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オンブラ・マイ・フ
もしくは、ラルゴ
あたたかで気高い
それを聴くたびに深遠は近くに
だれも知らない場所で
だれもが繋がっている
かつてこれほど
安らいだ ....
私が物心を付いた頃
入退院を繰り返す父は、
心臓病の、体の弱い人でした
それなのに、
父の笑顔に
ひどく私を幸せにする力があって、
それを見るために小さな私は、
クレヨンで何枚も ....
遅刻しそうになって
朝食を喉につめて
走って小学校に行く
教室に入ったとたんに思いだす
今日は図画工作の日だ
先生から新聞紙や糊やハサミや色紙を
持ってくるように言われていた
ぼくは ....
愛ってなんだろ
ぽつりと吐かれた言葉がフローリングの床に落ちて
それは真っ黒な染みになった
白いワンピース
春色の爪
茶色のフローリング
漆黒の染み
ピエ ....
切り削る弦月は
生温かい月明かり
星の角先が知らぬ間、円みを帯びている
願いを込めれば
河瀬に
天の河の流れは淀み
瀞(とろ)に溜まった星たちが
あふれて
私(ここ)に落ちてく ....
無数の雨粒に包囲された
とある休日の午後
僕は僕の形をした部屋を
ひきずっての遊歩道
何度も傘をノックするのは
とあるお節介な日常
僕はミエミエの居留守を使って
知らんぷりの遊歩 ....
ある赤ちゃんは公園で
暖かい風に吹かれながら
ベビーカーから見える青い空を見上げる
ある幼稚園児は
ジャングルジムのてっぺんから
人より少し高い所から
雲がゆっくり ....
そこには愛が無い
愛を感じない
私は嬉しくない
私は苦しい
自分は良いと思ってしていても
私にとっては嫌な事
セクハラと同じ
人の気持ちが分からない。
人の心を玩ぶ
私は暴言 ....
喧騒のなか
細い雨のメロディ
梢にしがみついて
姿を変えてみる
みんな
どこへ向かうのだろう
遠い、稜線をこえて
あしたも、あさっても
きゅうに
手をつなぎたくなって
あなたの ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる
たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
光の跡を指で辿って
途切れては、また
切なる時間の中にいる
瞬きに願いを乗せることもなく
水面に寄り添うのは
想いが透き通るから
清水に耳を傾けるのは
貴方の声を ....
一つ仕事を下りるのは
大変な事
会社は儲けが絡んでいる
人的配置
関係者の生活
体の保障が掛かっている
一生をダメにしたくない。
後には引けない
口は災いの元
日頃の言動が
難 ....
水槽の底の
薄く撒かれた石床を
胸に抱えたまま
いつまでも
眠りにたどりつけない
硝子の鏡面に映る
瞳の奥、の奥
私は
銀色のマトリョーシカを
組み立てる
+
あなた ....
蝋燭ではものたりないから
うるさいシャンデリアなんかを
線香ではものたりないから
大輪の花火なんかを
菊ではものたりないから
何百という百合なんかを
むかし
現在、過去、未来
いま ....
じぶんががんばることが
誰のためにもなっていない
未来も含めて
誰のためにもなっていない
これ以上の絶望ってあるだろうか
言葉はいつも足りなくて
無力感ばかりにひた ....
小さなまどから
両手を広げたら
境も {ルビ閊=つか}える枠もなかった
風は湿り気
きょうもいくつもの紙ふうせん
昇ってゆく
まだ、両手広げたまま 吸って 吐いて
十字架のか ....
暗い箱を捜して僕は夜を歩き
冷たい風に吹かれては懐かしき日を想う
朝日に沈んでは昨日の未来に立ち竦み
貴女の生みたての体温を願う
明日の貴女を叶えて下さい
昨日の私で終らせて下さい
....
ノックをしても返事は帰ってこない
薄暗い井戸に落ちていくのは
諦めた人達
安心したくていつも命綱を
硬く身に付けていた
辛うじて意識があるうちに
君に会いに行こうと ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで
湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
浜辺で
ざぶん という波音の方が
波より先に砂を砕いている
気がした
おしてはよせて
消える波
消えても消えても
繰り返し押し寄せる波
プチプチと砂 ....
あいつは家出人とはちがう
もともと家なんかないから
今でいうネットカフェ難民よろしく
ドヤからドヤを渡り歩いて
それでおかしくはなかった
いまなら、ホームレスボクサー登場 ....
眠るのが怖い
眠っている間に明日を待つのが
望みもしないのに朝がくるのが
静けさに波打つベッドで
女、になっていくのが
ただ、怖い
古い引き出しの中
小さな箱の中には
短くなっても
捨てられない
色鉛筆が潜んでいる
もう出番は
わずかしかないのに
正真正銘の色鉛筆が
そこにある
好きな色ばかりが
懐かしい
昔 ....
マンホールをひっくりかえして重力に従いおっこちてる
今新しい話題についての知識が無く全くわらえないまま
あたたかな下水に浸っている俺の右肩からどぶねずみが斜めに
横切るのが最高にありがたくて涙が ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな
毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
{引用=わたしの家は 田んぼの田の字の真ん中にたっていて 画家が住んでいます
誰も彼の姿をみたことはないのですが 彼は確かにいるのです
どの故郷にも どの町にも どの家にも 彼は必ずいるのです}
....
きれいな発色
間接照明
心がくつろぐ
天井が高い
広い空間
背の高い外人
有能なカップル
日常から離れた時間
すてきな日曜日
雲もなく
晴れている
お下げの子
Sound of the abyss
The bell of my sorrow
hung in my heart
quietly rings through all eternity. ....
四十をとうに過ぎてから
韓国語を習い始めた
昔
英語を学んでみても挫折した私が
日本語と少し似ているせいで
韓国語ならできそうな気がしたから
教えてくださる先生は
日本の男性と結 ....
雨音に見張られて
夢に溶けることも
ままならなかった夜も
いつの間にか明けて
乳白色に霞んだ
意識の繋ぎ目に
濃い目のコーヒーを
注意深く注ぎ込んだ
雨の残り香のする
雨戸を ....
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