すべてのおすすめ
さくほ のざらし せに まいわき
みおり みずお くらり めにおつ
んゆらま こひ えあぶり しずき
むつて たかれ おりもひ すずろ
ぬかるむ つのり けしのむ さち
ゆむひ もる ....
やんやんやんちゃに のこのこゆきぐも
すてりんころげた おなかは ぐーぐー
ちいさなつめたい おてて と おてて
ほしのしたに おちちゃった
みつけて ゆきだるまあん いたいの ゆきだるま ....
靴下をはいた雨が
廊下を明るくたどる
つめたいの 爪に隠れる
雨の手
この指で消えてしまうと
笑いこむ
トタン とたあん
泥つぶ ついた足
で ごめん
....
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る
強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
紫のタツノオトシゴのような銀河と
青色の古代貝のような銀河が
衝突しているという新聞写真
深淵の黒い場所の
手の届かないドラマ
何百万年か後には一つに溶け合うという
地球が属する銀 ....
おばちゃん 忘れ物だよ と
玄関から 姪っ子の アッシュが
車に乗り帰りかけた私に叫ぶ
四歳の女の子が 握りしめてきたのは
実家の回りに茂る草をむしって入れた
透明なビニール袋 ふたつ
は ....
カラのコップに残る
冷ました 後の氷
気体になって 闇になり
朝方から 光に変わっていく
眼から光は入り
指先から 出ては
小さな声で笑う
寝癖で まとまらない髪の中
....
山すそに嫁いで間もない頃は
会社から帰って玄関を開ける前に
そっと結婚指輪をみつめた
関所を越える前の通行手形
新姓と共に 自分で選んだ道
でも まったくなじみのない夫の家族達
ただいま ....
飾り部に出入りされている木の
皮をはがせば しらじらと
預けられていた夜中が
てっぺんから ひるがえり
白い髪を吐き まるまり落ちる
梳いていた指達
歩いていた足達
口づたいに行く ....
ちきりん ちきりん 角踏み立つ身に
ちきりん ちきりん 指混む夜更けの
ツル草 仕留めた 雷様を
腕も 巻き持ち まだ眠る
残る 一房 渇かぬうちに
暇をとらせた 赤闇 小屋 身に
....
回線の影が鳴り始める
たくさんのおまじないを用意して
咲かせたい花があった
くるくるとダイヤルをまわす
つながらない番号はないはず
私だけ 年をとってしまったわ
陸橋を運転しな ....
茶色が包みはじめて
白い花びらが消えていく
蜜を求める蜂は
終わった
折れた風に
立ち続ける 緑
枯れていく事が結実なら
すいあげられてしまおう
通称 スイカ畑 という林檎畑がある
父が子供じぶん スイカを作っていた畑で
祖父母が買い求めた時は 杉林だった
杉の木を一本 一本 切り倒して畑にして
すぐに収入に結びつく スイカを作っていた ....
小さな女の子が通りを歩いている
手荷物を持って 一人で行く
どこへいくの
頼まれたものを持って行くの
一人前なの
偉いね
路上で爆発した八歳の女の子
どこへいったの
良かった とたくさん書いてある手紙
挫折した私にあてた 亡き先生の言葉
都会の勤めを一年で辞め地元に再就職した
仕事を覚えたての私に
あなたの事だから きっと会社の利益になる
早く決 ....
錆びた釘 カンの切れ端 木屑をめくれば虫
雪で潰れた物置小屋の腐らない破片をさらう
小さなスペースに散らばっている小石
両手で包み バケツに集める
土台と共に 捨てられる礎
....
杉林 針葉の緑をすり抜け
どこからか 舞い落りた白い花弁が
木蓮の紫の蕾近くを行き過ぎ
日陰に残る雪より先に 土に落ちた
山の 日が射す場所は暖かく
雪で登る事が難しいと思っている間に ....
裏山で雪に潰され 折れた枝を集める
曲がった杉の木に足をかけて
土と雪を這い上がり 山道に出ようとすると
蝉の抜け殻が
木の根元 小枝にまじってあった
雪溶け水の下る
山道 ....
寒い時 防寒着をかしてくれた人が居た
都会の職場へ戻る夜行列車の戸口で
切符の予約をとらなかった甘い自分を悔い
朝まで立つ気で汽車に揺られるさなか
途中の まだ雪の見える駅から乗り込み
戸口 ....
白く降り止まぬ豪雪に立ちつくし
枝は のしかかる重みにバリリと折れ
春の澄み切った青空の下
まるたんぼうになって
根はネズミにかじられ
もう売り物を実らせない
切り倒され処分される ....
フリルの青いふちどり 透明な金魚鉢
陽だまりに腰掛ける 丸く揺れる水
雲の尾びれが覗き込み ひとくち
指に 甘くて白い 隙間が 落ち
金網を越えて 草の上 風枕にのぼせた
黒い小石を ....
蜂の巣が近いらしい
家の裏山の方へ行くと
飛んでいる蜂と ぶつかりそうになり
私も蜂もあわててよける
洗濯棒の近くの花の中で
仕事中の蜂も時折いるけれど
そっと ぱたぱた 洗濯物をかけ ....
1 2 3