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「猫を探しています」
と書かれた手製のチラシが
郵便受けに入っていた
「名前 小太郎 茶虎 体重4kg」
茶虎の猫といったら
このあたりでも野良でたくさんいる
正直見つか ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う
けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって
僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
うららかな夕焼けが
つくりだす陰影
「せんせい かげふみしよう」
授業が終わった生徒が
煙草に火をつけようとする
僕の手をとめる
足元から伸びた大きな影と
向かい合う ....
北の大地の端っこに
その工場は在ると聞きました
えっちらおっちらせわしなく
『何か』をつくっているらしいのですが
それを目にした人はいないそうです
それはやはり『何か』だからなのでし ....
ピストルを背中に押し付けられて
細い路地へ連れ込まれる
そんな夢を見た
銃弾が放たれた瞬間に
ちょうど目が覚めるとは限らない
痛みのない苦痛を味わうこともある
それ ....
生徒からもらった手紙には
「わたし先生がいなくても頑張ってるよ」
って書いてあった
渡り鳥のように教室をめぐる僕は
だからこそ一つ一つの授業を大切にする
うまくいかないこともあるけれ ....
ごらん、あれが銀河というものだ
今日みたいな湿った夜に
こんなにくっきりと見えるのは
とても珍しいことなんだよ
僕は君たちに星は動いていないと教えた
地球の自転の見かけの動きなのだと ....
世界がもう少しちいさかったなら
お互いがお互いを理解することも
やさしかっただろう
世界がもう少しちいさかったなら
お互いがお互いに対して
やさしかっただろう
世界がもう少 ....
金の糸
きらり
束の間の晴れ
雲の間から光
銀の糸
きらり
今日雨が降り
葉の上つるり
金の糸から光
明日は天気に
なあれ
銀の糸から光
明日は元気に
....
誰もいない教室で
机の落書きを消す
たいていが内容の無いもので
消すのにためらうこともないのだが
ふと窓をみると
結露したときに指で書いたのだろう
一つの文字が見えた
「海」 ....
真っ白な雪が降ったとき
僕は子供のように喜んだ
冷たい雪に埋もれながら
僕はそんなふうになりたかった
真っ白な雪と大地の間で
わずかな温もりを感じたかった
四月 (始ま ....
現在を座標としてとらえると
それは常に原点であり
未来は北の方角になります
そうなりますと
過去は南の方角ということです
西やら東やらは
存在はするのでしょうが
詳しいことは不明 ....
シーラカンスという名前は
ギリシア語で「中空の背骨」という意味で
原始的なそのつくりは弱々しく
外見のゴツゴツした印象からは想像できない
けれど普通の魚と比べて多いヒレは
しっかりと ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
季節のかわり目は
いつもどこか淋しい
風が吹くたびに
しがみついていた桜の花びらは枝を離れ
雨が降るほどに
やわらかな景色がその色を増してゆく頃
たとえば新しい教科書の
空欄に名 ....
とべない鳥がなくように
誰かのそばでうたっていたい
とべない鳥がなくように
誰かのうたをうたっていたい
とべない鳥とわらわれて
とべない鳥とからかわれても
誰かのそばでうた ....
高校二年で剣道三段のその生徒は
「30cmの棒があれば先生を倒せますよ」と
とても冷静な顔で言う
なのでシャーペンより長いものは
できるだけ持たせてはいけないと思っている
僕は六年前 ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら
僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
オレンジの雲をかじる
甘酸っぱい空気を冷やして飲んだ
気流が発生する前の
静かに流れる朝は鳥の声に押されて
ようやく白い地を染める
地球の回転は空の綱引き
勝ち負けのない勝負は ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く
ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
娘が
私の誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
娘は
私がそれを ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
茹ですぎてはいけない
くっついたら離れられなくなる
それはきっと
お互いを傷つけないためだ
それぞれが自立していられるくらいの
芯がなければいけない
あと、塩加減も大切 ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで
あの日記は閉じました
喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが
悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく
身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした
忘れ去られた銀河ステーション
....
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない
植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう
いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう
小さな庭に種をまい ....
多くの星が
自ら輝くことができないように
僕らもまた
自ら輝くことはむずかしい
たとえば僕がそうであるように
一つとして同じものなどない
そんな僕ら星のかけらたち
一つの存在が放 ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく
私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
思い通りに喋れない
言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている
戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める
繭になる
吐き出さ ....
中学のころ
教科書の中に出てきた
ナンシーに会いたい
タケシの家にホームステイで来ただけなのに
のこのこ学校までついてきて
わざわざ英語を教えてくれたナンシー
ナンシーに会いた ....
ひよりさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(104)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「猫を探しています」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-5-5
「なくした小指」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
08-5-3
「かげふみ」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-4-29
「春の工場」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-4-28
「夢の中の市場」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-26
「花束」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-24
「光砂の海」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-4-19
「世界がもう少しちいさかったなら」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-4-19
「金の糸と銀の糸」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-4-18
「海がひろがる」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
08-4-14
「雪融け」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-4-11
「現在座標」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-4-11
「シーラカンスは胎生なんだ」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-9
「やさしいかたち」
-
ベンジャ ...
自由詩
27*
08-4-5
「ふくらんでゆく春」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-1
「とべない鳥がなくように」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-3-29
「バンブーソード」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-25
「億万人の心の音」
-
ベンジャ ...
自由詩
20*
08-3-22
「明け方の月はよく笑う」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-21
「空を見たいと思うとき」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-3-19
「プレゼント」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-17
「そんな生き方」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-2-14
アルデンテ_スパゲッティ
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-20
栞(しおり)
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-2-7
流星群の夜
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-2
笑顔の種
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-12-3
星のかけら
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
05-12-2
波紋
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-27
言葉が蝶のように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-20
ナンシーに会いたい
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
05-11-10
1
2
3
4
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