脳の浜
春日線香

突き刺さりの星だ
海までの距離をはかりかねて
人間が足を踏み入れたことのない
地上の浜辺に行き着く
袖を垂らしている木々
鳥の見回り時
沖への呼び声が耳元で鳴るのも
呼び声と言えるのか
どうか
くちばしは喉を切り開き
延々と繰り広げられている
影と音は誰だろうか
昼と夜と春
未明の水脈を引く動きで
流れている時間の
目が覚めればいいと考えている
横なぎの風に頭をおさえ
目の端に輝く
つめたい星々の死
やけはらの
足だけ
の歩行


自由詩 脳の浜 Copyright 春日線香 2016-08-03 22:04:21
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