すべてのおすすめ
世界を征服した、孤独な高い塔の上から 
広い地上を見下ろすより 
たった数人で集う、ひとつの場所を 
素朴な{ルビ日向=ひなた}でみたしたい 

「私は正しい人である」 
と胸を張るより  ....
そろそろ(忘れるコツ)を身につけたい僕は 
凹んでしまいそうな夜にこそ 
「Today is anotherday」と言ってみる 

自分の落度に指をさされて 
眉をしかめそうな時にこそ 
 ....
あの日、少年が追いかけて 
精一杯伸ばした、グローブの先に 
白いボールは、転がった――― 

夢中で土の上に飛びこむ少年の姿が 
大人になったこの胸を 
無性に揺さぶるのは、何故だろう? ....
自然の水はあふれんばかりに、今日も 
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ 

{ルビ人間=ひと}の哀しみさえも 
自然に湧き出ずる水の如く 
美しい涙の{ルビ滴=しずく}は  
君の瞳から、 ....
今日の入浴介助は 
全身をばねにしてバリバリ働くAさんと 
一人すろーに働く僕のペアで 
一人のお年寄を介助する間に 
Aさんは三人位してそうで 

天井あたりから
数時間の動きを見ると ....
道に信号があるように 
私達の日常の旅にも、信号がある 

「赤」で立ち止まる時があり 
「黄」で慎重になる時があり 
「青」で迷わずゆく時があり 

ゆずること、待つこと 
走り出す ....
新しい職場の老人ホームで 
初めて司会のマイクを持った日 
お年寄りの皆さんに 
塗り絵用の色鉛筆を渡した 

十二色の鉛筆の先っぽは 
どれもきれいに尖っていたので 
今日は鉛筆削りの ....
ありきたりの日常に頬杖をつく人が 
目玉を丸めて、飛びあがる 
手造りのびっくり箱を 
日々の暮らしに、仕掛けよう 
目の前の何でもない風景は 
独りの画家が絵筆を手に取れば 
真っ白なキャンバスにあらわれる 
一枚の美しい夢になる 

たとえばそれは 
{ルビ陽炎=かげろう}揺らめく夏の坂道を 
杖を ....
夢の中に美人女優が現れたので 
ふら〜りと吸い寄せられていったら 
ぱっと姿が消えて、目が覚めた。  

隣には、妻が小さい{ルビ鼾=いびき}をかいていた。 

起き上がって、ソファに腰を ....
一日の仕事を終えて家に帰り 
コンセントの穴から 
線をつないで 
充電器に、電話を置く 

旅先の長崎で出逢った 
お爺さんがくれたマリアのメダイを 
両手に包み瞳を閉じて 
僕はソ ....
「人生は、まさかという名の坂がある」 
ある日、同僚は言った。 

愛する{ルビ女=ひと}と結ばれた僕は 
30年住んだ実家を出て 
12年詩を朗読していた店が閉まり 
10年働いた職場か ....
再び僕等は、ヴェールが落ちるのを見る。 
いつも目にする当たり前の風景達が囁き始める。 
新しい星空が僕等をさし招き 
魂は更なる旅路を、歩むだろう 

世界は僕等のまわりで 
新しいサー ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし 
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって 
塀に、張りついていた 

通りすがりの僕は 
(君は退屈そうだなぁ・・・) 
と思ったが 

ちょっと待て  ....
いつかまっすぐな塔を建てる日の為に 
目の前に、一つの石を置いてみる 
一日という空白の舞台に 
せめて、身の丈程の石を積み上げよう 

一日々々、飾らぬ私であるように 
百日、等身大の塔 ....
在りし日のコルベ神父という人が 
住んでいた、大浦天主堂坂下の 
記念館に入り 
賛美歌の聞こえてくる奥の部屋に 

教え子達と共に日々を歩み 
雑誌を印刷した思い出の日々の 
モノクロ ....
世間の冷たい風に押されて君は、目の前 
の扉を開いた銀河の世界へ、逝ってしま 
った。地上に遺された僕等は、舞台で{ルビ詩=うた} 
う君の輝きを心象のネガに灼きつけて、  
冷たい風に抗いな ....
布団に入った妻が 
すやすやと夢を見る頃 

すでに世を去った
妻の母さんの面影は 
安月給の{ルビ婿=むこ}を祝福しに 
何処か遠い国からやって来る 

机上の花瓶に咲く  
あふ ....
私の詩は、一つの庭。 
暖かい陽のふりそそぐ庭に根を張る 
草と木と花 

土の下に張り巡らされた 
地底の家へ 
今日の食物を運ぶ一匹の蟻の、愛しさよ。 

今・私の詩を読んでいるあ ....
古本の千切れた表紙の裏側に 
ぴったりセロハンテープを、貼った。 

最近、昔の差し歯が浮いて 
すました顔で、隙間に舌をあてていた。 

渡る世間を歩いていれば 
どうしても出会ってし ....
午後の体操が始まると 
もの忘れのお爺さんは 
何かを思い出したように 
皆の輪からむくっと立ち上がり 
部屋の外へ歩き出した 

