すべてのおすすめ
朝から部屋で臥せっていると
唐突に金剛力士がやってきて
口元を引き締めた形相で見下ろしている
それがあまりに突然の出現だったので
なんの心構えも用意もできておらず
ただただ驚愕して畏まるばか ....
突き刺さりの星だ
海までの距離をはかりかねて
人間が足を踏み入れたことのない
地上の浜辺に行き着く
袖を垂らしている木々
鳥の見回り時
沖への呼び声が耳元で鳴るのも
呼び声と言えるのか
 ....
雉鳩が鳴いている
塀の向こうを首が歩いていく
頭の中では鶴がうまく折れず
車輪がふらつく

「ぼくらの世界はたんに神の不機嫌、
 おもしろくない一日、
 といったものに過ぎないのだ」
 ....
おれは桃太郎だ、桃太郎なんだと鬼が言うので
あんたは桃太郎だよ
どこから見てもそうだよと頷いてやる
鬼は心底ほっとした顔で
でも空っぽになったような目をして
暗い森の中に帰っていく
わたし ....
化粧箱や封筒の
中には宝石があるものだと
女の子はそれくらい知っている
馬の形をした雲を追いかけて
知らない道を行くと
その細道の先には橋が続いて
途中、別れの言葉を思い出して
しゃくり ....
{引用=
奥は暗くておそろしければ… 和泉式部

ふいに戸を閉められて
暗い場所に置き去りにされてみれば
息をするのもままならぬほどで
手探りで進む手に
布がひらひらとまといつく
天 ....
雨が降らないうちに
えのころ草を刈りにきた
町外れの原っぱには風が吹いて
無数のえのころが揺れている
どれも丸々と太って
互いに体をこすりつけながら
刈り取られるのを今か今かと待っている
 ....
深水遊脚さんの春日線香さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かまぼこ- 春日線香自由詩417-4-27
脳の浜- 春日線香自由詩216-8-3
新鮮たばこ- 春日線香自由詩1*15-3-28
桃太郎- 春日線香自由詩313-12-20
かなしい唄- 春日線香自由詩713-9-26
暗峠- 春日線香自由詩713-9-9
えのころ草- 春日線香自由詩10*13-7-12

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する