アリス想詩
愛心

イトしくて
カナしくて
仕方ないから

わたしは「夢」を視る

捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して

白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う

その所為で彷徨って

「夢」
「現実」

交錯しても
欲しいから

別に良いよ

愛しくて黒の兎
哀しくて白の兎

二兎追う者は一兎も得ず


欲張りなわたしは
何も掴まえられず
神経が外れた足は
崩れるように座り込む


欲しいの

貴方の想い


涙の海に揺蕩う「世界」

締め付けるようなこの感情に

誰か言の葉を
浮かべて


わたしは知らない
知りたくもない
知ってしまえば

脱け出せないから



そんなときに戻って来たは

赤い瞳の白兎
濡れた毛皮の黒兎



「恋」に迷い込んだんだね




二人の兎が優しく触れる



愛しい想いも

哀しい想いも

両方同じ

あい

なんだよ




薄く染まる世界に

モノクロのわたしが
独り想う

その穏やかな心地を
「あい」と呼んで
そっと佇んでみれば

貴方の全てを
大切に想うことが

出来る気がして

優しく唇を紡いだ


「貴方をあいしてる」





自由詩 アリス想詩 Copyright 愛心 2009-05-11 00:20:06
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