらない人となって
見られたい
ようには見られず
ひと固まりの雲が浮かんでる
まるで人の群れ ....
泣くことに努力はいらない
笑うことにも
泣かないことにも
努力は必要だ
雨がふったといっては
泣いているかえるのように
ほんのりうれしさをまじらせながら
女のなみだは
意味がな ....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
おかあさん とか
ありがとう とか
大事な言葉は五文字です
さようなら も
でもそれに乗りたくないから
さ よ な ら って
短くしてみます
ら の音にかぶせて
雨の音がし ....
夢ならさめないで
少し肌寒い朝に
ほうりだされたみたいな
いかなきゃいけない気分は
背後の太陽のように熱い
だれかがだれかの
噂をしている
その中で知らないふりはむずかしい
....
うぐいすの
鳴く小道を抜けて
老人ホームへむかいます
やさしいばかりでないひとは
同じに小さく座ってる
時になやみ
時にわらい
いとなみはしずかにかわりなく
うぐいすが
鳴か ....
私の行く先に母がいて
母の行く先に祖母がいる
どうして一方向にしか
すすめないのだろう
幼児のような
おんなのかおになっても
同じ木が
同じ風にふかれて
私たちおんなを
少し ....
反省している
なのにくりかえす
それが生きることというには
まだ生き足りない
ただしいことだけして
すごせる人はいないなら
どうしてせめるのだろう
認めないのだろう
違っていた ....
おいてけぼりにされたんじゃない
あたしが一番なんだ
そんな苦しいいいわけが
あたしを支えていたあの頃
なんであんなに強かったのか
足裏ばかりがふんばっていた
きっといつもはだし ....
自分をせめて
ちょっと許してあきらめて
歩いてる
とまりながら
ふりかえりながら
自分に似たひとの
影をかんじながら
値段のつく時間に
ならぶことの憂鬱
イキルってつぶやいた
小さな頃のほうが真剣だった
安易に手に入ることが
平和だと信じさせようとする
がまんって文字を辞書から
排除してもいいこ ....
不自由です
水の中にいるよに
いらないものに囲まれ
いらないものを抱え込み
みてほしくなくて
みていてほしくて
一人になりたいひとは
みな
一人がきらいなひとです
人の気持ちなんて星みたい
見えたり見えなかったり
遠すぎて不確かなもの
あこがれて美化して
ほしくってこがれて
そのくせ
目をそらしたくなったり
こそこそ 隠れたりする
想 ....
物足りない想い
迷う指先
コーヒーカップじゃ満たされない
ひとりでいい
いいけども
自分で自分をはげまして
それでもなにか物足りない
うす曇り
太陽がんばれ
なんて想って ....
お風呂は真っ赤なゆりかごだ
人の体内からでるものは
赤に決まってるじゃあないか
後悔も溶かし
耳から入る
水入る
菅にみたてた体を
もてあそんで忘れたい
今日の
明日の私の迷 ....
つまり愛だ
どんなものへも
愛があればゆるせる
ゆるせないこともまた
愛だ
憎しみさえ
イキモノに大きい小さいもあるか
祖父の言葉が重く
私には
粗末という言葉を教えたの ....
1 2 3 4