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空を見上げる
雨粒が降りてくる
一直線に堕ちてくる
粒の一つをただ見つめる
目的などない
経過する時間の長さと
静寂を感じられる
この手の平に堕ちてくる
もたらされた潤いを
握りしめ ....
ひとかじりしたリンゴは
あんまりにも酸っぱくて
思わず涙を流してしまった
大きくもうひとかじりしたのは
そうしないと
大きな声で泣き喚いてしまいそうだから
酸っぱいだなんて
ただ ....
だめだ
もうだめだと思いながら
それでもまだ生きながらえている
この鼓動は止まることがなく
呼吸が止むことなく
陽の光を浴びて幸せを噛みしめる
気を失ってしまいたいと切望し
なに ....
目眩がしそうなほど
ぶちかまされた現実は
あまりにも
残酷で美しく
否定することさえできず
ただそこにあるそれをそのまま
受け入れることしかできない
渇きは潤されると
思わない方が ....
明日は明日だから
今日がどんなに澱んだ一日であっただろうが
つまらないことだらけで
怒りに満ち溢れ
涙が止めどなく
暗雲が立ち込めた日であったか
明るい笑い声に包まれ
歌声が ....
ただ休んでいい
どうにも身体がいうことを聞かないときは
休んでいればいい
否
休むしかない
笑顔を作れず
前に進めず
指さえ微動だにせず
涙も零れ落ちない
そんなとき ....
喧騒の中で食事をする
欲しようと
欲しまいと
食事をする
笑顔を隠して
涙を堪えて
怒りを抑えて
食事をする
独りでも
二人でも
複数の人とでも
特別な誰かとでも
....
イライラするのは
しょうがないとして
イライラしていないふりを
うまくできなくて
八つ当たりしたり
舌打ちしてみたり
その後で自己嫌悪して
それでも生きていかなくちゃいけない ....
嫌なことはすべて後回しにしたい
嫌なことをすべて先に終わらせようとすると
いつまで経っても終わらないことに気がついた
まず嫌ではないことから順に片付けていくことにしたけれど
後に待ち構 ....
拭えない気怠さに埋もれてゆく
居心地の悪さはこの上なく
怒鳴りつけたい心臓は
腹の底へと沈めておく
まばたきをすることさえ煩わしく
ほくそ笑む方法すら忘れ
感情には雁字搦めに鍵をかけて
....
ふうと溜息をついてみる
思わせぶりな
その音の大きさに
自ら驚いてみたりする
あざとく
わざとらしく
それでも誰も振り向きはしない
駄目だ
こんなことでは
振り向いて欲し ....
心の闇を広めないよう
作り笑いをしてみる
鏡の中のいかにも醜い自分に
驚くことはないけれど
愛想が尽きる
ふと手を伸ばして頬の辺りに触れてみるけれど
鏡の向こうへ通してはもらえない
まだ ....
冷たい仕打ちを人から受けても
冷たい態度を返しはしない
プライドがどうとか
やるせなさとか
そんな問題ではない
皆と仲良くなんて
できなくていい
友達は百人も要らない
自分 ....
叫び出しそうな心は
放置しておこう
叫んでしまってもいいし
抑制できるのもまた
我慢なんて後回しでいい
我慢なんてしなくてもいい
なにをしてもいいわけではないが
どうしよ ....
品行方正であることを
自らに求める
高潔であり
志を高く保ち
清く正しく美しく
怒りを露わにすることなく
悲しみに打ちひしがれることなく
笑顔を絶やさず
常に誰に対しても公平で ....
夢に描いた箱庭は
とても脆く
不均衡に過ごす幸せを
それと実感することなく
華を掻きむしり
火を放つことを望んだのは
ほかの誰でもない
私自身
誰か別の人に
壊されてしまうく ....
放たれた欲望は
増幅するように見せかけて
枯渇してゆく
それはまるで
空飛ぶように
深淵へと
飲み込まれていくさまに
似ている
緩やかに
なだらかに
夢見るように
堕ちて ....
満たされた気持ちが
嘘のように流れて行く
真実など欲したことはないくせに
今日は今日
それでいい
どうせ
すべてが思うままにはならない
否
思いのままになることなど一つ ....
迸る涙はあなたのために
静寂に守られて
人混みの中から逃れ
海を渡る
その孤独は私が抱こう
忘れないで欲しい
見守っている
まだ出会っていない私達だけれども
私はあなたを知 ....
やっと抜け切れた気怠さ
やる気の無さの塊と化していた
どうしようもないほどに
なにも手につかなかった
そんなときに限って
あれやこれやと矢継ぎ早に
課題が突きつけられ
もう逃げ出した ....
気持ちだけが飛んで行ってしまったようだ
もうどうでもいい
怒りも悲しみも
笑顔も忘れてしまった
足が地につくことはなく
この手ではなにも掴むことができない
枯れ葉が降りしきる林 ....
最果ての町
出会った少女
風の音
足跡
明日と
またその明日
赤い靴
砂に塗れて
それでも煌めく
不意に浮かべた笑顔
ほんの一瞬
泣いていたのか
風に掻き消されて
飛んで行っ ....
今日の初めの一歩は
泥濘んだ土の上
靴が滑るのを必死に留まった
右足が自分の意志に逆らって
少し前に進む感覚は
ほんの少しでありながら
驚異であると同時に
快感さえも感じられる
....
大きく息を吸って
止める
止めたまま
しばらく
まだ
止めたまま
我慢ではなく
痩せ我慢ではなく
自分を試すのではなく
限界を知るためでもなく
まだまだ
もう少し
止めといて
....
踵をちょっと上げてみる
アキレス腱は切れないよねって
ちょっとだけ気にしながら
背伸びしてみたいんだけど
無理する気はないから
その気を味わうために
ちょっとだけ踵を上げてみてる
それだ ....
突っ伏してしまうほどに
ただ文字が書きたくて
篭めるほどの思いもないくせに
ただ文字が書きたくて
伝えたい気持ちもなく
共感を得たいとも思わず
言葉を飾り立てることもなく
汚物に塗れた血 ....
雲から雫が滴ってくるのではないかとさえ
思われるほどの重苦しい湿気の篭った空気が
伸し掛かってくる日中を息を潜めて過ごす
今日が終わるのを日がな一日思い詰めて
視線の焦点を求めてはみるものの容 ....
苦しいのは
心だろうか
嗚咽が出そうになる
心臓が飛び出しそうな
魂が抜け出していきそうな
この苦しい想いは
どこからやって来るのだろう
そしてこの苦しい痛みを
どうやって ....
腹痛を誰かに八つ当たりしたいけれど
この部屋には他に誰もいなくって
八つ当たりできる心当たりもなくって
外へ出かけることもできなくって
身を捩らせ
冷や汗をかき
呻き声を上げ
恐れ慄き
....
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