つきそいながら隣を歩き 
途中でソファに腰を下ろして  ....
仕事帰りに寄るレストランで 
よく頼むキャベツの千切り 
日によっていつも 
ドレッシングのかけ具合が違う 

毎日同じように見えるとしても  
目の前にあるのは 
一生に一 ....
在りし日の詩人が仲間等と 
文学の夢を語った赤煉瓦のCafeで 
独り一篇の詩を綴るひと時 

当時のマスターが 
詩人へ送った葉書のコピーと
花束を捧ぐ想いを込めた詩を
重ねて
鞄に ....
父親の圧迫骨折が悪化して 
日々の介護の不安に 
瞳を曇らせたまま 
嫁さんが布団に入った深夜に 

密かな寝息をたてはじめた寝顔を 
そっとみつめて、心配事の全てを
癒してあげたいと思 ....
一日忙しく働いた後 
たった五分でも本を読めば 
のんべんだらりと過ごしつつ 
一日一冊本を読むより 
開いた頁の一行が輝くかもしれない 

毎日なんにも悩まずに 
呆けた顔をしてるより ....
古書店で偶然みつけた 
昭和二十一年の「 四季 」という詩誌の 
頁を開くと、誰かの髪の毛が一本 
栞になって挟まれていた 

「 すて椅子 」という題の詩の中で 
公園に置かれたすて椅子 ....
額縁に収まる 
向日葵の絵は 
無数に{ルビ煌=きらめ}く 
ひかりの種子を、{ルビ孕=はら}んでいた 

頬のやつれた青年よ 
いのちの歓びを高らかに 
空へと歌う 
向日葵の絵を、 ....
ふせていた目をふと、上げた 
窓外の庭に 
今年もわすれな草の花々は 
空の太陽に向けて 
青い小さな笑顔達を咲かせている 

去年の今頃は
杖をつき、背中を曲げて 
わすれな草の花々 ....
 葬儀場では僧侶がお経を唱え 
 遺された息子と母親はじっと 
 額縁から微笑むひとに 
 何かを、語りかけていた 

 お焼香の短い列に 
 思いの他早く僕は腰を上げ 
 額縁から微笑 ....
ある日のデイサービス送迎車内にて 
ハンドルを握る所長は 
助手で乗るパート職員に、愚痴をこぼした 

「最近、パートのハットリって奴が 
 妙に俺にたてつくんだよ 
 何であいつがあんな ....
beebeeさんの服部 剛さんおすすめリスト(142)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天の声_- 服部 剛自由詩511-9-15
はじまりの詩- 服部 剛自由詩311-9-14
野球少年_- 服部 剛自由詩311-9-14
幸いの虹_- 服部 剛自由詩411-9-4
亀のつぶやき_- 服部 剛自由詩511-9-4
明日の信号_- 服部 剛自由詩311-9-2
無数の手_- 服部 剛自由詩511-8-16
箱を置く_- 服部 剛自由詩411-8-16
白いキャンバス- 服部 剛自由詩411-8-14
妻の寝顔_- 服部 剛自由詩511-8-11
充電器_- 服部 剛自由詩111-8-5
坂の上にて_- 服部 剛自由詩411-8-4
新しい体験_- 服部 剛自由詩411-7-27
蝸牛の時間_- 服部 剛自由詩211-7-18
石を置く_- 服部 剛自由詩211-7-16
コルベの暖炉_- 服部 剛自由詩111-7-3
wonder_words_- 服部 剛自由詩311-7-1
母の面影_- 服部 剛自由詩511-6-19
箱庭の詩_- 服部 剛自由詩411-6-17
夢の文房具屋_- 服部 剛自由詩111-6-11
今日ノ夢_- 服部 剛自由詩411-6-4
明日の音楽_- 服部 剛自由詩511-5-24
詩人の夢_ー神保町・ラドリオにてー__- 服部 剛自由詩411-5-24
夫婦まじしゃん_- 服部 剛自由詩311-5-14
夢の種_- 服部 剛自由詩511-5-9
髪の栞_- 服部 剛自由詩411-5-9
太陽の花_- 服部 剛自由詩211-5-7
わすれな草_- 服部 剛自由詩311-5-5
いのちの灯_- 服部 剛自由詩311-4-18
こだまでしょうか?ー所長とパート職員の門答ー_- 服部 剛自由詩411-4-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する