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やわらかな境いめに群がる匙
花の音に廻る匙
額と背 二つの灯
ふいに冷える頬
小さな天体の陰
三つの雨のはざまの静けさ
遊具に残るしずくのなかを ....
覚悟したはずの心が
弱音を叫んでる
やろうとするけど
やれない毎日
誰かが作った言葉に
殺されてる僕
驚くほど早く訪れる朝と
ただ落ちてくだけの夜
明日が見えない
未来も見えない ....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから
わたしは「夢」を視る
捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して
白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う
....
軽い足取り
幼い照り返し
蹴飛ばしながら
進む
シャツの袖まくり
緑のさざなみ
産毛を立てながら
泳ぐ
弾む呼吸
迷走神経の舗道
気取りながら
急ぐ
....
私を染める桜ひとひら
瞳を閉じた奥に在る
確かに抱く淡い想い
手をすり抜ける夢がひとひら
素直に語れないのは何故
確かに在ったはず…消えゆく未来
移り変わる季節に乗って
私はどこ ....
赤、青、黄色、黒、白
切って、
泳いで、
胞子、
そこに命はあるか?
太陽、月、花、動物、死体
本当は優しくて、
淋しがり屋の女の子
目を逸らさないで
僕は不器用だから。
君に近づこうとしているのに、君が離れていくのが解るから。
もう、どうしようもなくて。
自分の力ではどうにもできないと、決めつけて、諦めて。
僕は、閉 ....
世界地図を定規で測ると
あなたとわたしを遠ざける
この距離は五センチにも満たない
この地球には海があって
広い広いそのどこかに
憧れているあなたの町が
浮かんでいる
上空に照らす ....
{引用=嬰子の褥
闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....
※
ちゃぶ台をひっくり返す
それって池田屋階段落ちのカタストロフィなのか
それとも寺内貫太郎の癇癪玉が破裂したのに似ているだけなのか
亡くなった父親がちゃぶ台をひっくり返したのに一度だ ....
トン トン
トン
どうしてキミは
オオカミの皮をかぶっているの?
オオカミの皮をかぶったデリー
ウ〜 ウ〜
オオカミのマネして
うなり声
羊は首をかしげて
トコトコ
歩いてく
....
シャツはばっちりと糊のかかったものしか着ない
髪を梳かしかかったりもしない
そんな行為自体がない
なんて、
ファンタジーの行き止まり
青あか黄みどり紫いろのころも
散ばった
のだ、
夏 ....
鳴いた、犬が。そして失った。
私と犬は同じ空間にはいないので
すぐに失う
知ってしまったその存在
と、その消失
私は穴を埋めようと
懸命に窓の外へと手を伸ばす
普段歩いている道を
同じ ....
川底で
せせらぎを奏でる
石ころの様に
なりたい…
いつの間にか
川底の底
藻を生やし
身は重く
日々
身は削られるのに
耐えているだけの
石ころ
ほの暗く
時よ ....
花 微笑んだら 鳥
鳥 さざめいて 風
風 透き通って 月
月 打ち明けず 花
花 移ろったら 鳥
鳥 ざわめいて 風
風 追い縋って 月
月 恨み切れず 花
花 散り乱れ ....
わたしは、ここ
あなたは、そこ
この距離は因果律
決して縮まることはない
時間はいつも嫌になるくらい前向きで
振り返ってはくれないから
誰もが桜の空を仰いでいる ....
何故君の手のひらは
綺麗で
広くて
女の子みたいに
冷たいんでしょう?
わたしの手のひらは
ぼこぼこで
小さくて
いつでも熱くて
どこか湿っぽいです
だから
その
....
君よ
強く羽ばたき
何処へ翔び発ち…
何処まで翔びたい?
君よ
わかってるはずさ
あの峰を越えられないと…
それは偉業でなく無謀だと…
君よ
知っ ....
窓の向こうから 風の音が聞こえる
少しだけ暖かくなった 冬の午後
いつも歩いてる道端に
小さなちからを感じる 春の夕暮れ
夜になると目を覚ます あなたのように
雨の降る真夜中から 歩 ....
おきざりの波打際で膝を強く強く抱くと
両の乳房が ぱんと張って
ふとももに弾かれて 憂鬱に揺れた
一方的な愛情ほど与えすぎても尽きないよ
あたためて触れてひどく突きつけて
かき鳴らす歌を ....
アネモネ (はかない恋)
あなたの気弱な指先でわたしを摘んで欲しい
わたしの一番可憐な時間を花瓶に挿して欲しい
あなたの意識の端をひとときでも彩れたら
ノートパソコンの ....
窓のまんなか闇がひらけて
ふとんが羽根を破き大天使になる
最悪な現状でもどうせ寝るなら良い夢を
どうせ飛ぶならどこまでも遠くがいいんだ
海が見たい
海が見たい
海が見たいんだよ
波打ち際 ....
春の強い風に吹かれて宙に浮いている
さくらの花びら
ひらりひらひら
あなたの大きな肩の上に落ちた
わたしだったら
わたしがさくらの花びらだったら
このまま風に乗って
そっとあなたの頬 ....
石鹸は 清潔感の象徴であるにもかかわらず
汚い手にその身をもみしだかれ その身を徐々に徐々に削り取られ
自らの一部が 汚らしさの象徴である下水道に 徐々に徐々に流れていくのを
....
あのひとから乞われた訳じゃない
成り行きでと言えばそんな感じだった
奥さんよりも私を選んでくれた
そんな幼い優越感が無かったといえば嘘になる
幸せだった頃に家族で訪れた事があると話していた ....
空の涙は
私の手のひらで
悲しみを預けながら
そっと
冷えた空気に混じりあう
音もなく消える
その悲しさを
何に伝えたらよかったの
男を犬のように扱って
動物愛好家の悲鳴が聞こえる中で
サーカスの猛獣ショーの如く
今日も鞭を振るって
痛々しい愛の言葉を吐いてあげる
逆らうものは皆 処刑される
涎と精液が混じる ....
最初に
肋骨心距の決定
言葉たちのソル イ ソンブラ
それから
動物たちを番わせる
慌てなくていい
生き物が光るわけを本当には誰も知らない
次は
薔薇の花とイヴ
....
みそひともじの
みそひともじの
こいのうた
みそひともじの
みそひともじの
あわれうた
かなわぬこいの
かなわぬこいの
つづりうた
あわれをうたう
あわれな ....
深夜二時過ぎ 携帯のサイト覗いて
甘い言葉を書き連ねる 物語に吐き気がして
慌ててトイレに駆け込んだら 何処からか血の匂いがした
掻き消すように 狂ったカクテル喉焼けるまで飲み干して
動けなく ....
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