猿の姿をした雲が
夏の夜空をゆっくり流れる
胸の雲間に
今にも満ちそうな月を
光らせて
宇宙は水飴色です
ゆっくりと
ながく
{ルビ湖=うみ}に似た時間の中で
シクリと微笑んで
星は甘い時間を漂っています
例えば恋人のこととか
例えば死んでしまったこととか
そうして
い ....
悲しみの鎖に繋がれて
僕はもがき苦しんでいる
3畳半のこの狭い空間
窓から覗さしこむ光
三日月の月が笑う
断ち切りたいと願えば
どんなに楽だろう
大層愛しかろう
切なかろう
....
コンクリート
信号機
看板
君がうたうのは何処。
君は何をうたう。
夏風がそっと聞いてくる
今年は
蝉の声が聞こえてこない
だから
さ
君が鳴いてよ
君が ....
あなたがいるだけでいいの、あなたがいないと生きられないの
そんなによわくないもん
でもよわいんだ
月をながめてる
くだらないことだっていう
そんなことない
いつかあそこにすむんだ
うまれ ....
.
夏の空ビードロの音鳴り響き
口の端に付く黒い点取り除き
紺空にパッと花輪が乱れ咲き
夏の夜の風物詩かな生ビール
祭明けまた燃え盛り乱れ咲く
.
月 ....
欲望は眠りこけて
苦痛が姿を消しているとき
其処に幸せがボヤ〜っと突っ立ってる
乱反射する日常の事務と
隙間なく入り乱れた選択の連鎖のなかで
時々息苦しくなり
ぼくらは空気を求める
夏の ....
最後に見た夜空の星は
100光年の彼方からの100年前の光だ
それを見ながら僕は
緑色に濁った冷たい泥沼に沈んでいく
永遠と瞬間の狭間で息をして
一瞬の間に100年分 ....
私の好きな人は
嘘が上手な人で
必ず日曜日の朝
遠くに出掛ける
ガラスの中の生き物を
何時も大切にしていて
コーヒーを飲みながら
流れる曲線を見ている
....
渦を巻き
留まった一瞬に
気づいていながら
私は見て見ぬふりをした。
スカートを膨らませて
無邪気に遊ぶほど
少女でもないと・・・
吹き溜まっていた
何度も 何度も
ガタガタ ....
柔らかな肉をはむ様に
どうしたって優しくしなくっちゃ
毎日が退屈になっちゃうから
目の前で小さな虫が跳び跳ねる様に
何かの儀式みたいに意味も無く踊りながら
風が涼しいね
夜だから
....
すき。ということばを頑なに使わなかった時がありました。
七月の夕暮れ。ひとしきり降った雨の上を歩いていました。
貴方を捨てるとか、愛を叫ぶことができないとか、そういった話ではないのでし ....
コンクリートの隙間へ
手をひたすとき、
かなしい人魚の
ほほえみが
過ぎる
その、
行方を追いかけやめた目の
放ってみせる空には
青のにじみが
よく似合う
....
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた
ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う
あとほんの ....
地球を横断中のどこからどう見ても萎みきった男性がスペースシャトルと衝突し死亡
そんな夢。
どこもかしこも黄色い
広さもわからない
究極に狭いのか
それとも無限に広いのか
ここはどこだろうと隣に座っている人に聞いてみる
問い掛けた後で気付いたが、
その人はただ座っているだけで ....
色彩アラベスク
黒い空 黄色いライト
オレンジの腕 汗は光る
コンパスはあちこちと動き
ベイジュと紫
赤の縁どり
白い球はくるくると舞い
無花果の実は赤し
オレンジの足は地を ....
恋の引力
毎日太陽が上る様に
そこに存在しているのがあたりまえの存在に
甘えてた
どんな大切な存在か
僕の横にいるのがあたりまえなのに
考える事さえ
ナンセンス
....
室内灯の明りを落とし
明日の為にと目を閉じて
今週は何を片付けようかと
算段を繰り返している
かつては夢を見ない夜が嫌いだった
意識が途切れてから数秒後には
当たり前の朝を迎えていたか ....
01/10/03
焼け野が原に朝が来た
痩せた影が原稿を書いている
おいらは食うものがないから
水たまりに写った雲を見ながら
焼け残った太陽の欠片を拾う
....
ときの
残り火を
消すように
ゆっくり
無言は敷き詰められます
夜の鏡を
おそれた時代が
あったはずですね、
なにも語らない目も
十分に言葉であ ....
わたしの舟は
海の波間に浮き、しずみ
しみいる海水を 手おけで
くみだし、海原をわたってゆく
舟に名前をつけようという
シャレた気持ちもとうになくし
それでも、
「オマエハダレゾ? ....
ちょうちょ食べるならしじみちょう
しじみちょうならおみそしる
お味噌入れたら火を止めて
ちょうちょひとふり鍋の中
しじみの滋味はなつの滋味
ちょうちょも豆もオリゼーも
みんなそろって鍋 ....
この世に愛が
なくなったら
太陽のない
地球のよう
生きる原動力
生き甲斐
生きる目的
生きる重み
安心感
守り守られ
心の支え
平常心
夏の青空にサナトリウムの白い壁が
セラミックナイフのように突き刺さる
静脈に流れる爽やかな風を感じるように
鉄格子の越しのひこうき雲は流れて
エアコンの室外機からの水溜まりに太陽が
反射して ....
透き通った青い舞台
夕焼けの彼女は
赤いフリルをはためかせ
沈みながら
踊る
七色の光の粒子は
彼女が踊り子だというシルシ
彼女が自分の身体を
崩しながら
踊り狂うその姿は
まる ....
水風船をぶつけられて
笑ったけど人知れず泣いてたあの子は
明くる日 きらめく水晶の舟で
だれも知らない金色の国へ だれにも告げず旅立った
水風船をぶつけて
実は謝ろうか謝るまいかと悩 ....
きらきら
お星様が
光っている
ねぇ
知ってる
流星に
お願いすると
必ず
願いが
かなうんだって
きょう
何を
お願いしようか
流星に
私は
お願いをしました
こ ....
この両手の広げて 両闇の夜 空
被りながら濡れたまな板をみる
喘ぐものは 名前などなく その前から
地球を喋っていたように、肌を捲り
恥ずかしがっていく
この両手の上げて 倒れる気美 ....
午後からは雨がやんだ
小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う
雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる
会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
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