トゥデイ
坂本瞳子

雲から雫が滴ってくるのではないかとさえ
思われるほどの重苦しい湿気の篭った空気が
伸し掛かってくる日中を息を潜めて過ごす
今日が終わるのを日がな一日思い詰めて
視線の焦点を求めてはみるものの容易くは
見つけられず目眩どころか吐き気さえ覚え
嗚咽を必死に堪えて求めていたものを忘れ
目的など疾うの昔に消え去ってしまったはずと
暗闇の向こう側へ押し遣ったのだと言い聞かせ
流れる涙に気が付かない振りをして明日を迎える


自由詩 トゥデイ Copyright 坂本瞳子 2016-06-29 21:40:58
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