行き倒れ
坂本瞳子

目眩がしそうなほど
ぶちかまされた現実は
あまりにも
残酷で美しく
否定することさえできず
ただそこにあるそれをそのまま
受け入れることしかできない

渇きは潤されると
思わない方がいい
そのまま干上がって
干からびて
朽ちていくだけ
最後の一滴まで
搾り取られて
枯れてゆく

嗄れた
打ち拉がれた
こんな身体で
跛を引いて
傷口を広げ
流血を止める術を知らず
痛みを共有することもなく
歩き続ける


歩いている夢を見ている

未だ夢の途中
これから先もまだしばらく
うなだれていよう


自由詩 行き倒れ Copyright 坂本瞳子 2017-03-30 01:47:43
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