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名前のない鉢植えを買って
如雨露で水をやっていたら
ある日 みぎとひだりの
ひとさしゆびの さきっぽを
あわせたような虹が咲きました
かえるなり
あせのかわごと
ぬぎすてて
みずぶろふかく
しんでもいいや
背中あわせに立って あるきはじめた
ふりむきざまに 撃ちあうこともなく
ふたたびは相まみえるはずのなかった
もうひとりの わたしとの
決闘が 用意されている
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました ....
腐るまえに
食べます さかさにして
付け根のあたりを
ひらいて
吸って
また夜がきた そうして風がしみる
ぼくの肩も胸も もろく こころは
出血を くりかえしているが
かまわずに よりかかってくれ
きみひとりなら まだ支えられる
これは1618年にロバート・フラッドという名の錬金術師が発明した永久機関です。さしずめ「アルキメデスの螺旋」の応用といったところでしょうか。この螺旋の管が水車の力でまわると水は上方へ運ばれそこにある枡 ....
「詩を読むのにも飽きて
ピヨピヨ湖のほとりで
釣りをしていた
おれが愛したのは
美しい風景ではなく
それを記述した言葉の美しさだった」
と かいたところで
....
むかし、むかし、ずーっと、ずーっと大昔のことでした。
森にかこまれた小さな湖のほとりの岩山に、ひとりの絶対者が住んでおりました。
えっ、絶対者って?
まあまあ、そうあわてずに。静かに聴い ....
いいのである
しょせん言葉ならば
たれながしても
永遠やヒストリーに
殉ずることこそ
権威主義のア・ラ・カルト
そんなことを
半世紀 いや
もっと前の
詩人たちも言っていたと
信 ....
深刻な問題を考えるのは天才にまかせておこう(モンゴメリ)
雨あがり。
ポポはアパートの部屋から、ホップ、ステップ、ジャンプして、街へ通じる歩道橋の上まで駆け上がった。
大きな虹が ....
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに
愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない
そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
是がまあつひの栖か雪五尺
いつだったかなあ、もうずいぶん昔の話。
ある年の二月頃、私は列車にのり、信越本線をどこかへ向かっていた。
そのときの気持ちを詩にたとえると、
列車よ、俺を ....
ぼいん
ぶつかると
ぼいん ぼいん
はずみそう
おもわず
やっちゃいそうで
あぶない
でんしゃ
・・・・・・父は営林署の職員だった。私たち家族は小高い丘の上に建てられた社宅のひとつに住んだ。数十軒の社宅が営林署の三階だての建物を円形状にとりかこみ、遠くから眺めると近世の城とその武家屋敷の集落のよ ....
蕩児はついに帰らない
粗暴な海にうまれた いきものの
鰭のひらめきのような
ひとときを
ただ過ぎてゆくためにだけ
夏はあったと
ひとしれずつぶやく
ここちよい自虐に
おしみなく反吐を! ....
なんか今日は疲れたなあ
雨だったし
なんか今日はやる気がないなあ
酒のんだし
じゃ
そゆことで
明日も
また会えるでしょう
たぶん
たぶん ね
この高さから
とびおりたら うすい
皮膚はやぶれ もろい
肉はとびちるだろう
目をつぶって ほんのにさんぽ
前にすすめば それでおわり
わたしのくるしみは はたから見れば
ささいなことだ ....
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