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その日の激しい夕立で
空の埃も洗われて
静まり返る夜の水面に
ゆらゆらと揺れる月
僕らはそのずっと下
仄暗い水底の上
その薄明かりの中
沈んだままで抱き合って
水の中の密室で
唇 ....
子供の頃と違う理由で
おはじきを呑み込む
でも重くなるばかりで
透明を手に入れることができない
たとえ半透明ぐらいまでになって
軽くなってふわりと飛んでゆけても
シャボン玉よりもずっと ....
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君
同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
....
オルゴールの箱を開けると
止まっていた
あの頃の時間が動きだす
もうずっと昔
子供の頃の
何度も
何度も
キリキリと
キリキリと
ゼンマイのネジを巻く
子供の頃みたいに
....
街
は 生きていて
たくさんの人
を 飲み込み
迷わせ
そして
消 し て
しまう
そこは
たった
数年
で
....
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない
多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった
それはホームレスのビニールシート ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘
欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
かなしいけれど しょうがないのか
なきむしだからどうしたらいいかな
しらじらしいえがおみせたりするし
いらいらしてたって それでもいい
うそつきなのになぜすきなのだろう
それでもいいとい ....
夏空の青色は完璧な色をしているが
綿菓子になり損なったみたいな
散らばりかけた残念な雲が広がって
夏の始まりからその陰に隠れていた
終わりがそっと顔を覗かせている
木蔭には脱皮に失敗 ....
最後に見た夜空の星は
100光年の彼方からの100年前の光だ
それを見ながら僕は
緑色に濁った冷たい泥沼に沈んでいく
永遠と瞬間の狭間で息をして
一瞬の間に100年分 ....
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた
ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う
あとほんの ....
夏の青空にサナトリウムの白い壁が
セラミックナイフのように突き刺さる
静脈に流れる爽やかな風を感じるように
鉄格子の越しのひこうき雲は流れて
エアコンの室外機からの水溜まりに太陽が
反射して ....
午後からは雨がやんだ
小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う
雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる
会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
星月冬灯さんの皆月 零胤さんおすすめリスト
(13)
タイトル
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日付
水面を漂う糸
-
皆月 零 ...
自由詩
6*
08-9-19
鳥籠の水
-
皆月 零 ...
自由詩
8*
08-9-14
シャッターを切る音
-
皆月 零 ...
自由詩
9*
08-9-12
オルゴール
-
皆月 零 ...
自由詩
5*
08-9-4
街
-
皆月 零 ...
自由詩
3*
08-8-24
クロコダイルの夢
-
皆月 零 ...
自由詩
7*
08-8-22
アウグストゥスの月を抱く
-
皆月 零 ...
自由詩
11*
08-8-20
かなしい_うそつき
-
皆月 零 ...
自由詩
2*
08-8-20
夏空
-
皆月 零 ...
自由詩
6*
08-8-15
碧い月
-
皆月 零 ...
自由詩
7*
08-8-14
太陽の光はまだ早すぎる
-
皆月 零 ...
自由詩
3+*
08-8-12
盲目の夏
-
皆月 零 ...
自由詩
6*
08-8-10
溺れる魚
-
皆月 零 ...
自由詩
21*
08-8-9
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